2009年 3月27日 トークライブレポ

道中・開始前

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今回は神戸空港からの最終便。理由は神戸空港に行ってみたかったから。阪急で三宮に向かってそこからポートライナーで空港へ、15分に一本なので思ったよりも時間がかかる。JR東海のぷらっとこだまプランと時間は変わらないかも。ポートライナーの車中でよしのさんからメール。年末の忘年怪でご案内したんですが、入場から開始までの待ち時間がなんと1時間半。初参加のかたにはとてもつらかったようなので、忘年怪は特殊なので普段はそんなこと無いですよとメールしておく。スカイマークは初めてのったけど人がぎっしり。後ろの席にお相撲さんが二人いたので、ずっと椿油の匂いがしてました。

夜間飛行のあと京急からJRで10時40分くらいに新宿着、いつものしぶい中華料理屋で定食。その後ロフトの前に行ったら、AMさんと会ったので、ほかの常連さんがいる喫茶スペースについていく。11時半前にちょっと先に抜けて行くと、初参加の伯さん発見。ゴス系の衣装と聞いていたんですぐわかりました。と思ったら、よしのさんもすぐ前に並んでましたんで、3人で会話。そのうち常連さんたちも階段に並んで開場を待ちます

「知られざるカーロフ」始まりました

 開場が12時くらいでした、人数は少なめなのでゆったり席に着くことに

 今回は菊地先生のすぐ前の席を取ります。しばらくたってからロフトのビデオが流れた後に、菊地先生、飯野先生登場。今回は外谷さんはお休みだそうです。来られないんだから、お二人でもうちょっとくっついて喋ってもいいようなものですが、なぜか真ん中は空いているのですね。見えないどっしりした空気がある気がします(笑)

 ボリスカーロフ、しぶさでいえばナンバー1 フランケンシュタインでスターになって普通の映画にも出るんですけど、やっぱカーロフといえばキングオブモンスター、キングオブホラー、ホラーの王様ということになりますねと菊地先生

 ではぼちぼち行きたいと思います

 毎度恒例の
「初めてのかたいらっしゃいますか〜」(菊)

となりの伯さんが手を挙げる。
「今日頑張りますんでよろしくお願いします、なんとなくうきうきしちゃうのはなんでしょう〜」(菊)

 なぜかとても機嫌のいい菊地先生、理由は何となくわかるけど内緒です。

並んでたときにも気になったんですが、わりとお歳のおばあちゃんが我々の前に座っていて
 「前にいる年配のかたは、初めてですよね、ホラーとかお好きなんですか」(菊)
 「菊地先生が好きなんですよね」(飯)
 「明け方までやってますので無理なさらないように」(菊)


 Dの映画にかんして、進歩いや進展がありました。「え ちんぽ?」といったのは横のかた。

 最初はDの映画関連のお話
 フランスのプロデューサーが鬼武者のキャンペーンで日本に来たときにつかまえて話を聞いたそうなんですが

 いまDのシナリオの一稿を書いている、あと3ヶ月したら出来るって言ってたそうです、映画関係者は誰に聞いても三ヶ月というんだそうですね。
 で今、主役を探している最中で、主役候補の名前を聞いたけど忘れちゃったんだそうです。パソコンでちらちらと画像を見せられたそうなんですけど、ターミネーター3に出ていた俳優らしい。(駄目男主役の方だといやだからもう一人の方かな?)第3候補まで見せてもらったけど、どれも精悍な役者さんだったとか。

 それとサイボーグ馬について聞かれたそうです。映画では重要な役になるらしく、半分機械になってるあの通りにやるのか、普通の馬でいいのかと細かく。
「私は全部やると大変だろうから普段は普通の馬で要所要所で効果を足せばいいんじゃないかと。」(菊)
「豆電球で銀紙を貼ってサイボーグ」(飯)
「あんた日本の安もんの特撮テレビじゃないんだから」(菊)


といってたら、となりの伯さんがお絵かき帳に馬描いてました。なかなか興味深い人だ

プロデューサーが、「アニメを見たらどっかの町に馬屋があったじゃないか」というから。その場ででっち上げた設定が、
「あれは貴族が下々の人間に教えた技術なんだと」(菊)
「相変わらず頑張ってますね。」(飯)
「せんせい書き留めておかないと忘れます」(会場)
「どーせプロデューサーも忘れてるんじゃないかな」(菊)

