BanGさん・作
網走湖畔からのバスに乗り、まずは網走駅へと向かう。
相方が網走から列車で二時間ほどの所にある「北きつね牧場」へ行ってみたいと言うので、牧場最寄の留辺蘂(るべしべ)と言う駅まで移動する。
しかし、到着してから牧場近くへ向かうバスがほとんど出てないと言う事に気づく。
どうしたものかと、ふと駅前のタクシー乗り場を見ると、おあつらえ向きに一台のタクシーが停まっている。
このままバスを待っていると宿泊予定地の札幌への到着時間がかなり遅くなるので、このタクシーを利用する事にした。
タクシー運転手のおっちゃんとはかなり話が弾み、おっちゃんが大阪出身である事、数年前まで東京・秋葉原の電気街で働いていた事などを話してくれた。
※私は専門学校生時代に二年間程大阪に住んでいたので、なんだか懐かしい気分になった。
他にもこの地方が寒い割には雪が少ない事、少ないと言っても溶けないので道路が氷となって、冬の運転には相当の修練を必要とする事などへも話は及び、あっという間に目的の北きつね牧場へと到着。
さて、目的の北きつね牧場だが、夜行性の彼らは昼間はほとんど眠っており、あまり可愛い仕草などは見れなかった。
が、帰る直前になって一匹の子狐が大サービスをしてくれた。
壁に立てかけられた木箱に入り「うにゅー(相方言)」と体を伸ばし「うにゅんうにゅん(同)」と寝返り(?)を打ち、最後はずりずりと滑り落ちるという素晴らしいアクション。
入場料500円と、大変破格なので近くを通られる際には寄ってみるのも良いかも。
北きつね牧場の間近には、全国展開しているドライブスルーの一つである『果夢林』がある。
最初は素通りして、北きつね牧場近くの温根湯バス停へと向かったのだが、そこで出会った親切なおばちゃんのアドバイスで寄って見ることにした。
その会話を再現すると
我々:「留辺蘂へ戻るバスは何時に出ますか?」
おばちゃん:「留辺蘂?留辺蕊からどこへ向かうの?」
我々:「札幌の方へ行きたいんですけど」
おばちゃん:「あらぁ、それならちょっと時間はかかるけど、ここから旭川へ出る高速バスに乗って、そこからまた札幌へのバスへ乗り継いだ方が待ち時間も料金も少なくてすむわよ」
我々:「そんなルートがあるんですか、じゃぁそのバスに乗りたいんですけど、時間の方は?」
おばちゃん:「そうねぇ・・・(時計を見る)、あと一時間半くらいかしら?
近くの果夢林へは行った?」
我々:「いいえ、バスの時間が分からなかったので素通りして来ました」
おばちゃん:「じゃぁ丁度良いわ、食事も出来るし、中央の時計台にまぁギネスブックに申請しているのは良いけど『全然めんこくないでっかい鳩時計』があるから見てらっしゃいよ」
我々:「は、はい・・・(全然めんこくないって・・・)」
とまぁ、長くなるがこのような会話の後にバス出発時刻まで果夢林で時間をつぶす事に。
で、その鳩時計、本当に可愛げはなかった。
※鳩が出るまで踊っている妖精達の人形は可愛かったのだが・・・。
そう、たとえるなら『PSO森エリアのドラゴン』を彷彿とさせるものだった。(羽が折りたたみ式なところが特に)
確かにギネスに申請するような大きさの鳩に可愛げがあるはずは無いか。
ともかく、面白いものが見れたのは確かなので、良しとしておこう。
食事などをして時間を潰した後、先ほどの親切なおばちゃんに教えてもらった高速バスへ乗りこみ、旭川へ向かう。
その途中『層雲峡』へ立ち寄る。
圧倒的な岩肌が道路間際まで迫りくる迫力、その岩山の狭間から見える青空。
ここも北海道の自然を感じさせる場所だった。
そうそう、ここでも面白い人に会った。
売店のおばちゃんなのだが、揚げいも団子(一個250円)を相方が一つだけ買おうとしたら二個差し出し『カップルなら二個で400だよ』と愛想良く進めてくれたので、そのまま二個買ってしまった。
今振り返ると、この旅は親切な人や、愛想の良い人に出会える運に恵まれていたように思う。
旭川から札幌までは高速道路を使っての移動。
この辺りは北海道でも都会の方なので、北海道へ来たんだと言う印象が徐々に薄れていくのを感じた。
その割にはまたホテルにたどり着く道を迷ったりしたのは、これを読んでくれている貴方と私との秘密だ(笑)。
札幌市内でラーメンを食して、五日目の夜は更けて行った。