2007年9月21日 ライブレポ

ライブ前


  大阪発16時半頃のこだまに乗車、運賃節約のためぷらっとこだまプランなので品川に着いたのが20時半頃、その後新宿に移動しました。今回の目的の一つ、新宿駅南のサザンクロスにある、クリスピードーナッツ、今のところ日本でここだけにしかないということで、夜9時ごろにもかかわらず、行列していました。箱買いすると早いってので、箱で買いました。12個1700円なり


    
         行列のようす



                    中身

  その後、ロフト前で待ち合わせて、中華料理屋で腹ごしらえ、この時の参加者、AMさん、ありすさん、たちばなさんと我々二人。食事してからロフトに行くも、まだ誰も並んでないので、いつものマックで飲み物を飲みながら、11時半頃に階段に並びました。それにしても暑かった、そして階段で知り合いと見るとドーナッツを配る怪しい夫婦。相方が汚れた空気に弱いのでマスクをしているのでさらに怪しい・


 
              今回の看板です。12時に開場すると中は涼しかったので一息いれました。
              なお入場の時にクラッカーを渡されました。

ライブ本編 

時間になっていつものお三方の入場です。



菊地先生から外谷さん、飯野先生の紹介、「いま一番脂ののっている旬の作家さんで「ピンサロのドストエフスキー」といわれてます。飯野文彦先生です」(菊)
と紹介されていました。


「この10年で初めてほめてもらっちゃったよぉ」(飯)

今回は9月で先生のお誕生日ももうすぐということでミニセレモニーです。

ハッピーバースデーの音楽がなる中、飯野先生と外谷さんが壇上からテープを投げ、私らは座席で音だけのクラッカーをならしていました。見えなかったけど後ろのほうでは、布の垂れ幕を開いていたようです。(たぶん毎年つかいまわし(笑))

あと花束贈呈がお二人、記念のチューをほっぺにもらった菊地先生は嬉しそうでした。

「菊地さん、赤いちゃんちゃんこは〜?」(飯)
「いらないいらない。(笑)」(菊)


「まあもうちょっと長生きしていろいろ書きたいと思ってますので、よろしくお願いします。」(菊)とのこと、色んな終わってないシリーズもありますから頑張ってください。

今回の「生きていたら70歳」の日本のヒーローですが

前回の「日本の怪談」の評判がわるくって、どうもあれ(インプリントぼっけぇきょうてぇ)を夢に見た人もいたそうです。
ご自宅であれをやったんだと言ったら、女の子たちに見せるなんてなんてバカなことするといわれたそうで、今回は古き良き時代のヒーローの特集になったそうです。

そのほかの近況のお話。Dの映画の方は9月に映画のプロデューサーが来るといってたのですが、こなかったので報告できることはありませんとのこと。

妖獣都市の映画の方は、監督が基本設定をつくりたいといって、人間と妖獣界の接触がいつからあって、どういう歴史をたどったのかというようなことを、こないだ事務所を通して送ってきたんですが、「一言で言うとみるにたえない。」(菊)そうで修正してやらなきゃならないんですが、原案料もださないのに・・・どうするかなぁ(笑)とのこと

ただお話の方はもう具体的になってます。必ず出来るとのことです、

D-魔道衆、10月5日発売、「データ配信は10月2日までやります、すごいねぇ(笑)」(菊)

これに関して、菊地先生が原稿を書くと編集のIさんに送って、それをワープロで起こして送り返してくるのを見て直してもう一回送るそうなんです。そのあと携帯でデータ配信しているディシスに送ったらこちらも確認のために送り返してくる。で、見なきゃいいんだけど、ついついみちゃうと、ここをなおした方がいいなと思って直したりするわけです。

ということはIさんの方には最後になおした部分は伝わらないので本は第2稿での出版ということになるそうです。
行間とかで基本的な部分は変わらないそうですが、データで見ている人はどこが変わっているか探してみるのも面白いかもしれませんね。

俺たちを忘れるな 生きていたら70歳

ここから今日の特集、昭和のTV映画の話、今回紹介されるのは

月光仮面 ナショナルキッド まぼろし探偵 宇宙Gメン 忍者部隊月光 少年ジェット

の6作です。宇宙Gメンは、30分一話完結なんですが、それ以外は30分ものが数回で話が一つ終わるという構成なので、その一話を入れますとのこと。

月光仮面 マンモスコング編


月光仮面は1958年に放送開始「私が9歳だからリアルタイムで第1回から見てたんですよね」(菊)とのこと
外谷さんが一つ下なんで、外谷さんもご覧になっていたそうです。
大人気の番組で最高視聴率が68.7%とすごかったらしい。

