■試し読みコーナー■
「クラウドLv1.5」
表紙イラスト (イラスト:ちゃがま) |
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●主なあらすじ● |
手のひらサイズにちっちゃくなったクラウドを、シルバー王女がかくまうことに・・。 ちっちゃい故に勝手がわからないクラウドと、ちっちゃいクラウドでいろいろ遊びたいシルバー。 クラウドにネコの手が迫る!(なんだそりゃ・・とお思いでしょうが、本編読むと意味がわかります。) 果たして、クラウドは本当の大きさに戻れるのかな? |
≪本編より、一部抜粋≫ |
灰色クレヨンの執事は言いにくそうに、 「あのう・・ええと・・非常に申しあげにくいのでございますが・・。」 と、もじもじしました。 すると、 「もうこうなったら仕方ないんだ。」 と、しびれを切らしたようなクラウドの声がどこからともなく聞こえてきました。 「?」 皆、あたりをきょろきょろしましたが、クラウドの姿はありません。しかし、声は随分近くからしました。 「なに?どこからクラウドの声が?」 ストンストンが急に変なことを思いついて、口にしました。 「もしかして!クラウドは透明人間になってしまったんだな!だから声だけして、姿が見えないんではないのけ?」 と、手を上下にばたつかせました。 「ええーー。そんなバカな。」 アラエッサはあきれ顔です。しかし、執事はそのストンストンの言葉をきいて、意を決したらしく 「いえ。透明にはなっておりません。が、このように・・。」 と、上着の胸ポケットのカバーを指でそっとあげました。すると、そのポケットがもぞもぞと動き、ポケットからちっちゃな手が現れました。 「な!」 「妖精け?!」 アラエッサとストンストンはあまりのちっちゃな手に驚きました。その手はポケットの入り口を押し下げて、 「よいしょ。」 という声と共に顔を現しました。 「やぁ。」 クラウドです。ちっちゃなクラウドです。 「!!!!!!!!!」 ストンストンとアラエッサは驚いて声も出ません。一番最初に驚きから立ち直ったのはシルバーでした。 「クラウド?!本当にクラウド?」 執事のポケットにぐいーーっと顔を近づけて見ると、それは小さくはあれ、確かにクラウドでした。 「いや、驚かせてごめん・・。みんな・・。」 クラウドは少しばつが悪そうに、ぺこりと謝りました。 |