レストア灼熱編

少しづつバラして、少しづつ壊れているとこを修理して、今が一番楽しいときかも?エンジンにはまだ手がつけられない。ヘッドライトケースを開けたらウエスに包まれた予備のバルブが出てきた。大事にされていたのがこんなところからもわかりますネ。


エンブレム

バイクの顔とも言える一番目立つ所にあるのがYAMAHAのエンブレムです。これは何とかしたい!

オークションで極々まれに見かけるけど、とても手が出る値段ではない。


・・・ということで、
レジンで成型するために、型をゴムで作ります。1ミリ厚と3ミリ厚のゴム板から切り出します。完成品を抜きやすくするためにカット部分にはテーパーをつけてあります。
白く見える部分ははみだした瞬間接着剤です。

レジンを扱うのは、初めてなので成功するかとても心配・・・・・夜も眠れません。大げさですが、すべてはこの元型の出来次第のような気がします。

レジン成形の材料です。左からシリコン離型剤、シリコン、エポキシレジンです。

ず〜っと昔から気になっていたアメージングさんからお取り寄せしました。すごく丁寧な解説を惜し気も無くHPで公開しちゃうのがスゴイです!! このHPを見ていると、何か作りたくなることうけあいです。
シリコンを抜きやすくするためと、ゴムどうしの接合部の隙き間を埋めるために缶 スプレーを吹きました。
気泡が入らないように慎重にシリコンを流します。気泡が入ったら、つまようじで取り除きます。
8時間後にパカッ! 成功か? ドキドキの瞬間です。

ものすごい忠実に再現されています。無視できると思っていた接着剤の跡なんかも、きれいに残っています。
目では確認できなかった隙き間にも入り込んでいたので、不要なバリをハサミとピンセットで取り除きます。

小さな画像ではきれいに見えますが、エッジが出ていません。とても納得できるレベルではありませんネー。元型にもっと力を入れるべきでした。
シリコン型は一日置いてから、日光に数時間当てます。
シリコン離型剤をまんべんにスプレーしたら、正確に計測したエポキシレジンと硬化剤をよく混ぜ混ぜ。気泡ができないようにやさしく混ぜて、注入時も気泡が入らないように慎重に。
エポキシレジンは水のように柔らかく、水平にさせるのが大変。我が家が傾いているのがよくわかりました。(悲)
2日以上たってから抜きました。おおーっ!! けっこう感動的だな。

ここからがまた大変で、角を斜めに削り落としていきます。

タジマツールのアラカンという研削工具です。

ホームセンターでこんなの見つけました。無数の刃でガンガン削れます!! サンドペーパーでヒイコラ言っていたのが嘘のようです。

サンドペーパー280→400→800→1200→2000→コンパウンドで透明に。

ドライヤーで熱して曲げます。
(50℃くらいで柔らかくなってくるので、タンクに装着してからはあまり直射日光にさらしたくないゾ!)

白を二度塗り乾燥後、はみ出した塗料をスクレーパーなどで慎重に削ります。ここまできて失敗したら泣くに泣けないので、全神経を集中させて作業します。
その後、黒を厚く塗って完成です!!

ホントはビス穴は5ミリ、8ミリの2段になっていますが、振動などの割れ対策を考えて5ミリのみの穴にしました。

文字のエッジが汚いのですが、1m離れれば全くわからないのでOKにしましょう!

う〜ん、大変だった! 予備にベース4枚作ったけど、加工はしていません。だって大変な作業だから。

大きなサイズはこちらから。

フュエルタンク
青タンクは一見きれいに見えて、中は錆のコーティングでした。錆取り剤で一週間かけたけど完全には除去できず・・・
ここでshigeさんの赤タンクの出番。中はひじょうにきれいでしたが、念のために錆取り剤で一回洗っておきました。
邪道と言われそうですが、格好悪いデザインは復活させません。HX90的なヤマハデザインで塗り直します。ヤマハさんごめんなさい!

満タン11.5リッター、予備約2.8リッターです。

塗装の第一段階です。錆を落としてから、サフェーサー、キャンディー下塗り、キャンディー上塗り(青)の順番に塗ります。

キャンディー塗装は難しいと言われますが、4回も重ね塗りすればムラも無くなります。最後の2回分は垂れる寸前の厚塗りがコツかも。
ちなみに完成予想図はこんな感じです。PC上で試してみました。

タンク形状はかなり異なるのですが、AX125のタンクデザインを元に作ってみました。
AX125はヤマハのエンブレムが下面と平行で格好良いのですが、こいつはやや前上がりなんですね。
マスキング。
プラモデル用(たぶん)の5ミリマスキングテープを使用。

やたら小さなアールも貼れて便利だが、直線には不向きかな。

ちなみに、真上から見ると幅の広い形ですね。

ウレタンクリアを塗って完成です。うおっ、美しい!

