★ヒカルの碁 小説★
表紙イラスト (イラスト:ちゃがま) |
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■試し読みコーナー■
内容は、基本的に「塔矢一家シリーズ」と、「ヒカル&佐為シリーズ」の2つに別れておりますが、
塔矢側、ヒカル側の同時進行の同じ内容の小説です。
カップリングは(カップリングといっても・・まだつきあってないですが)、
塔矢アキラ×進藤ヒカルです。
基本的に今のところ、塔矢アキラが進藤ヒカルにラブラブファイヤーです。(笑)
■ヒカルの碁 小説■
試し読み●塔矢一家シリーズ 1●
「家族会議」≪一部抜粋≫父はこれといってテーマはすぐに思いつかなかったが、この頃気になっていることならあった。
「・・アキラは・・最近悩んでいることはないか?」
「ありませんが。」
アキラは即答した。またも碁盤からは目を離さずに。
「ふむ。」
アキラの答えに、父はやや不満げである。訊き方を変えてみた。
「・・進藤君は・・進藤君はどうしてるかね?」
「進藤」の名前がでた途端、アキラの視線は、碁盤から離れた。
「進藤?」
「そう。進藤・・名前の方はなんといったかな・・。」
「・・ヒカルです。」
「そうそう。進藤ヒカル君。彼とは最近会ったのかね?」
「・・・いえ・・。」
アキラは、父から目をそらせて答えた。
実際には、毎日のように彼の動向をいろいろな手を使って探っていて、会っていない気はしないくらいだが、面と向かっては会っていないので、嘘を言ってはいない。しかし、父の目を見て答えれば見抜かれると思った。●ヒカル&佐為シリーズ 1●
「SUNNY SCHOOL DAYS」≪一部抜粋≫『ヒカル!ヒカル!寝ちゃダメですよ!ほら、先生が試験に出るって言ってますよ!帳面にかかなくては!』
『帳面?!ああ、ノートのことか・・。』
佐為の呼びかけにも、ヒカルは依然ぼんやりしている。佐為も、あまり自分が助けてしまうと、ヒカルが大人になって困るのではないかと思い、一生懸命勉強に集中させようと躍起になる。
『ヒカル!寝ちゃダメですってば!もう、囲碁の時はあんなに集中できるのに、どうして学校ではこんなに集中できないんですか?』
『だってさー、こんな数式なんか、絶対に人生で使いっこないじゃん。佐為、お前千年生きててこの式を生活で使ったことあるか?』
『ええー、ありませんけど・・ありませんけど、でも!こうして先生が教えてくださっているのですから・・、ね?』
ヒカルはもう教科書を机に立てて、寝る体制に入りつつあった。
『ヒカルゥ!!』
佐為は腕をばたばたさせて、なんとかヒカルを夢の世界から現実の世界に連れ戻そうと必死になった。
その時、何かを、佐為は感じた。
『?。視線??』
その気配は、教室の中の誰かからではなく、窓の外から感じるのだ。といっても、この教室は、二階にある。窓の下は運動場。運動場からこちらを見上げても、こんな視線を感じるということはないはずである。
外はよく晴れている。もう桜も散ってしまったが、風も穏やかで、春のいい香りがほんわりとする。
『妙ですね・・。この気配は一体どこから?』
佐為がきょろきょろと窓の外を眺めていると、ちょうど学校の向かいのビルの屋上に白い服を着た人影が見えた。
『・・あれは・・。』
佐為の記憶の中で、その人影に似ている人が一人浮かぶ。
『まさか、塔矢アキラ?なぜあんな所に?』