†


街路。

ふゆことふゆうしゃぎが歩いている。



ふゆうしゃぎ:(ぐぅ)ごはん…


ふゆこ:ごめんね、ふゆ。何か買って帰ろ?


ふゆうしゃぎ:たこやきっ


ふゆこ:うしゃぎにたこ焼きっていーのかなぁ…あれ?


ふゆうしゃぎ:やまと?と…ゆきうしゃだぁ。


ふゆこ:へー、仲良しなんだ、あそこって…


ふゆうしゃぎ:仲良し?(首を傾げて)


ふゆこ:てゆうか、ゆきうしゃ、ふゆを探してたんじゃなかったっけ。


ふゆうしゃぎ:ふえ?


ふゆこ:…まーいっか。ふゆ、たこ焼き行こ。


ふゆうしゃぎ:うんっ



†



たこ焼き屋前のベンチに座るふゆことふゆうしゃぎ。



ふゆうしゃぎ:何で剛、赤かったの?(たこ焼きふーふー待ち)


ふゆこ:(ふーっふーっ)あー…ねえ、こっちがいたたまれないよね(苦笑


ふゆうしゃぎ:いたたた?(たこ焼きほぐしてもらい待ち)


ふゆこ:剛君の気持ちが、そこら中に広がって、こっちの方まで伝わってきちゃうって事かな。


ふゆうしゃぎ:そしたら痛いの?(そろそろ待てないかも)


ふゆこ:んー…まあ、ある意味痛いかも…(手が止まる)


ふゆうしゃぎ:ご主人?(たこ焼きは?)


ふゆこ:え?あ、はい、どーぞ。


ふゆうしゃぎ:(口の中いっぱい)もふもふもふもふ??


ふゆこ:…何か、懐かしくなったんだな。

    真っすぐに誰かを想う気持ちとか、それが溢れる瞬間とか…(ぼけーっ)


ふゆうしゃぎ:(ごっくん)あ、あくうしゃっ


悪魔うしゃぎ:おー起きたか。


ふゆうしゃぎ:たこ焼き食べよおっ(また1つまるまる口の中に)


悪魔うしゃぎ:あー悪い、ほんっとどーでもいい奴待たしてて…


ふゆうしゃぎ:もふもふもふもふ?


ふゆこ:1パック持ってく?


悪魔うしゃぎ:いいのか?


ふゆうしゃぎ:もふもふもふもふ(ごっくん。ぱくっ)


ふゆこ:これいいよ、後でまたお土産のは買うから


悪魔うしゃぎ:…


ふゆこ:ん?


悪魔うしゃぎ:あんたさ、最近の男とどーなってんの?


ふゆこ:はっ?


ふゆうしゃぎ:もふもふもふもふ(ごっくん。ぱくっ)


悪魔うしゃぎ:電話にメール?やたら親しげだってうしゃぎ情報なんだけど。


ふゆこ:親しい、ってゆうより、協力しただけってゆうか…


ふゆうしゃぎ:もふもふもふもふ(ごっくん。ぱくっ)


悪魔うしゃぎ:協力?


ふゆこ:その最近の男の人は今頃大好きな相手と一緒にお弁当食べてんじゃないかな。


ふゆうしゃぎ:(ごっくん)ふゆもあれ食べたかったっ(ぱくっ)


悪魔うしゃぎ:そこだけ参加すんなよ


ふゆうしゃぎ:もふ?


悪魔うしゃぎ:…


ふゆこ:ん?


悪魔うしゃぎ:(たこ焼きを持ち上げて)俺にその誤解を解けとか言わないよな。


ふゆこ:それおいしーよ、あくうしゃ(*^^*)


悪魔うしゃぎ:あー…確かに余計な事聞いたけどさー…(汗


ふゆうしゃぎ:もふもふもふもふ


悪魔うしゃぎ:お前食い過ぎ…


ふゆこ:あくうしゃも同じだね。


悪魔うしゃぎ:何?


ふゆこ:気持ちが溢れてそこら中に広がってるから、こっちにまで伝わってくるよ。


ふゆうしゃぎ:ご主人?


ふゆこ:私先にお土産買って帰るね。ふゆの事よろしく。(手を振って去っていく)


悪魔うしゃぎ:…


ふゆうしゃぎ:ご主人、いたたなんだって。


悪魔うしゃぎ:痛い?


ふゆうしゃぎ:ん、痛い…



†



ふゆこの家。

玄関を開けて入ってくるふゆこ。



ふゆこ:ただいまー…あれ、皆居ないのかな…お土産だよー…うん?


メール:『さっきはありがとうございました。で、あの、みしろさん、出てっちゃったんですけど…』


ふゆこ:…いいや(携帯閉じる)。

    …人の恋愛とりもってる場合じゃないなぁ…(_ _).。o○



隠れたきり眠り込んだ 黒い兎は

夢の中に埋めた誰か 探し続けて


遠い方で呼ぶ声に 耳が惹かれて

後ろ 

振り返れば闇色 月も見えない


鎖1つ外して 眠る 君の傍で

そんな

夜が続くと 思いたかった


隠したきり黙り込んだ 僕の呟き

夢の中で涙 誰が? 探し続ける


彼方では夜が明けて 耳を惹くのに

いつも

振り返れば闇色 影も呑まれて


日差しの中で 2人 戯れている午後

そんな

温もりの場所 君が笑った


夢から醒めて 歩き出せば

長い夜が


鎖1つ外して 眠る 君の傍へ

そんな

夜明け過ぎには 君の温もり



ふゆこ:…あ…?


