2007年7月27日 ライブレポ

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ライブ前

今回は新幹線にて上京、700系ではなかったけど、隣に誰も座らなかったこともあって、肘掛けを上げてだらーっと寝ていたので楽だった。新宿に着くと、家の方に田舎から電話があったそうで、ネカフェから電話、ちょっとごたごたした話で結局次の週に帰省することになる。

いつものマックに行くと閉まっていたので、帰りに使うマックの方に行くとユイちゃんがいたので一安心、そのあとぴんかさん、Kちゃん、AMさん、おまえさん、黒さん、うめさんなどいつもの面子が合流、階段で待つのは暑いのがわかっているので、わりとぎりぎりに行くことに。怪談で十数分待った後で入場、だいたいいつもの席を確保。

御大登場まえ

さていつものようにロフトの斉藤さんの前説がありまして、実は今日のゲストには映画監督の清水氏が来る予定だったそうですが、7月27日は自分の誕生日だったそうでどっかにいっちゃったそうです。ということで、お詫びのビデオ?が数分上映されていました。



一番最後には呪怨の例の「かかかかかか」(どう表現したらいいんだろう?)って音もやってくれて、今度予定があった時はよろしくお願いしますとのことでした。清水氏の新作「呪怨バンデミック」のトレーラーがかかってから菊地先生たちいつものお三方が登場しました

ちなみに「呪怨 パンデミック」は8月18日より公開予定、トレーラーはこちらの公式サイトで見ることが出来ます。

映画の話

本日の菊地先生



「呪怨の話が出てましたがたいしたことないです。やっぱりDですね。」(笑)
ということで、実写版映画のお話、色々お話しされてましたが、長いので要約します。

 制作者は鬼武者が終わったのでDのほうが本格的に始動したらしいこと。
あの制作者は買った原作を映画にしなかったことがないそうなので安心していること。

絵コンテ(イメージイラスト?)を数点見せてもらったけど、なぜか馬に乗って雪山を眺めるDがいたりしたこと
(白魔山の権利は売った覚えがないんですけどねぇとおっしゃってました)。

撮影をするところは、オーストラリア、カナダの山岳地帯になるかもしれないこと。
まだシナリオは書けていないけど数本の話を集めたような話しになるかもしれないこと。

ここで飯野先生が「それは今出ている英語版のDの本を参考にしたんですか?」との質問でしたが
話が来たのは英訳本が出る前で、売り込んだ某会社はどうやらアニメ版のDを持っていったらしいこと

最近はCGがすごいので他のホラー特撮映画とどう差別化するか出来たらアイデアを考えてくれないかといわれたこと

Dの個性は生かしてあげるといわれたけどすこし心配していること。
「もし変わっちゃったら(日本の)ファンはがっかりしちゃうよね」と外谷さん
ただあちらにはDのキャラクターには一切手を加えるなときつく言っておられるそうなので、そのへんは大丈夫でしょう。

妖獣都市の方もちゃんと動いているそうです。

どちらも数年のうちにはなんとかなるでしょうとのことなので、楽しみが増えましたね。

日本の怪談


さてここからが本日のお題日本の怪談です。

「怪談」というテレビシリーズから2作
地獄へ続く甲州路
雨の古沼

女優霊 (映画)
新耳袋 ノブヒロさん (劇場版あり)
インプリント ぼっけぃきょうてぇ(マスターズオブホラーの1作)

正直言うと、5本全部後味がよくない、ハッピーエンドが一本もない。見れば見るほどくらーくなる
とくに最後のは地獄みたいなものです。よくこれ作ったと思います
。」(菊)

Jホラーってリングあたりからですよね。リングの貞子がほとんどJホラーの女の幽霊に影響をあたえてるのはたいしたもんですね。呪怨にしろ髪が長くてはいずっていて、あれたいしたもんですね。」(菊)

地獄へ続く甲州路

 さて1作目
 1972年に放送された「怪談」というTVシリーズのうちの1本です。
 もう34年前ということになりますね。



成田三樹夫という東大をでている俳優さんが主演。このかたは後年になっても色んなヤクザ映画とかでうまいバイプレイヤーでしたね。松田優作の探偵物語とかに出てたのも好きでした。

