冬物語 Second Season

あとがき

恋をして、だけど、叶わなくて。
そんなとき、選ぶべき答えは「潔く諦める」か、「それでも諦めない」のどちらかしかないのでしょうか。本当は、諦めるか諦めないか、なんて、どうでもいいことなのではないですか。
だって、どっちを選んだところで、好きだって気持ちに変わりはないのですから。
そんな青臭い話が、この作品のテーマでした。
どれだけ傷ついて、つらくても、笑顔で「私、あんたが好きよ」と云える。それだけがたったひとつの本物だから。そういう真冬の姿を描きたかったのです。
あと、真冬にはやっぱり反省してもらわないと、というのもありまして。色々事情があったし、いちばん悪いのは信じゃないのかって話もありますが(^^ゞ、やはり『Can You Keep A Secret ?』で真冬がやったのは、ひどいことなんですよね。自分にとってかけがえのないものを守るのに精一杯だった彼女が、本当にひとを思いやれるようになるには、やはりそのことに気づかねばならないだろうと。
そのために、真冬には非常につらい展開になりました(;_;)。

さて、本作は企画段階では、メモオフ2ndキャラ総出演に近い形で、もっとスパンの長い話を考えていました。ゲーム本編のバックストーリーというか、裏メモオフ2ndみたいな感じ。それが実現しなかったのは、まあひとえに私の実力不足なんですけど、真冬が想像以上にへこんでいたからです。ちょっと痛々しくて、このテンションでは長く引っ張れないなあと。いつまでも落ち込んでるのは、彼女らしくないですし。
「裏メモオフ2nd」は、鷹乃シナリオアレンジバージョンのノベライズでいつかやりたいと思います(ほんとか?)。

いちばんの反省点は、やはり真冬と静流ねーさんが互いに影響を与え合うって感じにできなかったことです。真冬は静流ねーさんに導かれている感が強いですよね。『彼は彼女を救えるか』のときもそうでしたが、私がねーさんキャラを書くと、しっかりしすぎて迷いを見せてくれない……(^^ゞ。
でも、「諦める」ことを選べる彼女は、決して弱い人間ではないと思うし、本編で書いたとおり、諦めるのは、捨てることを意味しないと思う。静流ねーさんはそのことをはっきり意識しないまでも、わかっていたのではないかと思います。
……だけど、本当にいちばん痛恨だったのは、終盤の展開が『Last Regret』とかぶってしまったことだったり。雨の中、詩音の前でぶっ倒れるってシーンは『彼は彼女を救えるか』でもやったし、なんか自分の発想力の貧困さにうなだれるばかりです。うぐぅ。

ということで、真冬の物語はまだもうちょっと続きます。
次は完全オリジナルになる予定なので、しばらく準備に時間がかかると思いますが。今度は真冬の真骨頂である「おっとこまえなところポジティブな強さ」を全面に出したお話になります。おつきあいいただけると、嬉しく思います。

最後に、真冬を可愛がってくれるすべての人に、感謝を申し上げます。ありがとうございますm(__)m。次は『春を呼べ 〜冬物語Third Season』で、真冬は皆さんにお目にかかります。
ご感想など、いただければ幸いですm(__)m。


2002.5.15

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