それで、あちらのライターに書かせているシナリオの説明をしだしたんだけど、フランス語と英語のチャンポンなのでよくわからなかったそうで。

本当はもうちょっと詳しく説明していただいたのですが、決定稿でないのが流れるのもあれでしょうから

吸血鬼と人間の違いの元になる因子を持った少女がさらわれて、それを救うためにDが戦うような話とだけ書いておきましょう。

撮影場所は東欧ではなくってオーストラリアとニュージーランドの予定、砂漠と森林だそうですね。

映画の進展があまり遅いんで怒ってやろうと思ったら、出会い頭で、いきなり「Oh my Dear!!」とハグされたんですぐに懐柔されてしまったそうです(笑)

先生は7月にサンディエゴであるワールドコミックコンに招待されたそうです。プロデューサーに行くのかと聞かれたので、行くと言ったら、にやっと笑って、じゃあ一緒に行ってそこでDの映画化を発表しようといいだしたのでどうしようかと思ってるそうです。公衆の面前で抱き合ってマイディアと呼ばれるのはすごく嫌なんだそうで。

妖獣都市の方は最初に話を持ち込んできたプロデューサーが離婚やらなんやらで心が折れてしまった、で、権利がドイツに移ってドイツ資本で作るハリウッド映画になるんだそうです。来年の頭にはクランクインできるだろうとのこと。

「菊地さん押しが弱いんじゃない、山田風太郎先生のように毎日電話すれば?」(飯)
「電話したって相手が出ないんだもん。一回海を渡っちゃうと手のつけようがないですが、ぼちぼちは動き出してる」(菊)
「(私の)還暦までに作るといってたのに全部うそでしたね〜」(菊)

新作映画の話が終わってボリスカーロフの特集です

ボリス・カーロフはフランケンシュタインのモンスター役で有名ですが、監督のジェームス・ホイールが俳優を捜していた時に、撮影所の食堂でお茶を飲んでいたところ、ふっと顔を上げたら目の前でカーロフがお茶を飲んでいたと。で、スクリーンテストを受けなさいといって見いだされたのがカーロフ21歳の時。

今日の最初の映画はポー原作の「黒猫」です。、ルゴシとカーロフが競演した第一作、
「俳優のランクとしてはカーロフの方が上です。クレジットでもずっと上になってます」(菊)
「途中で変わったら困りますもんね、横綱制度じゃないんだから」(飯)

ランクの原因はフランケンシュタインのヒットが大きかったそうで、最初はルゴシがやるはずで、メイクをしてスクリーンテストは出たんだけど、ユニバーサルの上層部の評判が悪かった(笑い出しちゃったそうで)のと、ルゴシ自身台詞の無い役は嫌だったそうです。

それにルゴシはハンガリーなまりがきつすぎるし、あまり勉強熱心な人じゃなくて英語を話せるようになる気がなかったんじゃないかとおっしゃってました。結構年だったので新しく覚えるのは無理だったのかな。

ところで今回は画面が止まったり白くなったり同じ場面が二度出たりするんですが、先生は映像を編集する機械を新しく替えたそうです。色々やってDVDに焼いたのが、後で見てみると途中から止め絵になってしまって失敗、結局ぜんぶVHSでやりなおしたそうです。編集に今日の朝までかかったそうでほんとお疲れ様でした。どうやら、DVDとVHSの複合機のようですが、アナログデジタルとプロテクトのあたりの問題かと。


さて黒猫 エドガーアランポーの小説・黒猫が原作なんですが、出来た映画はわけがわかりません。
黒猫がでるとなぜかルゴシがぎゃーっというそれだけの映画なんだそうです。

   (きゃっと言うルゴシと黒い猫)

「昔ショックというテレビ番組で(日本で)放送がありまして、当時から訳がわからない、なぜこの二人がけんかしてルゴシがぎゃーっというのか全然わからないので、アメリカの原作を見るとわかるかと思ったらわからなかったです。」(菊)

筋の方は、カーロフが裏切り者で、ルゴシの部隊が全滅した。それでルゴシは復讐のために戻ってくるんだけど、カーロフは新興宗教の教祖に納まっていてしかも黒ミサのようなことをして人間の剥製を作っている。ルゴシの奥さんと娘を拉致してしまう。