お話の方は凶状持ち、成田扮するヤクザは渡世の義理で、百姓のために代官に強訴しようとする5人の渡世人を切ってしまう、その後甲州を離れるのだが、また戻ってきたら幽霊に取り憑かれて甲州を出られなくなってしまう。その後泊まった家が殺した男の実家だったり、しりあった女が妹だったり、呪いにかけられて目が見えなくなったりして、最後は女に殺されて、その女も自害してしまうという話

甲州に帰ってきたら、起こることとか場所がすべて縁(えにし)でぐるぐる巻になって落ちていくところが面白いとか。
最後に出てくるやくざの親分、幽霊と間違えられて切られてしまうんですが、よく考えるとこの人なにも悪いコトしてないんですよね〜とおっしゃってました

TVシリーズだけあって、映画ほどはお金かかってないし、セットもわりと安っぽいかな。

甲州というのは飯野さんがいるところです。」と話を振られてた飯野先生は
これなんかおれんちの近所ですよ 町内会に自治会があって〜
と、けっこうてきとーなことをいっておられたような(笑)



 土田早苗さんという女優さんが出ていて、先生はファンだったそうです。

 他の話のキャストを見ていても、中村敦夫や天知茂とか田村兄弟がでていたりと、なかなかの豪華キャストだったTVシリーズですね。

 

  怪談 雨の古沼


旅の一座の話、客が入らないので追い出されてしまう。で、座長はどうどうと浮気中。その奥さんが岡田茉莉子です。

で、弟子で奥さんを慕っているのが二人いて、まじめな方が中村扇雀というわけです。

さて一度芝居が解散してから、この座長、奥さんを土地の顔役に売り飛ばしてしまいます。で、それを助けに行ったのが中村扇雀、勢いで追ってきた座長を殺してしまいました。江戸に戻った二人は一緒に暮らしはじめますが、そのまえに座長の幽霊が・・・・・。

幽霊に祟られて、芝居の役もつかなくなった中村扇雀はもとの弟子の勧めで地方への芝居に出ることになったが実はそれは嘘で沼で殺されてしまいます。でこんどは中村扇雀が幽霊になってそいつを祟り殺すという、なんとも救いのない話。

最後は灯籠流しで終わりです。



  岡田茉莉子


 中村扇雀

 一番笑えたところは、殺したあとでその妻(岡田)に乱暴をしようとしたら、押し倒している相手がいつのまにか殺した相手(中村扇雀)に変わってしまっていたところかな。

こういう豪華な顔ぶれだと、それぞれに見せ場を作らなきゃいけないから、大変なんですよ。とおっしゃってました。
幽霊が出てぎゃっというだけじゃ出演してくれないから、ちゃんと演技をするところを見せないと駄目なんだそうです。
それにしても中村扇雀、演技重すぎてちょっとつらかった。

ちょっと休憩してプレゼントコーナー

怪談が2本終わったところで、菊地先生が持ってきていた、本のプレゼントコーナーが突然始まりました。けっこう何冊もありまして、「退魔針 紅虫編」とか、「妖魔戦記」「トレジャーハンター 八頭大 ファイル」など。いつものようにジャンケンでプレゼントしていただきましたが、すでに持ってる人は参加資格がないそうなので全部持ってる私は参加できませんでした・・・・





さてと、今度出るDの本のしおり?がジャンケンにかかろうとしたときに、たかきちゃんからマンガの販促品らしいDの本の表紙が描かれたバッグの提供がありました。



画面が荒いですが、さっと広げたところ、かなりでかいです。



 さっとかくして全部独り占めしようとする菊地先生、この表情がなかなか。(まあ半分ジョークなんですが)

全部はあれだということで、3つほどは幸運な人がゲットして、あとは忘年怪のほうにまわされるそうです。

ちなみに12月28日の忘年怪の夜7時からやる第1部はバンパイヤハンターDの本の特集になるそうですね。

女優霊

さて女優霊の開始です。中田秀夫監督の出世作ですね。主人公の柳ユーレイが映画の監督で、撮影所のスタジオでセットを組んで映画を撮っているわけですが、最初は撮ったフィルムに昔の映像が映り混んでくる、その後怪奇な出来事が次々と起こっていくホラー映画。


 主演の柳ユーレイが撮ったフィルムのチェックしていると


なぜか撮った覚えのない昔の映像が映っていた。


近頃の近代怪談の常として変なところがぽかっと抜けてるんですね」(菊)