月光仮面ですが第1回のフィルムはすでに石化しちゃってない、固まってかぴかぴになってしまっていたそうです。
だから、誰も第1回で月光仮面がどうなってたかを知らない。僕もわかりませんとのこと



原作者は川内康範氏、ちょっと前の森進一問題の人ですね(笑)

月光仮面を考えたときに子供むけの企画を川内康範に持っていったら、その当時は外国ドラマが一杯入ってきてお金をみんな持って行かれてしまうというのに義憤を感じていたそうなので、対抗して日本のヒーローものを書こうとした。

で、なぜ月光仮面かというと月光菩薩から取ったそうです。川内康範氏の家がお坊さんだったのでそうなったとか。

製作は宣弘社ということで、もともと映画を作る方じゃなく、実際はネオンサインとか作っていたような会社で東映に話を持っていったらあまりの安さにけられたので自分の所で作ってしまった。だからロケ地は社長の家とかそのへんの道とかはらっぱとか(笑)
全130回 ただ最初の70本くらいは一日10分だったので放送期間は1年半。主演は大瀬康一氏、「隠密剣士って知ってますか〜?。あ、知らない、いいです(笑)」(菊) まあ、年代的に会場で知ってるの10人くらいかも。

ところでさっきから菊地先生が見ておられる資料は、Wikiを印刷したものかもしれません(笑)なんとなく展開が同じっぽいです。



  配役の 月光仮面?でなぜか笑いがおこります。でも昔はこれがふつーだったのですよ。ディズニーランドだってミッキーの中身はないことになってるでしょう(笑)

「せんせー、これ内容覚えてる?」(飯)
「10分のも見てたけど全然覚えてねーよ」(菊)


初っぱなのゆるい格闘シーン

「すごいよね、ここまで当たってないと」(飯)
「でもアスファルトの上でこのアクションがきついですよ」(菊)





 さてこれがマンモスコング、凍りづけだったのを悪人が見つけて操ります。この当時は画面の合成は出来ないので、普段のシーンと特撮シーンとはすぱっと切り替わります。
「ミニチュア壊すとお金かかるもんだから、火を付けてまわりでわーわーやってるだけですね」(菊)

勧善懲悪ものなので子供が見ても善玉と悪党というのがはっきり分かれてます、見た目でそのまんまです。


   とてもわかりやすい悪役さんたち(X団)

大人気だったので、漫画化もされまして、桑田二郎氏が描いていました・
桑田二郎氏というと、エイトマンが一番有名でしょうね。私も子供のころ大好きでした。

「桑田二郎というのは、当時日本の漫画家さんの中で一番線が綺麗だと言われていた漫画家さんで、この人がその後アダルト路線を書くようになって、女性のヌードとか書くようになったんですが、それが綺麗なこと」(菊)

「(漫画家さんが)美女を書くとだいたいおんなじような美女になるわけです。エイトマンに出てきた女性の科学者がアダルトものに裸になって出てきたりするとなんとなく興奮したんですよ。」(菊)
「普通だったら、夢を壊したってなるもんだけど、菊地さん病気だったのかな〜(笑)」(飯)
「いやもう手を叩いて喜んでましたね(笑)」(菊)


「そのころの(マンガ雑誌の)内容全部覚えてるでしょう」(飯)
「うん、他に楽しみがなかったもの」(菊)


頭の角に乗ってマンモスコングと戦う月光仮面↓
「主演だからね、ほっとくわけにいかないでしょう」(菊)
ただコングも頭に手を伸ばさないし、延ばしてるけど触らない?ですね、微妙な戦いかも。



 その戦いの実況中継を、悪人たちがラジオで聞いているという妙な情景もあります。

 核弾頭でなきゃ倒せないといってたコングを倒しちゃうんだから月光仮面はすごいです。

ただ月光仮面というのは、マスクをしているだけで中身は普通の人間なんですが、菊地先生は月から来た超人だと最後まで信じていて、友達にバカにされたと言っておられました。どっかに超人願望ってあるのかもね。

月光仮面はまねをした子供が高いところから飛び降りたりして足を折ったとか苦情がきて最後は打ち切りにちかい形で放送は終了しました。

「僕の見た限りでは話が面白くなくなってきた。やっぱり普通の人間だから、相手が強いと無理が出てくるんですよね。」(菊)

これが日本の特撮ものの原点というのは間違いないです。とのこと

ナショナルキッド

「これは僕の大好きな超人の話です。」(菊)

