激愛(惜しみなく愛は奪う)

嵐の夜 おまえを見た
知らない男の腕の中で
いつも誘うような瞳が 閉じられて
俺を愛していると 囁いた唇が
奪われてく

夢かも知れない
嘘かも知れない
ただ この血のにじむような痛み
それだけは真実
おまえを手に入れるためには
あとどれだけ 血を流せばいいのか

俺に絶望をくれ
裏切りと嘘と失意を
それでも ただひとつ
残るものが おまえなら
愛していると云える

吹雪の夜 おまえを抱いた
寒さに凍える胸の中で
けれど 重ねてゆく言葉がすべて
けれど 繰り返す口づけがすべて
嘘になる

罪かも知れない
罰かも知れない
ただ これが試練なら
俺はすべて受ける
おまえを手に入れるために
俺は何もかもを 試されたい

俺からすべてを奪え
夢も友も希望さえも
それでも ただひとつ
残るものが おまえなら
愛していると云える

激しすぎる情熱は 両刃の剣
想えば想うほど 深く傷ついてく
けれど もう…

俺に絶望をくれ
裏切りと嘘と失意を
それでも ただひとつ
残るものが おまえなら
愛していると 云える



1990.10.23


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