この監督が子供の頃に幽霊にあったらしいのですが、どこであったのかなんで撮影所の人がいたのかわからない。
ホラー映画は怖がらせかたのもんだいになってくるので、わけわからないところがあっちゃまずいんですけど、こわいことはこわい」(菊)

呪怨と比べてどうだった?」(飯)
俺は呪怨の方が怖いよ」(菊)
そこんところはっきりすると怖さが消えちゃうんだという気もしないではないんだけどね」(菊)
これは原作あるわけ?」(外)
原作はないです」(菊)

撮影所で試写会の上映中のシーンで

この上映やってるおじさん、日活ロマンポルノによく出てましてね。」(菊)
菊地さん、お世話になったねぇ」(飯)
いやあの人にお世話になった訳じゃない(笑)」(菊)

この辺で監督は子供の頃の記憶が蘇ってくる。

子供の頃、撮影所のセットの上に登っていったら、変なドアがあって、そこで記憶はとぎれていたのです。



 写り混んでいた画像にへんなのが出てきているシーン
全員で「うわぁ〜」

さて途中の小ネタとして女優がマネージャーに無断で出ていたので、社長がどなりこんできたけど、その社長が霊感があって撮影所に変なものを見たんでお守りをわたして帰ったりしています。この映画の中で撮ってる映画の内容は第2次対戦終了前に田舎に疎開していて、脱走兵の男をかばった美人姉妹の話。どっちもその男を好きになっちゃうというありがちな話。姉妹が喧嘩した後に抱き合うシーンでは

でも、男同士が抱き合うのよりはずっといいですよ」(飯)
まださっきの中村扇雀をひきずってますね〜(笑)」(菊)

慣れればいいかもしれないよねぇ」(飯) (ちゅうかそういう趣味あるんですか(^_^;))
私はあれ(中村扇雀)見てぞっとしたもんね」(外)
おれ菊地さんとだきあったよね、新宿でお〜ひさしぶり〜って」(飯)
あれ飯野さんを知ってるからいいけど、知らないのなら大変なことになってたよねぇ」(菊)

おれが川又千秋さんとばっかり飲んでるから嫉妬したりして」(飯)
飯野先生は最近川又先生と懇ろになってるらしくって」(菊)
「×○×○×○×○×○×○×○×○×○(これはちょっと自主規制(笑))」(飯)
こんなこと言ってたら殺されちゃいますよ」(飯)
いつか殺されるな(笑)」(菊)
いや大丈夫ですよ、地獄へ続く甲州路ってことで死んでも出てくるよ(笑)」(飯)

と落ちが付いたところで映画の撮影も終盤、クライマックスシーンで日本が負けたと嘆く脱走兵



 「あれ負けたんですっけ〜?」と飯野先生 「フィリップKディックの・・・・」といいかけて終わっちゃいましたが、ディックのSF小説「高い城の男」でしょうね、実は日本が第2次大戦に勝っちゃっていたというパラレルもののSF。

さて撮影中、ふざけてセットの上に上がった女の子は、セットに落下して大怪我をして代役が立てられることになります。落ちたとき一人じゃなかったというスタッフもいて大騒ぎ。



  落ちたシーンを見て、卍だよと飯野先生。落ちて足がべっきり曲がってます。

あたしが落ちたら下の人も死ぬよ(笑)」(外) あはは〜




 昔の新聞を調べてみると写り混んでいた女優が実は同じスタジオで転落死していたことがわかる。

 で撮れなかったシーンに代役を立てたけど、セットの下で落ちた子がしゃがんでいるのを見ておかしくなっちゃう

定番だけど怖いよね。」(菊)

映画を撮りおわった後、スタジオに行った柳ユーレイは主演のひとみがいると思ってスタジオの上に上がる、だがいたのは長い髪の怨霊で、襲われて謎のドアに引きずり込まれてしまう。で、そのまんま行方不明です。



ドアが開く 長い髪の女が。。この怨霊さんの正体も結局わかんないんですねぇ。

柳ユーレイ、呪怨といいこれといい同じ死に方だよね、引きずられていってバタンって」(外)
清水の呪怨ってけっこういろんなところから影響うけてるんだよね」(菊)

なかなか怖かったでしょ〜昔、都築道夫さんが怪奇小説を書くときの秘訣があって、どっかに理解できない風穴を開けておくことだといってましたが、最近は映画でそれを応用しだした、。まあしょっちゅう使える手ではないと思いますけどね」(菊)