名前の由来はようするに提供が松下電器だというべたべたなもの。最初はスーパーキッド、ハイパーキッド、とか候補があったけどスポンサーは強いってことでナショナルキッドになりました。

松下電器は東映の方に科学を啓蒙するものをしたいといったら、持っていった先が東映だったんで、スーパージャイアンツ(宇津井健)の拡大版にされちゃいました。人間が空飛ぶのは科学で説明できませんもんね。

「この当時(変身すると)みんなタイツですね。男がタイツをはくとどういうことになるかわかるでしょうけど、とても照れくさい」(菊) ようするにもっこりしてしまうわけです。

なかなか露骨な提携番組で、持っているエロルヤ光線銃がその当時ナショナル店で売っていたピストル型懐中電灯と同じ形だったそうで、菊地先生も欲しかったけど
「あのころはずっとそうでしょう、グリコグリコとか」(飯)
「タケダタケダとかもね」(菊)

簡単に解説しますと、当時は30分を一社提供する場合が多くて、内容その他にスポンサーが反映されていました。「鉄人28号」の歌の最後にはグリコグリコ〜♪という合唱が入ってますし、タケダタケダ〜♪は「隠密剣士」とか「ウルトラQ」など武田薬品の番組、丸美屋のエイトマン、中身の方でも宇宙少年ソランでは森永製菓のエンゼル号という乗り物とか、藤沢薬品提供だと、藤をとって「少年忍者風のフジ丸」いろいろあったんですね。

ただこの当時の番組の制作費が1分1万円、30分で30万でしたが、これは5倍かけただけあって特撮はすばらしいです、とのこと。

菊地先生はこの歌が一番好きだそうです、主題歌がかかってる間、口ずさんでました。



  主題歌の最初と最後に出る、ナショナルの広告塔

一峰大二氏が漫画化したそうです。調べてみるとこの人、七色仮面もスーパージャイアンツも白馬童子も漫画化してるからそういうタイプの人なのかも、私のイメージだと「電人アロー」なんですけどね。

今回は海底人のお話、深海潜行艇バチスカーフが海底人に襲われます。



 「これどう見てもマグロ船の船長だよ」(飯)
  昔のマドロスのイメージなんでしょうねぇ


  現れるアンコウ型の海底人の潜水艇
「えーとギルトールっていうそうです」(菊)
「あ〜ネモ艦長がのってた」(飯)
「違う違う」(菊)



 空から現れたナショナルキッドが光線銃を撃つと水柱が上がって、襲われていたバチスカーフは無事逃げることが出来ました。



光線で重力を遮断して水柱を起こしたんですと説明する旗竜作(ナショナルキッド)

「これで科学を啓蒙するってのは無理だと思うよ(笑)」(菊)
なおこの銃は万能でして、乗用車を浮かせたりできます。



おねえさん役が後の太地喜和子さん、若いですね。 

海底人がどういうわけか、大きなアンコウにメッセージ箱を入れてきたので、電話が通じないので研究所に走って知らせに行く少年探偵団。博士が車に乗ってると海底人の運転手に乗っ取られて、車ごと尖った岩の上に乗せられちゃいますが、現れたキッドの光線で元の道に戻ります。

「あのアンコウはどうなっちゃったの?たべられちゃったの?」(外)
と不思議なところを心配する外谷さん

 さて、海岸で海底人と挌闘するナショナルキッド、超人なので負けません。


   海底人の頭巾と服をはぎとってしまいます。

  これ↓よく出来てるよと菊地先生。


 じつは海底人の正体はこんなんでした。なかなかよくできてます。
さてナショナルキッドは海底人の陰謀を阻止できるのか?ってところで来週に続くです。

まぼろし探偵

さて次はまぼろし探偵です。
桑田次郎のマンガが原作で少年がマスクと帽子をかぶって変身して悪と戦うというお話、少年ジェットはバイクでしたが、こちらの方は、まぼろし号という、空や水中も移動できるという乗り物に乗ってきます。菊地先生によるとこの乗り物は誰にもらったのか全然わからないそうです。さすがに子供に拳銃を撃たせるのはまずいかと思ったのか電波銃をつかいます。
(注、あとで調べたところによりますとこの乗り物は空陸両用車F-59・まぼろし号といいまして、電波銃同様吉野博士が作ったことになっているそうです・)


 まぼろし号の飛行シーン



 地面に降りると4輪車になります。

面白いのはだんだん話がSFチックになってきて、宇宙から来た少年がでてきたりします。ちなみに今回は「海王星から来た少年」というお題。

「なんなんだろう、なんで普通に眼鏡しないんだろう? 」(外)と外谷さん
これはですね、マンガの眼鏡をそのまんま実物にしちゃったからですね。
素通しにするとかえって変に見えるのかも、