   (カーロフと剥製にされた人)

二人が並んで歩くシーンを見てて、カーロフの方が低いですね。180くらいはあるんだけど、ルゴシは190くらいあるかもしれないとのこと
(クリストファー)リーは192 カーロフはすごい紳士で俳優協会とかの会長もつとめていたそうです。

「リーなんてたち悪そうだものね。」(飯)
「(会ったときに)カッシングはどんなひとだと聞いたら、あの人は俳優にならなければきっと牧師になっていた。あなたはと聞いたら私は最悪だといってた。」(菊)
「そりゃえらいね、人をほめてるし」(飯)
「大阪の石田一さんがいってましたけど、リーにファンレターをおくるとポートレートにマネージャーのサインが入ったのが帰ってくる、カッシングだと長い直筆のレターが帰ってくるんだそうです。」(菊)
「それ暇だったんじゃないの」(飯)
「そんなこといっちゃいけない」(菊)

「僕だって最初の頃返事出してたんですよ。」(菊)
「奥さんいくつですか写真送ってくださいって、公然の秘密ですよ〜(笑)」(飯)
「なぜ送ってくれないんだ」(菊)


 というわけなので、女性ファンはぜひ菊地先生宛に写真やメルアドの入ったファンレターを送ってください。 
 あちこちで聞いた話によるとお返事の来る確率はけっこう高いようですよ。


さて映画に戻って泊まっていた夫婦が帰ると言い出すけどカーロフの用心棒が邪魔をする

「つじつまが合わないのはシナリオがもっと長かったのをぶった切ったからこのような形になったんじゃないかと
(ポーの黒猫では)これが一番大胆な解釈ですね、ただ猫が出てくるだけ。」(菊)


脱がされて後で拷問されるシーンでは
「萌え萌え〜」(飯)

「これでキスでもしたら大変なことになりますね。」(菊)

夫婦が逃げ出すと、すぐに車が来て助かって、平和な旅行にもどります。
「作った人の気が知れないけど作っちゃった物は仕方がない」(菊)
「30年代フランケンシュタインが当たったけどホラー自体の扱いはこんな物ですよ。これはまだ金がかかっている方です。」(菊)


「SFなんてお金使わなきゃだめでしょうね。ホラーだって演出やシナリオにお金かけないといい物は出来ない、でもカーロフの作品はほとんど名もない監督とか知らない俳優が使われてるんですね」(菊)
「菊地さん今回が「知られざるカーロフ」ってテーマはそのことなんですよね。ジャンル俳優になった悲劇ですね、彼に個性があって出来た訳じゃないんですよね」(飯)

(おっと今日一番の鋭い発言)



大鴉」 2本目です、こちらのほうがずっと出来がよいそうです

「大鴉」 とルゴシ

この時代、ポーと関係づければ映画が売れたそうです。この映画の場合だとポーの大鴉は私の象徴だといってる上のシーンがあって、これでポー映画だと体裁を整えてるんだそうです。
「あれでしょ菊地秀行と同じでしょ」(飯)
「はい次行きましょう」(菊)


お話の方は美人の舞台女優が交通事故にあう、顔に怪我をしたんだけど直せるのはルゴシの外科医の先生だけですが、この人は地下室に悪魔の振り子やら拷問道具を揃えてる異常者。おきまり通り美人女優に惚れるけどお父さんに反対される

「お父さんが一目見ておかしいと思う」(菊)
「お父さんでなくてもわかりますよ、お前ドラキュラ俳優だろうって(笑)」(飯)



             ビフォア     →     アフター
   

今回のカーロフがは犯罪者、町に指名手配のポスターがあるので顔を変えてくれと外科医のルゴシのところに来る。
ところが左→右の顔に整形されちゃって、もし直してほしいなら私の言うことを聞けと脅かされるわけです。

「こんなメイクやってアホに見えないんだから、カーロフの演技力だと思いますよ。」(菊)
「どっちかというとカーロフの方が演技力ありますよね。(ルゴシだと)個性というところでちょっと弱いかな。」(菊)


本棚の一部が回転して地下への隠し扉になってるシーンで

「地下室、僕の大好きな地下室。」(菊)
「今外谷さんが地下にいるんでしょう」(飯)
「あいつを地下に閉じこめてなんの得があるんだ、地下に閉じこめたら始末に困るじゃないの」(菊)
「勝手に出前とるしね(笑)」(飯)
「出たら復讐してやるよっていわれても(苦笑)」(菊)


