……はい、もしもし。
ああ、小夜美。どうしたの?
――え? これから飲みに行こうって?
何よ、急に……。
そもそも、今日は――。
ああ、はいはい。わかりました。
すぐ行くから、ちょっと待ってて。
*
お待たせ。
で、どうしたのよ?
……えぇ!? すっぽかされた?
どういうこと?
――なんだ、急な仕事ならしょうがないじゃない。
智也君だって、今が大事な時期なんだしさ。
……そうよね、そんなことは小夜美もわかってるわよね。
どうせ、お姉さんぶって、「全然平気。お仕事がんばってね」とか云っちゃったんでしょ。
その八つ当たりが、わたしに回ってくるのは勘弁してほしいけど……。
なんて、うそうそ。実は結構嬉しいのよ。
もう、小夜美ったら智也君智也君で、わたしとは全然遊んでくれないものね。
ふふ、冗談だってば。さ、乾杯しましょ。
お誕生日おめでとう、小夜美……って、あれ? 電話鳴ってる。小夜美の?
……。
…………。
………………。
え? 智也君、仕事終わったって? 急いでこっち向かってる?
なんだ、よかったじゃない、小夜美。
じゃあ、わたしはこの一杯で退散するわね。
いいのいいの、気にしないで。親友じゃない、わたしたち。
――ねえ、最後に技かけていい?
あとがき
紫電さんに云われるまで誕生日忘れてました小夜美ねーさんごめんなさい記念(何。
とりあえず後ろめたさに突き動かされて即興で書きましたが、いずれ智也視点も交えてちゃんと書き直したいと思ったり思わなかったり。はうあ。