さてこのお話ではある日突然空飛ぶ円盤が現れて病気になった人が死んだりするのですが


主人公のまぼろし探偵こと富士進くんは新聞社に少年記者として働いていて、事件があるとまぼろし探偵に変身して戦います。


 
新聞社の事務員?に藤田弓子さん、面影ありますね。



これが進くん、少年と言うには微妙です、後ろがデビュー2作目の吉永小百合さん
吉永小百合、歌を歌って登場、よいしょ〜どっこいと声をかける飯野先生



中学生くらいなのでまだ顔がぷくぷくしてますけど可愛いなぁ。
菊地先生の吉永小百合の感想は、日活のニューフェイスで出てきたときは可愛いと思ったけど、あとで浜田光男とわけわからんメロドラマをやってたのは・・・?だそうです。

さてこれが海王星から来た少年です、地球から打ち込まれたロケットのせいか、海王星で流感が流行ってしまって、地球にワクチンを取りに来たということで、事情がわかれば正義の味方、持って行きなさいということで、仲良く別れます。





 ちなみになんとなく女性に見えますが、少年ですよ、なんかパラサイトイブの、瀬名秀明さんに似てるって話が出ていました。うーん、眼鏡を外せば似てるかな?

ロケの後ろの風景を見て
「懐かしいなぁ市電よね、あれ」「あとあのガソリンスタンドも懐かしい〜」と昭和心が全開になっていた外谷さんでした。
ここで休憩です。

休憩

しばし休憩の後、今回は飯野先生からのプレゼントコーナー

8月25日に早川書房から発行されたハードカバー本「バッド・チューニング」が1冊
それに関して、笹川吉晴氏との対談が載っているSFマガジンが2冊プレゼント。これはジャンケンで行われました。うちらは残念ながら当たりませんでした。それに「バッド・チューニング」はそれ以前に買っちゃってたのでそちらの方は参加しなかったしね。

「本もらった人は早めにサインもらっといたほうがいいですよ、正体なくしちゃうから」(外)と言われていたのはその通りになりました(苦笑)

単行本の方は角川ホラー大賞の最終選考まで残ったという紹介で拍手がおきます。

「えーいま手を叩いたかたはたぶんなかを読んでないと思います。(笑)」(菊)

そーですね話が錯綜してしまっているので、簡単にお三方の話をまとめてみたいと思います。

菊地先生のお話

作家というのは書きたいものを書けばいいんだから、飯野さんがこういうのを書きたいのなら書けばいいし、読者が性にあえば読めばいいしそれが性に合わなかったらしょうがない。
(早川から出した経過を聞いて)飯野さん期待にこたえないとね。 ドストエフスキーなんだから頑張ってください。

「ありがとう、よートルストイ」(飯)と返されてました(笑)

外谷さんのお話

一番気に入らなかったのが、主人公の持ってるものが大きいというのが彼の裏返しじゃないかと・・・とか
一般読者としては飯野さんは色んな分野で活躍して欲しいな、ここだけじゃなくって純文学っぽいのはすごく素敵だしね(外)

笹川吉晴氏のお話

すごい作品だとは思うけど読んだ方がいいかな?、いや挑戦してみて欲しいと思います。
あらすじだけ喋ったらバカにしてるんじゃないかなというようなものですが、文章がとにかくすごい。こんな気が狂ったというか馬鹿な話をこんなに読ますんだというのがある意味感動もの。
ジャンルとか関係なくすごい作品ではある、ぜひ読みましょう、頑張ってください


とのことです。

私の個人的な感想ですが、この本はホラー小説というよりも、「アルコールノヰズ」の延長にあるお話ですね。アルコールノヰズに探偵ものとエロスと妄想をかけて、描写をかなりげろげろな方にシフトしたというなかなか評価の難しい小説です。たぶん、読む人を選ぶと思います。合わない人は途中で気持ち悪くなって沈没するかもしれませんが、恐いもの見たさの人はぜひどうぞ。

あ、飯野先生のお話、RAラファティ(SF作家)の名前が出たりか、黒豹作家になりたかったとか、一発あてたかったとか、色々出たんですが、かなりお酔いになってたので脈絡が・・・・。私個人としてはラファティより筒井さんの脱走と追跡のサンバを連想しましたね。


あとはまだ資料集めとか制作中、しばらくお待ち下さい(文責 劉貴)