昔竹書房からドラキュラのライヴァルたちじゃなかった、なんでしたっけ〜
と本の話が、私もすぐに名前がでませんでしたが「妖魔の宴」のシリーズですね。
その中にルゴシを主人公にした短編があって、なかなかよかったということなので
あとで本を掘り出して調べてみます。


「ジャンル俳優がかならずしも悪いとはいえない、(普通の映画だけだと)歴史に残らないから」(菊)
「この人も全米をサインしながら回ったのかね」(飯)
「そうだろうね〜」(菊)


話は進んで、反対していたお父さんはさらわれて地下室で悪魔の振り子(ギロチンのような刃物が徐々に降りてくるやつ)にかけられる。
菊地先生はなぜ美女をさらわないんだと不満そう。

からくりで美女の寝ている寝室がエレベータになってそれごと地下室に降りていく
「こんなうちあったら楽しいよね〜」(菊)

カーロフがそろそろ嫌気がさしてきてルゴシに反抗します。銃で撃たれるんですが、ルゴシを両側の壁がどんどん迫ってくる部屋に押し込んで電源を入れる。ルゴシはつぶされ、カーロフも息絶える。最後何も知らずに寝てるおばさんのアップで終わり。(ギャグなの?)

ルゴシは第二次大戦の古傷の痛みを抑えるため麻薬やってたから、だんだん身体が悪くなってきたのもあって、二人の扱いにはどんどん差がついていったそうです。

「菊地さんは去年やめたんだっけ」(飯)
「やめなさいって」(菊)



 次が蘇る死骸、ウォーキングデッド

お話の方は職探し中のピアノ弾きだったカーロフが、悪い連中に判事殺しの罪をなすりつけられる。裁判を担当した弁護士もぐるだったので、無実を叫ぶけど結局死刑になってしまう。

裁判では認められなかったけど、冤罪の現場を目撃した男女がいて、その親がなぜか死体蘇生法を研究している。で死刑になったカーロフの死体をよみがえらせる。 蘇ってしばらくはぽーっとしてたんですけどピアノの音で記憶が蘇る。
黄泉の世界にいったらこの世のことが見えるらしく、誰が自分をはめたかがわかってしまうわけです。

「わかるよねオレもね〜、オレも酔いが覚めると誰が文句いってたか、全部わかる」(飯)
「うそうそ、まるっきり覚えてません」(飯)



  (蘇らせるシーン、ほぼフランケンのぱくり)


で、病院を抜け出して「なんで俺を殺したんだ」と聞きに行くわけですが、この男は何をする訳じゃない。
ただ死人が来てじっと見つめるので、そいつらが自滅しちゃう。
突然心臓発作にあって窓から落ちたり、逃げたとたんに走ってきた列車にひかれたり。

監督はマイケルカーチス、カサブランカとか作った監督ですね、映画自体はホラーの中では出来のいい方だそうです。


 「なんで俺を殺したんだ〜」

  (じ〜〜〜〜〜)

「笠智衆がフランケンシュタイン役者やってたら未だに寅さんやってたという」(飯)
なんとなくいみふめですが・・・・
「笠智衆ごぞんじですか、ほらうなずいてるの年配の人ばかり」(菊)

まわりでも誰?誰?と言ってるので、寅さんに出てくるお坊さんのおじーちゃんといったら
なんとなくわかったみたい。

最後は悪者に撃ち殺されてしまうんですが、お医者さんが聞きたかった、死後の世界のことは
何も言いませんでした。悪者はその後自動車事故起こして自滅して終わりです。

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ここで休憩

ちょうどたかきちゃんがきたので、後で伯さんがサインねだりに行くよとお願いする。

なんでも後ろから見たら私がわからなかったそうで、腕とか肩とか細くなって見えるとは減量の効果なのかな。
ちょっと嬉しいです。
常連さんがたがお菓子をくれたんで鞄が一杯になってきました。


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4本目の  透明光線

  (カーロフと光線の発生機)


