「真冬ちん、どないしたん? そんなに買い込んで」
「ああ、由美子。――これ? 今日、唯笑が帰ってくるから」
「あはは、また宴会するん? ほんま、真冬ちん、好きやねえ」
「由美子に云われたくないわね。……それに」
「?」
「笑顔で帰ってくるにしろ、泣いて帰ってくるにしろ、きっと大騒ぎしたい気分だろうからね」
「……そっか。そうやね」
「笑顔で帰ってきてほしいけど……私の勘では、七対三で泣き顔かな」
やはり止めればよかったかな、と真冬は思う。
けれど、あの子は自分自身の気持ちとちゃんと向き合おうとしてる。私にはできなかったことだ。
だから。
「精一杯、盛り上げてやりましょ」
「任しとき。信くんも呼ぶ?」
「……ここは男子禁制よ」
Memories Off EX
『あんなに一緒だったのに』
唯笑編・第一部最終話「帰還祭」