ということで女優霊終了です。

☆映画と関係ないこぼれ話としては

雨の町のことで「あの子、ずいぶん人気出てきたねぇ、成海璃子」とおっしゃってたこととか

新耳袋は全部読んでてやり方として面白いといわれていたこと。

最近何度も言っておられますが、菊地秀行先生は短編小説で食べていくショートショート書きになりたかったそうで、これはいまでもやりたいそうです。

じゃあ一晩で10本お願いします(って言われたらどうします?)」(飯)
長編よりもしんどいでしょうね、でもやるだけの価値はあると思う」(菊)
へぇそんなに好きなんだ」(飯)
などというやりとりが興味深かったですね。

怪談新耳袋 ノブヒロさん (劇場版)

さて4本目
これはもとは新耳袋のなかの一編で、それを伸ばして劇場版にしたものだそうで、だいたい忠実にやってるんだけど、ラストはちょっと違うそうです。こちらの方が悲惨です。

平田満が気が弱い画家役であの線が弱いのが良い味出してます」(菊)
銀チャン〜銀チャン〜」(飯) といってたのは蒲田行進曲ねたですね。

「なにか怨霊に変わるものといえば化け物、清水(監督)がえらかったのは怨霊どまりだったのを はっきりと姿を見せてがさがさがさと動かしてみた。、しかも顔まで見せて変な音まで付けてみた」(菊)

さてこんな救いのない映画ばかりだと、帰るときにみんな精神的荒廃をかかえる、というのである手をうちましたのでお楽しみに〜」(菊)とのこと、さてなんでしょうね。

さて映画の方はヒロイン内山理名の子供時代の回想からはじまります。子供の頃に飛び降り自殺を目撃しますが謎の人物に見ちゃいけないよと言われた記憶が蘇ります。いまはバツイチのシングルマザーで雑誌の編集者をしています。



 「この子がかわいいんだ、すっごく可愛いんだ。」と力説する菊地先生

 「この映画に決めるまで悩んで何本も見てカットしたのがあるんですよ、「仄暗い水の底から」とかわかりやすいんですよね。ただあんまり映画がフィニッシュ重視だとカットしたら意味がなくなっちゃう。
」(菊)
 「これを作るまで相当時間を浪費したよ、俺」(菊)  お忙しいのに、毎回トークライブのために労力つかっていただいてお疲れ様ですm(._.)m


   現在の悦子こと内山理名

 さて現在は雑誌の編集者の悦子は画家でイラストレーターであるノブヒロさんを担当しています。その縁で昔の衣装を着せられて絵のモデルにもなってます。左が平田満演じるノブヒロさん、そして描いている絵は自分のひいおじいさんがある女性と飛び降り自殺(心中)をしたときの絵です。でも、男の方は途中の木に引っかかってしまって思いを遂げられなかった。ノブヒロさんは心中を究極の愛の形だと思っていて、その思いをかなえたいと思ってます。
 

  アトリエで絵のモデルになる悦子

この人が編集者なんですよ」(菊)
あー菊地さんがおかしちゃった」(飯)
おかしてないよ(笑)」(菊)

 などというやりとりは置いておいて(笑) 絵の完成する日も悦子はノブヒロさんに呼ばれていたけど子供が急に熱を出していけなかった、でノブヒロさんは怪談から落ちて自殺したけど、その後怪奇な出来事が起こり始めます。

 思いあまってノブヒロさんのアトリエに行ってみてそこで発見したものは



 自分を隠し撮りしたアルバム、ちょっと前からさかのぼって小学校から幼稚園、生まれたところまで写真がアルバムに納めてありました。「(赤ん坊のは)どうやって撮ったんだろうね?」と菊地先生

これはやっぱり映画的脚色だけどよくやってると思いますよ。」(菊)

さて、アルバムを見ているとこわいおばさん(ノブヒロさんの母親)がやってきて、タンスの中に逃げる悦子、隙間から
覗いていると気づかれる。

こういうところも王道だけど怖いねぇ」(菊)

でもおにいさんに取り押さえられる母親

タンスの中で見つけたビデオとカセットテープにも、悦子が生まれてからずっとの記録があった。ノブヒロさんは自分をひいおじいさんの生まれ変わり、悦子を相手の女性の生まれ変わりと思って死んでも付きまとっているらしい。