夏場は吹き付けるとスグに乾燥してしまい、垂れる寸前の塗料表面がピンと張ったような状態を作るのが難しい・・・
完全硬化の2日を待てずに、試しに取り付けちゃった。
CBでもお馴染みの『ガソリンダダモレ防止ジョイント』装着
コックのバルブ(ゴムの部分)を新品に交換。
168-24522-00フィルターガスケットが欠品でした。
(04/9月現在)
  車載工具全員集合ー!
ガソリンタンクの下に入れる場所があります。
サイドカバーとオイルタンク
角タンクRDとの大きな違いはここにあります。左側(写 真上)はカバーに見えてオイルタンクになっています。角タンクRDは半透明ポリ製のオイルタンクがフレーム中央についています。

右側(写真下)は普通のサイドカバーです。 ごく初期はここにエア用サブチャンバーが付くようです。

これもステッカーを複製して、塗り替えるつもりです。

オイルタンクのゲージ(360-21761-00)は欠品でした。

オイルタンクからゲージを無理矢理引っこ抜きます。再使用するつもりなので、慎重にほじくり出します。
窓の中はオイル色に汚れているので、裏側の穴からティッシュを入れてきれいに拭き取ってあげます。

[ E29 *LG 20 6 ]と刻印有り

塗装後の右サイドカバー

エアインテーク風の飾りを付ける。
塗装後の左オイルタンク
右サイドカバーの裏側はサブチャンバーの名残りのステーがあります。エアクリーナーボックスを押すスプリングがついています。

どうせスペースができたのなら、小物入れでも作ればいいのになぁ。
なんか寂しい・・・・・
市販のインクジェット用ステッカー製作キット(UVカット)で作ったステッカーを貼って出来上がり!!
何故かキャップ
ここ、ずっと気になっていた箇所。
オイルタンクのキャップがスカスカで締まらないんです。
タンク側は鉄だから、ネジが大きくなることはありえないので、プラのキャップが縮んでしまったのだろう。

で、注文したら、まだ出た。(08/11)
比べてみると、こんなに縮んでいました。
オイルタンクキャップ(214-21771-00 )は部番が変わっています。
マフラー

すごいカーボンの堆積!こりゃ一度も開けてないかも??エキパイには全体に5ミリも堆積していて落とすのも一苦労!

マフラーからサイレンサー(バッフルパイプ)を抜こうにもネジ山がナメナメでどうしようもなかったので、ドリルで穴開けて逆ネジタップで引っこ抜いた。それでもサイレンサーはびくともせず、1時間程格闘の末、なんとか外せた。グラスウールはオイルでギットギト! しかも片方のサイレンサーは錆で朽ち果てていました。

サイレンサーは新品で出ないだろうなぁと期待しないで注文したら、まだありました。
307-14753-00 2本で¥9900でした。(04/10月)

いらなくなったテントのポールを使い、上写真のように突き刺して押し出しました。3日目にして感動の御対面 !
 

マフラーの中を覗いてみたら、だいたいこんな感じで仕切られていました。錆びてちぎれた5cm位 のサイレンサーの破片が仕切りの中に残っていて、取り出すのにモー大変!
ちょっと洗ってみました

エキパイとマフラーの積年のカーボンを落としたくなりました。ゴム栓(椅子の足用)をして熱湯にサンエスのクリーナーを溶かして投入してみました。

写真はエキパイからの汚れですが、マフラーからはもっと真っ黒なカーボン水とカーボンの塊がゴッソリ取れました。もう快感です。2回行いましたが、まだまだ取れそうです。

ライトを照らして中をのぞいて見たら、ベトベトの表面のカーボンは取れていますが、カッチカチに固まったのは無理なようです。

リアホイール
 

この辺りはオイルでギットギト! 掃除がたいへん! でも、オイルで覆われていたおかげで錆も無く状態はすこぶる良い。
スプロケは標準が39T、オプションで38T、37Tが用意されています。

ドライブスプロケット(前側)は標準で14T、オプションで13T、15T、16Tがあります。部番が変わって共通 部品になっていました。古いスプロケは見ての通り手裏剣に化けていました。
フロントフォーク
フロントフォークのダストシールが欠品だったので、角タンク用のダストシールを注文。
見た目が違うのであらためてインナーチューブの太さを測ってみたら、あらまっ、全く違うじゃないの!