ロンドンの人狼とストーリーがよく似ているのは、シナリオライターが同じ人だとのこと。
隕石が飛んできてアフリカのどこかに落ちるわけです。この隕石にはラジウムネスとかいう放射能があって、目の見えない人とか手足の不自由な人が完治するという性質を持ってる、カーロフがアフリカにそれを探しに行くんですが、放射能の副作用で夜になると身体が光り出すようになって、触った人間は死んでしまうようになる
このあたりの設定がオオカミ男によく似ている部分でしょうとのこと。

   (隕石 発掘中)


    (夜になると手と顔が光り出す)

「これ日本でやりましたよ、劇場公開してますから」(菊)
「やってることはSFなんだけどや屋敷とか道具立てはホラー、こういうの大好きなんだよ」(菊)


「なんで菊地さんてSF書かないの、」(飯)
「ホラーだからだよ、ホラー人だから」(菊)


この光線でお母さんの目は治りました。
でも放射能の影響でだんだん頭が変になってきます。放射能で身体が熱を持ってきて
そのままじゃ身体が燃え尽きてしまう。
止める薬はルゴシ演じる博士が作った物だけ。逃げて下宿屋に潜む。 

今度は関係者を殺し出すカーロフ
ルゴシの博士は死体の目に映った映像から犯人がカーロフと確認


   (死者の目に映った映像)
   よく考えると光ってないとおかしいような




で、二人は対峙するわけですが、手に触られてあっさりと殺されてしまうルゴシ

見つかって薬を飲もうとするけど、皮肉なことに目の治ったお母さんに壊されてしまう、失意のカーロフが飛び降りると燃えつきて終わりです。
なんだかマザコンっぽい。

さて最後の映画は

蘇る絞殺魔
20年ほど時代は後でカーロフもかなりおじいちゃんになってます。


 (ナイフを握ったとたん表情が変わる)

最初殺人鬼が公開処刑されます。棺桶に収められるシーンで誰かがナイフを入れます、棺桶はそのまま封印されて埋められました。

時代がかなりたった後で絞殺魔の遺品を調べると、ナイフだけが無くなっていた。この事件に興味を持った小説家カーロフは墓暴きをしてナイフを探すんですが、ナイフを持ったとたんに殺人鬼に取り憑かれてしまう


  (取り憑かれるとこんな表情に)

「いい役者だったんですね、この年で一枚看板でやるというのもすごいですね」(菊)
かなりお酒も進んできて突然
「はめて〜」(飯)とかいいはじめる飯野せんせー
「はじめてきた人はここはなんだろうと思うだろうね」(飯)
「ときどき俺もそう思うし(笑)」(菊)

意味不明の三国連太郎とか地下の食料庫で下女が芋をむいていると
「この人ハイジ?」とか、飯野先生絶好調です

大抵の場合、電池切れの前兆なんです(笑)
予想通り映画終了寸前に沈没


  (犯人のお墓の上で射殺)

さて、お話は進んで一度捕まったんですが、逃げ出して自分の部屋にナイフを取りに行く。でも娘?を殺そうとしたときに正気に戻って、ナイフを元の墓に埋めに行こうとする。お墓には警官が待っていて撃たれてしまって終わり、ナイフで刺して回ってるのに題名が絞殺魔ってのもなんだかなぁ

 映画の間のこぼれ話 まあかける範囲で

★ブルーチーズ
チーズの話になってチーズは駄目だけどブルーチーズだけは大丈夫という話になって
「ブルーチーズってふつうちょっとつまむじゃない 菊地さんがばっと食べるでしょ」(飯)
「あれうまいぜ刺激臭が強くって」(菊)
「固まりの方が美味しいんだよ」(菊)


なんとなく会場どん引きしてますね。石けんの味がするのに〜と声が聞こえます

「酒のつまみだと思うんだけど、酒飲まないから」
ピザとかとけたやつは大丈夫だそうです。

バーのママ(かなりの年配)の逆襲が始まったので、飯野先生はそのたびに逃げ回ってるとか

飲み屋のホステスさんに、覆面レスラーじゃなくって覆面ホステスになれといって怒られたとか

アメリカで一番人気がある日本人はパフィーだとか

2005年のホラー映画「ノロイ」では舞台の一つにロフトプラスワンが使われていて
いつもいる先生方の控え室からお化けが出てくるとか

古い映画俳優はみんな一芸を持っていたとか

映画「雨の町」に雨なんて降ってないじゃないとか

ま、色んな話がありました





映画は終わってここから質問コーナーです

Q.エイリアンの新装版がでてますけど、読み返したら、昔の作品の方が銃の説明が長いことについて

A.昔ガンマニアだったんです

Q.これはという拳銃もしくはライフルがあれば教えてください

A.がっちりした大型の拳銃が好き

コルトガバメントがいいですね、アメリカ人はドイツの拳銃にコンプレックスがあるらしくアメリカの映画なのにルガーとかワルサーP38とかよく出てくるんですが、どーも好きじゃない。