そのほかには、飲み残しのストローとか髪の毛とか・・・も収集されていました(このへん女性陣とてもいやそうでした)

そのあと、しりあった精神科医がノブヒロさんに殺されたり、ライブ会場ではカットされていましたが、母親とか怨霊に気づいたお坊さんも殺されてしまいます。

ついに精神的におかしくなった悦子は、古い服を着て、絵に話しかけたりしていたのですが、あらわれたノブヒロさんを見ておびえた子供の声で我に返ります。
じつは子供はおかあさんにノブヒロさんが付きまとっていたのをずっと知っていたのですね


  全速力で階段を駆け上がるノブヒロさん(ーー;) 

逃げようと子供を抱いて非常階段を駆け上るとノブヒロさんも四つ足で駆け上ってくる

これはやり過ぎだよね、ちょっと」「こういう風にしつこくやりすぎると喜劇になっちゃうんですよね」(菊)

 さて高層マンションの屋上での対決です。一緒に飛び降りようというノブヒロさんに私は沢山の男とも付き合ったこともあるし、万引きもしたことあるし、あなたの思ってるような女じゃないのよという悦子。

そのたびに金網にぶつかったり、おおーんと叫んだりしてショックを受ける怨霊
 (しかし、実体あるのやらないのやら、けっこう笑える)
 


ただノブヒロさんが念じると、子供が口から血を吐いて苦しがるので
「わかったからもうやめて」とあきらめる。

なんかひっぱたけば倒れそうだよね、こいつ(笑)」(菊)

むずかる子供を一人階段から降ろして、ノブヒロさんと向き合う悦子

だからこいつずっと待ってるんだよ。」(菊)
ウルトラマン(の怪獣)だってずっと待ってるんだから(笑)」(飯)


   屋上から落ちた悦子

  あーまたこれだ卍だという飯野先生
 最後これを見ている子供の肩に、ノブヒロさんが手をかけて終わり。

 「えーというわけでいやな映画でしたね(笑)なんで(最後に)ノブヒロさんが出てくるのかよくわかんない」(菊)

☆映画以外のこぼれ話

今日の打ち合わせと称して、手塚先生の手塚番が集まってたという店に行ってきたそうでうs。
手塚番というのは手塚先生の原稿がなかなか上がらないのを待っている各社の編集者が集まっていた店だそうです。
長いカウンターがあるんですけど、そこでスイングキャッチしてたとそうで、なかなかいいお店だったとか。

 飯野先生がめずらしく飲み屋でおこっちゃった話とか、ずいぶん年上の人をくどいたとか

ビデオテープとカセットテープの山が生まれた場面で本当か嘘か知りませんが
菊地さんエロビデオありがとうございました」(飯)
どーいたしまして」(菊)

というやりとりがあったとか、そんな感じですかね。

舞台の「妻の背中の男」の俳優さんと女優さんがこられていたそうで、ちょっと紹介されていました。
これは6月に公演された

菊地 秀行「幽剣抄 妻の背中の男 うるさ方」 という舞台をされたかただそうで

 松本保典さんと星野千寿子さんお二人が来られていたそうです。席の関係で見えなかったんですがお忙しいそうで途中で帰られたそうですね。
 

インプリントぼっけぇきょうてぇ(マスターズオブホラーの一編)

問題の「ぼっけぇきょうてぇ」です。これはあちらのホラー映画監督さんたちが競作している、マスターズオブホラーの一編でして三池崇史監督が作ったものです。主演は工藤夕貴さんですね。

「これを最後までかけていいもんか迷ったんですけど」(菊)
「なにをいってんですか、昔は○×○×してたじゃないですかぁ(よく聞こえない(^_^;))」(飯)
昔に戻れ〜」(飯)

といわれて苦笑する菊地先生

さて先生の説明によりますと

アメリカ人の記者が昔の恋人を探して日本に来るんですが、その昔の恋人は遊女になっている。これが島になっていて中に遊郭があるんですが、その遊女が工藤夕貴です。記者が探している遊女はすでに死んでいるんですが、その事情を彼女が説明することになります。