(ミリ) 丸タンク 角タンク
A 28 30
B 27.55 28.85
C 32.50 30.00
D 46.50 45.00

(B、C、Dは実測値なので誤差あります。)
角タンク用のダストシールをそのまま使ったら、リップがインナーチューブに当たらないではないかっ!
丸タンク用のオイルシールも欠品でした。角タンク用のものを使えばいいやと注文したけど(93110-30013はまだ出ます 05/1/13)、そもそもインナーチューブ径が違うのだから無理ですネ。気が付くのが遅すぎ!

欠品の丸タンク用のオイルシールのサイズは軸径28ミリ、外径41ミリ、幅10.5ミリです。市販の回転軸用と違い、往復動用ということをお忘れなく。

左:丸タンク 右:角タンク

角タンクのフォーク中身

どうやら、フォークオイルシールの入手は超難関ということが判明しました。新品が手に入るまでは、角タンクのフロントフォークを使用するしかないみたい・・・

と思って角タンク用のフォークを取り外してみたら、数々の違いを発見です。アンダーブラケットにステアリングダンパーのシャフトが入らない。(穴が貫通 していない)ハンドルロックが使えなくなる。(まあ、これは我慢できる)ライトステーの上部穴を拡大させないと入らない。(削れば良い)アウターチューブにフェンダーステー用の穴を開けなければならない。(面 倒だけど、何とかなりそう)そして、インナーチューブは欠品とのこと。再メッキだ・・・

ふぅ、どうしよう。ことあるごとに悩んでしまう・・・

角タンクの方が年式が新しいのでもちろん良くできている。スプリングも太く、戻り側にも小さなスプリングがある。

どうしようか、かなり悩みましたが、28−42−7(ベンリー用らしい?)のオイルシールが入手できたので、アウターの内側を1ミリ削ることに決めました。
もう後戻りは出来ない!と思いつつ、ヤスリでガシガシ削っていきます。たった0.5ミリづつなのに、なかなか進まないんだこれが。結局全体で0.7ミリ削ったところで、止めました。あとは叩き込むべし。
右が28-41-10.5のオイルシール。高さをあわせるために3.5ミリ分の輪を作りました。これもアルミ板からドリルで切り取り、ヤスリで削り出しました。手作業だ!
いや〜、大変ったらありゃしない!

これでオイルシール組み付けは完璧!のはず。
  フォークオイル量は角タンクのマニュアルを頼りに130cc入れました。粘度はややかためのG15です。

フォークの内部をきれいに掃除して油分をゼロにしたからか、130ccではフニャフニャです。 なので、30cc追加しました。合計で160ccです。 固めが好きなので、もっと入れたいところ・・・

が、走ってみると硬すぎて、コツンコツンと突き上げがある。少し抜いて
150ccで様子をみます。(06/9月)
150ccで良い感じ(06/10月)
ダストシールはRD200用を使用。(535-23144-00です。05/5/9)でも、少〜し隙き間ができちゃいます・・・・・

RD200用のダストシールのわずかな隙間がとっても気になる。なので、角タンク用のダストシールに、0.5ミリ厚のゴム板を3ミリのテープ状にしてチューブと当たる部分に張りつけて装着しました。

かなり強引、大丈夫かなぁ・・・

しかし、インナーチューブの28ミリって貧弱すぎるヨ〜! 
ポキッといきそうだヨ。
ダ、ダメだ・・・・・
その後ですが、シールからオイルがにじみ始めました・・・
ポタポタと漏れているわけではないので、気にしなければ問題はないのでしょうが、ダメです。気になり始めたら、もう止まりません・・・(07/5)

で、角タンク君のフォーク一式を物置きから引っ張りだします。穴を開けて下さいと言わんばかりに丸く印があります。
ドリルで穴を開けて、タップでネジ溝を切ります。
上にも書きましたが、角タンクと丸タンクのフォークの中身は異なっています。申し訳ないけど、角タンクの方がしっかりしています。丸タンクの方はスプリングの力が弱い感じ。

