9mm機関けん銃 - 考え直して下さい- 

パッと見、最近のアニメに一脈通ずるデザインセンスで”モデファイド・ミニUZI ”的な印象を与えてくれるのですが・・・。

口 径 : 9.0mm
全 長 : 399mm
銃身長 : 120mm
重 量: 2.8kg
作動方式  :  ストレートブローバック
発射方式  :  単発/連発切替
発射速度 : 約1,100発/分
(以上、陸自公式HPより)
価格    :  42万円

称はM9、愛称はエムナイン、空挺部隊等の指揮官の自衛戦闘用にミネベアで開発されたという事です。
このエムナイン、64式・89式のように開発経緯・構造が公表されておらず、銃器雑誌が取材を申し込んでも首をタテに振らないそうです。
アッパー・ロアレシーバーはどうやらアルミ製らしいのですが、それ以外は外形から推測して「多分UZIと同じだろう」くらいしか判りません。 陸自いわく「我国独自の戦術によって開発された、新しいカテゴリーに入る個人火器」なんだそうです。

にしても何故今さらミニUZIのコピー?
しかもUZIではコストを下げるためにプレス製であった上下レシーバーが何故か高コストな切削加工、オープンボルトのSMGを削り出しで造るという75年以上も時代を逆行する事を行っています。しかもストックが無い。
すでに日本国内でMP5が採用されているのにです。
不思議で仕方なかったんですが、生産元のミネベアは政治上「拳銃以外は製造できない」んだそうであります。
この事から俺的勝手想像してみると
a1).社有のプレス機の能力が拳銃(SIG P220)でギリギリなのかもしれません
 (まさかP220のスライド削り出しじゃないよね?)
a2).新規設備投資してもその後の資金回収が見込めないのかもしれません
a3).a2の理由として生産設備の拳銃以外の製品(軍民問わない機械部品等)製造への転用が出来ない、又は認められていない、あるいはその発想が無いのかもしれません
A).故に既存設備で可能な切削加工によるしかなかった。
B).切削加工で製造できそうなデザインの中で最新の銃を探したらUZI だった。
C).銃器の分類上コイツにストック付けるとSMG=短機関銃になる。それではミネベアには造る事が出来ないのでストック無し。
ま、あくまでも僕の想像でしかないんですけど。
小型のSMGが欲しい。
が、軍事・経済・技術、すべての点で取り引きが1社に集中するのは良くない。
89式は豊和、ミニミは住友。ならこれはミネベアにまかせたい。 しかし。
・・・どうやら陸自(日本政府?)には選択肢が無かったように思えて来るのです。 まあ、MAC(イングラム)系だってあるじゃないか、という疑問も残りますがアメリカはイチイチ五月蠅いし(苦笑

具としても不思議な点があります。
手首を軸にハネ廻るUZIの欠点をそのまま引き継いでいる故それを緩和するためのフロントのバーチカルグリップ、が、ココにレーザーサイト等の照準補助器具が付けられない。今時の設計思想ではありません。
そしてグリップの分だけ伸びた全長を取り繕うかのようなバレルエクステンション。 どうせならフレームごと伸ばしてフロントサイトを前進させれば照準線長を長く採れる、バレルも長くできる、命中精度の向上に寄与できるのに。
また、近接戦闘の可能性が低い佐官以上級は今までどおり9mm拳銃装備という事で、所持品によって階級がバレちゃう可能性がある(指揮官はまっさきに狙われる)のもヤバげに感じるんですがこれも素人考えなのかな。

何より怖いのは- 雑誌の文章で読んだに過ぎないのですが- 陸自側の反応で、いわく
「拳銃の発展型だからストックは無くてあたりまえ」
「制圧射撃用であるから命中精度は期待していない」
「だが有効射程は100m、単発時の命中精度は9mm拳銃(SIG P220)より優れている」
ほとんど強弁です。
日本の防衛構造の歪みを語る(認める)事は政治に踏み込んでしまうため軍人が言う事が出来ないのは解りますが、まるで旧日本軍の精神主義に聞こえます。

だでさえ防衛費の削減が叫ばれる昨今、世界的にも高価な89式よりも更に高価い値段でムリヤリ改設計した銃を買う。これが真っ当だとは僕には思えません。
先頃、武器輸出禁止原則に手を付けようという動きが報道されましたね。システムとして戦後国防の限界が、ゴマ化せない所まで来ているのでしょう。
注意深く見守る義務が我々国民にあります。(何かエラそうになっちゃったなあ・汗


参考文献:国際出版刊・月刊Gun '04,4月号、潮書房刊・丸'05,2月号付録「'05 陸海空自衛隊再新装備写 真総集」、他。2005、2、19、writed by Pickles.


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