「SAYURIという映画ご存じですよね、主役を中国人がやって、映画のセットをたてて、誰も芸者髪をゆわないし、踊ってる踊りが日本か中国かわからないし、出演者が全員英語を喋ってるという映画、私はあれが実にすばらしい怪奇映画だと思うんですが、このぼっけぇきょうていもまったく同じなんなんですね。」(菊)

「ほとんど悪魔のような映画ですね。拷問を原作者がやってるわけです。何が鬼気迫るか、この現実ほど鬼気迫るものはない(笑)」(菊)

「某岩井さん、日本アカデミー賞の助演女優賞をもらってもいいとおもいます、それくらいはまってるんです。」(菊)


あんまりきついので一部カットされたそうです。私もそれが良いと思います・・・・・

とりあえず、座敷に上がってお酒を飲んで、昔の恋人小桃は少し前に死んだという芸者、ガッデムと嘆く外国人記者

「演技下手だね(笑)」(飯)



「菊地さん、岩井さんのぼっけぃきょうてぇどうだったの」(飯)
「うん怖かったよ」(菊)


子供の頃の身の上話をして、親父が病気で死んで生活に困って女衒に売られたそうです。
女衒の変な格好に全員失笑 



「はいこれが女将ですけどどう見ても日本人じゃないですね。」(菊)↓



この女将が大事にしている緑の石がはまった指輪がなくなったために、小桃が疑われて拷問にかけられることになります。この拷問がえぐくって大変なものです。

そしてついに出てきました原作者。最初は線香で脇の下を焼いたりして



針を爪の間に・・・



 ま、よーく見ると作りもんだというのはわかるんですが、やっぱり気持ち悪い

 会場から、痛い〜痛い〜・・・って声が聞こえてきます。

 でそれをつぎは歯の間に・・・・・・・

「原作にこのシーンなかったよな」(菊)
「だって原作者がやってるし(苦笑)」(飯)




 ということで結局白状しなかったあげくに恋人を思いながら首を吊って死んだ小桃。

でも記者は納得できなくて、それは嘘だ真実を知りたいといって打ち明け話はさらに続きます。

あまりのえぐさに全員無言になりつつあり

「あの顔すごいね」(外)
「この女が取っちゃうんですね」(菊)

実はこの女が女将に小桃が取ったと告げ口をして、折檻されたあと水を飲ませてあげるふりをして首を絞めて殺しちゃうんですね。

まだ真実をっていう記者。と頭に苦痛が走って倒れる遊女、髪の毛をかきあげるとそこにもう一つの小さな顔が・・・・・

実は最初の身の上話は嘘で、親は堕胎業をしていて、この子も川に流したんだけど2日たっても生きていたのでしかたなしに育てることにした。父親は乱暴者で、娘にまで乱暴するような男だった



「あ、また卍か〜」(飯)
「まんじ〜」(外)
「そうだね卍」(菊)
犯された後は石で父親を殴り殺してしまう。この時初めて小さな手に着いた顔が頭の右側に出現するのですね。

「ぱくりかな?」(飯)
「ぱくりかなとおもうんだけどね(笑)」(菊)




 菊地ファンならどういうことかわかりますよね(笑)

 この小さい顔は姉ちゃんだそうです。姉ちゃんはきらきらしたものが好きだから指輪を盗んだそうです。だが小桃を殺すと決めたのは自分だって。

そしてこの顔が小桃の声で囁きます。「ずっとあなたを待っていたのよ、クリストファー」
で、次は小さな女の子の声で「子供の頃どうして私を殺したの?」と囁きます。

逆上した記者は「こんな所に来たのが間違いだったここは地獄に繋がった場所だ」といって
持っていた拳銃で遊女を撃ち殺します(いや日本でなぜ持てる)

ふと我に返ってみるとは撃ち殺したのはじつは小桃でした。頭に大穴の開いた彼女は脳みそをつかみだして倒れます。
当然、監獄に入れられた水を飲もうと思った男が桶の中を見ると中には流された胎児がびっしり詰まっている。

おかしくなった記者のとなりには小桃と小さい女の子がずっと姿を見せているというシーンで終わりです。



「あの白人の子はあの人が殺した妹だね」(外)

「はいおわりです、うぇー。今そこら辺でずっと下向いていた人いましたけど、あなた方が人間としていちばん正しいです。」(菊)

後味が悪いと思うので、2本ほど口直しにかけますとのこと。
最初は短くってどうやらホラーTV(スカパー!とかケーブルテレビで配信されるホラー専門のチャンネル)の予告編のようです。

「秘録怪猫伝 はいよく見てください、かいねこでんといってましたね。かいびょうでんですよね、怪談累が淵(かさねがふち)をるいがふちといってましたね。とてもまともなアナウンサーと思えないです。」(菊)

つぎなぜか熊田耀子のビデオ、なんでそんなもの持ってるんですかと突っ込まれてましたが
どういう訳か知らないけどうちにあったのだそうです。




で、恒例の質問コーナー
Q Dのコミック化の流れはどういう感じだったのか?