写真には入っていませんが、アウターチューブの底にはオイルロックスペーサーという部品があります。(赤で描いた部品です)底にへばりついているので、忘れずに。
アンダーブラケットのシャフト(?)の穴を6ミリドリルで貫通 させます。予想通りの硬い材質なので、気合いを入れてください。

シャフトとアンダーブラケットの溶接部分が荒いのと、固定用のネジ穴が無いのとで、ダンパープレート1をつけるには一工夫が必要です。
丸タンクのハンドルロックキーがある部分には、ヘッドライト固定用のネジ穴があるので、そのネジ穴を利用したダンパープレートをアルミから削り出しました。
角タンク用のアウターチューブの汚れを取って磨いてみたら、仕上げの悪さが気になります。も〜細かい部分が雑すぎっ! ガタガタ! 丸タンクのはすばらしい品質だったのに・・・・・

写真では分かりにくいですが、左が角タンク用です。
インナーチューブの再メッキを『東洋硬化』さんにお願いしました。一本1.5万円です。

まっ、まぶしい! 幸せな輝き!
アッパーカバー(ヘッドライトステー)、アウターカバー、カバーガイドの穴も2ミリ大きく削ります。それでもアウターカバーだけは無理にこじ入れなければならず、リフレクターも斜めになっています。

ササッと取り付けて、フォークオイル130ccを入れます。今までが柔らかすぎだったのか、硬すぎるかなと思うほどのストロークです。

試走行してみたら、少しポンポン跳ねる感じ。やや硬めですが許容範囲でしょう。硬めが好きな僕にはこれくらいがちょうど良いのかナ。

しばらく走ってなじんできたのか、跳ねる感じはなくなっていい感じです。

フォークを変えたら、スピード取り出しのギアユニット側に少し隙間ができました。
ので、ワッシャーを入れて出来上がりです。

しばらくここを無視して走っていましたが、コーナーで頑張ると、フロントタイヤがぐらついて恐怖でした。

タイヤ
  フロントが2.75-18、リアが3.00-18です。

リムは前後で部番が違うけど、比べてみても相違点がみつかりません。刻印は違うのだけど、同じモノにしか見えません。
塗装
塗装は自家塗装です。フレームだけはパウダーコート(ダイアモンドコートは無理だとしても・・・)したいと考えていましたが、なにせ貧乏ですから! 住宅街でもスプレー缶 でいきます。

僕は今まで一体何十本のスプレー缶を買ったのだろう?
マメタン2回、RD125も2回、CT110、ヘルメットやモンキーのタンクなども合わせると50本くらいかなぁ。


フェンダーの裏はワイヤーブラシと化学の力を借りて錆を落とします。錆止め剤を塗ってから亜鉛メッキスプレーを塗ります。

でもまあ、走ったらすぐに錆びてきちゃうんだろうな。わかっちゃいるけど止められない。
バッテリーボックスはもっとも錆がひどかったパーツです。ここもすぐにバッテリー液がたれて錆びるのはわかっていますが、やっちゃいました。錆び取り後の穴をパテで埋めて再塗装しました。
フレーム前方は入り組んでいるので、ワイヤーブラシが入らず錆落としも大変です。

塗装も最も困難です。全体に均等にツヤを出すのは至難の技です。見えない部分は犠牲にする覚悟で。
 
この辺の小物の塗装はムラにもなりにくく簡単でした。
 
すべて塗装しちゃった。すぐに剥がれてくるのは分かっているけど、いいのいいの。
全部塗装してすっきりした〜! 鼻の中真っ黒だけど。
シート


シートはザラッとした表皮と細かいタックロールがいい感じです。

表皮は切れてます。その上に黒の布テープが貼ってありました。定番の補修です。表皮張り替え予定。

裏は錆びていますが、それほどひどくないので、このままでいきます。
開けちゃった。シート屋さんに頼むつもりだったのに・・・

スポンジはきれいなので、このまま乾燥させておしまい。

表皮は裏当てとタックロールのための薄いスポンジがボロボロでした。当初はこのおかげで表面 が段々になっていたんだナ。細かいワザに感心したけど、何十年もたった今では全く意味なし。見なきゃ良かったと少し後悔・・・・・

断面図はこんな感じです。
とりあえず、何十年分の汚れを洗い落としましょう。
穴は裏から適当なゴム(パンク用パッチの巨大なシート)を速乾ボンドで貼り合わせました。気休めに3ミリのスポンジシートを入れて元に戻しました。

5mくらい離れればわからない・・・・・でしょう。