ライフルといえば、ドイツで開発された無薬莢弾、あれがいいかと思ってエイリアンにも登場させたんだけど、あれは弾倉をどうもつんだと?実用化できなかったけど、どーもドイツの武器はスマート過ぎていけません。

金属を使ってない銃、グロック、グアムに行ったとき持ってた人がいたので撃たしてもらったけど、どこが違うかよくわからなかった。アメリカの射撃場はだいたいが郊外の広い土地だから、みんな思い思いの自分の銃を持ち込みなんで、大口径ライフルのどがーんどがーんが聞こえてくるとアメリカだなと

(東側の武器は中国に行くと撃てるそうで、チェコの自動小銃とかバズーカ(模擬弾)も撃ってきたとか)

プライベートライアン、機関銃が3丁あるだけで上陸してくる敵がほとんどやられちゃいます。やっぱり戦争はよくないな

44マグナムは撃ったことがあるけど観光客用のは7割くらいしか火薬を詰めてない(弱装弾ですね)本物の弾で撃ったらキックバックが違う、5発も続けて撃てなかった、手のまたが裂けそうになります。

(馬賊撃ちって、拳銃を前に振り下ろして撃つ撃ち方もありますよ、当たるかどうかしりませんけど)

Q.日本映画でも吸血髑髏船のようなものがありますが、秘蔵の(日本)物をやる予定はないですか

A.
古いものは数が少ないのでなかなか難しいんですよ、数がたまったらやりたい
渋谷で怪奇せむし男を見ましたが、やっぱり今見ても面白かった、誰も助からないけど、いい映画です
まあ何か手に入ったらやりたいと思います。

Q.最近見た映画で面白かったもの

A.映画見てないんですよね
007のカジノロワイヤル、ホラーだとミストとクローバーフィールド 悪魔の棲む家のリメイク
テキサスチェーンソーのリメイク キングの呪われた町 など
このごろ映画館に行かなくなってDVDに頼ってるんだそうです。

Q.プロレスのお話

A.Dの向こうの代理店のデジタルマンガは出版だけじゃなくってツアー会社もやってて外国人を秋葉原や札幌の雪祭りに連れていったり、なかには酷電ツアーといってラッシュ時の山手線に乗ったりする企画ツアーもするそうです、(一回でこりて二度目はなかったらしい)

そこでトークショーをやってくれということでいったら、その時のスタッフの知り合いがTAJIRI選手でマンガの原作をやりたいということで会いに来た。編集を紹介してあげる話になって、親睦をかねて何人かで新宿のTというお店に飲みに行った。最初は寡黙な人だったのに、最後は飯野さんと一緒にわーっとやってた、

酒の席だからサービスしようと思って飛ばしたら
「せんせい、しらふでそのテンションなんですか?」(とTAJIRI選手にいわれた)、接待しようとがんばったのに


それと後楽園ホールに招待されてハッスルを見に行ったらKIDATA・ロー2009(きだたろー2009と読むんだそうです。関西人ならわかるよね)
というレスラーがどうも飯野せんせーに似てるという話。

Q.ミステリーランドを書きあがったそうですが。
A.「編集者生命をかけてやった企画で、今は作ろうと思ってもああいう装丁の本は出来ないらしいです。あとは井上雅彦が書くそうですが、あの男はまだ書いてないそうです」(菊)
「俺が代わりに書く〜、飯野文彦と井上雅彦ってにてるでしょ」(飯)
「うん、彦は似てるね」(菊)
「話自体は宝探しの話なんでしたけどすすまなくて苦労しました。本来なら2回目(の配本)が25回目」(菊)


Q.今回初参加なんですけど、いーの先生はいつもこんな感じなんですか?