A.今度の忘年怪の最初パートははDのコミックの出版記念になる予定だそうです。だから詳しいことはそちらでやるとか。
ざっとした流れとしては、Dの翻訳版を出しているところからコミック化の話があって、変にアメリカ人に書いてもらうよりは、僕の知り合いの日本人で新人に書いてもらった方があちらもやりやすいだろうしということでお願いした。細かいことはたかきちゃんに聞いてくださいとのこと。
あちらの編集との間をつないだだけで何もやってないそうです。

11月に世界発売になります、で、2巻目も半分程度、上がっているそうです。
「私はいっぺんジゴロをやってみたいと思ってました、人を頑張らせてめしを食いたいとおもってたので、たかきちゃん頑張ってください」(菊)
発売される11月14日まで楽しみにお待ち下さいとのこと

Q うるさがたの感想は?

A、実は行ってないそうです。次は何かやってくれるか、どうなるかわからないけど、なにか舞台の話があるかも

あと質問以外の話

Dの映画のことで(色んな国で出る)マンガと違って小説は英語版しか出てないけど、今度フランス・イタリア語をだしたいと言ってきてるんですが、映画のプロデューサーはいまいち信用ならないのでどうしたものか考えてるんですが、全世界で発売されることになったらめでたいですねとのこと

「世界に広まって、どんどん売れてくれればジゴロの未来が開けるような、いい人生が待ってるような気がするんですけどね〜(笑)」(菊)

妖獣都市の映画は連絡はないけど、監督がドイツ人だからドイツの俳優がやるんじゃないかって気がするんですよね〜。とのこと

「飯野さんどう、あれ?」(すでに爆睡中)「大魔神のような顔して・・・幸せな方です」(菊)
 やーほんとにそう思いますよ。

あとは 幽王伝があと1回で終わるのと、クトゥルーの邪神迷宮が年内に出るはずです。「なぜかJノベルズだけは毎回枚数があがるんだよね、編集のSさんを可哀想と思うのかね、おどおどした感じの編集だけど悪いと思っちゃうのか?YさんHさんは(遅れても)全然気にならないんだけどね

あとのYさん関連の編集や挿絵話はカットします。

アニメ関係ではどちらも全然決まった話じゃないそうですが、「退魔針 紅虫編」を深夜枠でやってみるという話もあるが、退魔針はそれほどメジャーじゃないのでそれならDも一緒に作ろうと、川尻さんがDの3弾で初回作もしくは北海魔行で制作委員会を結成しようとあちこち動いておられるそうです。

解説しますとアニメでよく見る「○○製作委員会」というのは、失敗したときのリスクを減らすために制作資金をあちこちの会社で分割して出す方式のことです。ということで、まだ資金集め段階ということですね。

さて、この時点で6時前、いつもよりかなり長いです。残念ながら列車の時間が来ましたので中座してロフトプラスワンを失礼しました。

先に帰っちゃったのは初めてですね。

ということで9月のライブぎりぎりまでかかりましたが、よろしかったらお楽しみ下さい (文責 劉貴)

参考
1972年毎日放送 放送「怪談」というシリーズの
第7話  「地獄へ続く甲州路」
出演
 土田早苗、成田三樹夫、寺田農
第4話 「雨の古沼」
原作 阿竹黙阿弥 出演 中村扇雀、岡田茉莉子、神田隆

女優霊 (1995)
監督 中田秀夫 出演 柳ユーレイ 白鳥靖代 石橋けい

新耳袋 ノブヒロさん (劇場版あり)(2006)
監督 
豊島圭介 出演 内山理名 平田満 高橋和也 田島令子

インプリント ぼっけぃきょうてぇ(2005 公開は2006)
監督 三池崇史 出演 工藤夕貴 ビリードラゴ 美知枝 岩井志麻子