A.
もっと正直にいっていいですからね。今日はおとなしい方です。

今日は外谷さんがいないから頑張ってまじめにやっちゃいましたね。
いつもだとおきあがってこないですからね、それだけでもたいしたもんだと思いま
す。

「うれしいねぇ」(飯)
プロレスの話のころいちおう復活
なんだか雰囲気がおじいちゃんのようになっちゃってますね

Q.ブログに乗せるときは(飯野先生の発言は)ぴーを入れた方がいいですか
まあお好きなように 正直に書くと大変ですよ(笑)

Q.落語家さんの原作を書くという話、
A.「どうかなぁ、待った方がいいかもしんない大先輩おっぱい????講談、むしろ、ちょっと曖昧にしておいて」(飯)
 ちゃんとした会話になってないです(^。^;) たぶん関西弁に変えるあたりがひっかかってるのかも


Q.新刊情報について

A.
今出ているのが講談社のミステリーランドのトレジャーキャッスル
5月頃 出版芸術社 からモンスター短編集 内容は怪物小説を集めた短編 
パンプルウィードの甘い告白(たぶんこう聞こえたけど)忘年会であげたDの短編が二つ
(読み返してみたら記憶がないんだそうです)

6月うまくいけば、ちくま書房の武闘小説、短編集
   Dの新刊書き下ろし
7・8月がエイリアンの合本2冊
10月くらいにエイリアンの合本のった短編をまとめた本
10月くらいに小説推理に連載しているもの
7月に角川からイラストレーティッドブルース
私にしては珍しく、最初から最後までストーリーが完結しているそうで、
ハリウッドで出そうと思って書いたら落ちて、小説にしたというものらしいです
角川で映画化はないです(笑)

5月、剣と魔法が内容の「ミーくんの番長日記」
最初は徳間で出そうと思ってたもので
反省日記を書くとそれが現実とシンクロしてというような話とか

吸血鬼カーミラの翻案もの
最初はドラキュラを同じようにそのまま翻案しようとしたんですが、編集者の方は波瀾万丈全裸の吸血鬼が飛び回るような小説を期待していたそうです。で、平安朝を舞台にカーミラが向こうからやってきた話にしようかと提案したら、駄目かと思ったら通ってしまったそうです。(明治ドラキュラ伝のようにアナザーワールドになるのかな)

会場のファンからもいろんな名前がとびます。
「玉藻前は出せないんで、カーミラ対陰陽師、(夢枕)獏さんおこるだろうな(笑)」
安倍晴明、源頼光 紅虫さんと名前が出ると
「あー紅虫さんがいたか」

先生、夜狩省はって声が飛ぶと、ん〜と考え込む菊地先生
会場では忘れてる〜って声が(笑)






 (や〜書くのが楽しくなってきましたね〜〜)とのこと

それがなるべく年内
ジゴマ3(まだ最初の部分だけの大怪獣物)の続きはやってみたい、
連載中のメフィストは7か8月にでる予定

コミック関係
Dの日本語版コミック
たかきちゃんの本の3巻は5月に 4巻は11月に出したいと出版社がいってるので、現在も執筆中
頑張ってね。

藤原紅虫のの短編集が3月、RAPPA、いま連載やってるのがあと一回でおしまいになるので近いうちに本になるとのこと。

外国の話になって
「アメコミのDのイラスト、なんでプロレスラーがDの格好をしているのかと」(菊)
どんな物が出来るか怖くて怖くてしょうがない、ストーリーもよんだけどどうも訳がわからないんだそうです。
(たぶん、これのことだと思います。)
 胸の筋肉つよすぎ個人的にはアメリカ国旗を背負ってるのが気に入りません。
顔が北斗の拳のようですね。


「Dのフィギアが出て、Dとドリスとリー伯爵がでたけど、すぐに壊れちゃう、というクレームがくる」(菊)
「製品の品質までは責任が追えないので」

(これはこれですね。Dがまるで闘牛士のよう)


このあたりで時間になったので本日はお開きになりました

    沈没ちょっと前くらい?の飯野先生

終わってから

今回到着が遅かったので本屋が開いてなかったから、サインをお願いするのはやめにしました。サイン本はたくさんあるし。
お二人がサインもらって、写真を撮ってきてから、ロフト前に出て、出待ち、いーの先生もなんとか歩いて帰っていきました。
おひさしぶりのYさんも来てました。しかし前回の忘年怪といいなぜお子様が入れるのか謎です。

いつもの面々でマクドナルドに向かう。席が一杯で座れなかったので、市役所(メフィスト病院?)前のAYAとかいうカフェへ、11人くらいでいってぽつぽつ抜けながら8時頃までうだうだしてました。

 初参加&二回目のお二人もそれなりにおしゃべりに参加していたようで、よかったです。私はついでにカラオケまでお付き合いさせてもらいました。
 参加された皆様お疲れ様でした。
 
 かなりはしょってありますし、話題ごとにまとめてありますが、だいたいの楽しい雰囲気を感じていただければありがたいです。
 
 新しく来られる方にはハードルが高いところもあるとは思いますが、一度試しに見に来てみてくださいな。
 こちらも初めて来られるかたの感想を聞くと、初心に戻ったような気もするし
 私がいけるときなら、愛想の悪い魔界都市ガイドくらいはつとめますので                         (文責 劉貴)
 

番外編

10時にカラオケが終わってから、ネカフェで仮眠しようとするけどうるさくて1時間ほどしか寝られない。あきらめて、上野公園に行ったり、銀座の歩行者天国をぶらぶらする。時間になったので築地本願寺で行われる「フェイマスモンスターズナイト」というイベントに行く。ライブで見る顔もいましたが、こちらの方がおっさん度たかし。そりゃあこれだけ古いSFホラーネタですから仕方がない。業界関係者も多かったみたいです。なぜかすぐ前に井上雅彦氏が座ってました。

聖さんのB級映画入門のコーナーとか石田一さんのホラー映画入門のコーナーでは、菊地先生のイベントで上映されてる映画とかなりの部分だぶります。
ホラー映画のほうで、二夜続けて、白黒のカーロフやらルゴシを見てると、こりゃデジャブーですかと思いますよ。眠気との戦いでした。内容は2年ほど前大阪のURACO2ってところでお二人がやったものとほぼ同じでしたし。

色んなコーナーがあったんですが、グレムリンとかザ・フライ2などのクリス・ウェイラス監督が来てて次回作の映像を見せてくれたのが面白かったですね。ジュールベルヌとラヴクラフトを掛け合わせた話のようで、絵には巨大な動く人工島、飛空艇アルバトロス号、海底のダゴンらしき影、浮上する海底都市(おそらくはルルイエ)などがありました。

面白かったけど、混み混みのロビーはちょっと勘弁なのでずっと席にいました。9時終了と聞いていたのに、結局2時間近くオーバーしたそうで、私はテスト?の途中で抜けて深夜バスで帰ってきました。アトムの声優の清水マリさんとか歌とか全然見られなかったのは残念。

そういやテストで、カーロフとルゴシ、どちらの背が高いなんて問題もありましたな。根っこは同じなのですね(笑)


おまけ資料

「黒猫」 THE BLACK CAT 1934

監督 エドガー・G・ウルマー
原作 エドガー・アラン・ポー
脚本 エドガー・G・ウルマー

出演 ボリス・カーロフ
    ベラ・ルゴシ
    デヴィッド・マナーズ

「大鴉」 THE RAVEN 1935

監督 ルイ・フリードランダー
原作 エドガー・アラン・ポー
脚本 デヴィッド・ボーム

出演 ボリス・カーロフ
    ベラ・ルゴシ
    アイリーン・ウェア
    レスター・マシューズ

「歩く死骸」 THE WALKING DEAD 1936

監督 マイケル・カーティス
脚本 エワード・アダムスン ピーター・ミルン ロバート・D・アンドリュース 
    リリーヘイワード

出演 ボリス・カーロフ
    リカルド・コルテス
    エドマンド・グウィン
    マルガリーテ・チャーチル
   
「透明光線」 THE INVISIBLE RAY 1935

監督 ランバート・ヒルヤー
原作 ハワード・ヒギン ダグラス・ホッジス
脚本 ジョン・カールトン

出演 ボリス・カーロフ
    ベラ・ルゴシ
    フランセス・ドレイク
    ウォルター・キングスフォード

「絞殺魔蘇る」 THE HOUNTED STRANGLER 1958

監督 ロバート・ディ
脚本 ジャン・リード
    ジョン・C・クーパー

出演 ボリス・カーロフ
    ジーン・ケント
    エリザベス・アラン
    アンソニー・ドーソン