ゆきうしゃぎ:あ、ちゃうがな、もう夜夜っ(顔を伏せがちに毛布をかけている)


ふゆこ:ゆきうしゃ?


ゆきうしゃぎ:こんなとこで寝て風邪引いたらどないすんねんっ(ふゆこと背中合わせに座る)


ふゆこ:んー…(ぼーっ)


ゆきうしゃぎ:(そのまま)…嫌な夢でも見たんか、それ


ふゆこ:え…あ?(自分の頬の涙に気付く)


ゆきうしゃぎ:…


ふゆこ:あれ?(起きる)わー…


ゆきうしゃぎ:…(ずかずかとふゆこの正面に立つ)


ふゆこ:…?


ゆきうしゃぎ:そうゆう時はなぁ、俺とかうしゃぎを使え!


ふゆこ:え?


ゆきうしゃぎ:(背伸びしてふゆこの頬を舐める)…っこうやってっ、舐めるくらいは出来んねんっ


ふゆこ:ゆきうしゃ?


ゆきうしゃぎ:うっうしゃぎはあったかいしっ、柔らかいしっ…(もういっぱいいっぱい)




おとうしゃぎ:(物陰からコソコソと)そろそろ限界?


ふゆうしゃぎ:(コショコショと)ゲンカイ?


悪魔うしゃぎ:(ボソボソと)あの声の裏返りは無いな。


しろうしゃぎ:(ヒソヒソと)でも物凄く頑張りましたよね。


たまうしゃぎ:(ブツブツと)全くこの寒いのに何で俺たちが廊下に…


おとうしゃぎ:(コソコソと)そんな事言って手の汗凄いんですけど


たまうしゃぎ:わっこれお前の手じゃっ…


しろうしゃぎ:…


たまうしゃぎ:違うっ、俺はっ


ふゆこ:みんな?


悪魔うしゃぎ:…お前ら頭悪いだろ


ふゆうしゃぎ:ご主人ー♪


ふゆこ:おかえり…


ゆきうしゃぎ:………(放心状態)


しろうしゃぎ:そっ、そろそろ、お腹空いたんで戻ったんですけどっ


おとうしゃぎ:そうねえ、今夜は久々にお鍋なんてどうかしら、ご主人?


ふゆこ:あ、いーねえ


悪魔うしゃぎ:久々か?


ふゆうしゃぎ:お鍋っお鍋っ


ふゆこ:じゃあ足りないのだけ買ってくるね


しろうしゃぎ:こっちの準備はしときますね


たまうしゃぎ:おい


ゆきうしゃぎ:…あ?


たまうしゃぎ:ご主人の買い物に、カイロ代わりになって来い。


ゆきうしゃぎ:何で…


たまうしゃぎ:うしゃぎはあったかいんだろ。


ゆきうしゃぎ:(やーめーてー)…耳塞ごう、そこは…


たまうしゃぎ:動いた見返りは十分だと思うがな。自覚ないか?


ふゆこ:ゆきうしゃー


ゆきうしゃぎ:えっ何っ?


しろうしゃぎ:たまうしゃ、昆布拭くの手伝って下さい(昆布投げつけ)


たまうしゃぎ:…はい…


ふゆこ:この間のお豆腐屋さんて三つ目の信号右だっけ?


ふゆうしゃぎ:ふわふわのおとーふっ


おとうしゃぎ:あ、あれ美味しかったわよねー


ゆきうしゃぎ:あそこはー…ええわ、ついてく…


ふゆこ:え、でも寒いよ


ゆきうしゃぎ:ええて。うしゃぎはあったかいし…


ふゆこ:じゃあ…(ゆきうしゃを抱き上げる)行こっか。


ゆきうしゃぎ:…はい…



†



1人と1匹が玄関を出るのを見送ったうしゃぎ達。



悪魔うしゃぎ:…なー俺思うんだけど


たまうしゃぎ:ご主人も同じ事で悩んでたのかもな


しろうしゃぎ:え?まさか?


おとうしゃぎ:でも悩みが消えた訳じゃないわよね


悪魔うしゃぎ:…今あったかきゃいーんじゃないか。


たまうしゃぎ:今を大切に思う程、続かせたくなるもんだろう。


おとうしゃぎ:欲張りよね、人もうしゃぎも…悪魔さんは?


悪魔うしゃぎ:…


ふゆうしゃぎ:(ガッシャーン)みーっっ


たまうしゃぎ:誰だあれを一匹で置いたのは


おとうしゃぎ:皆こっちに来ちゃうからー


しろうしゃぎ:て雑巾雑巾っ


悪魔うしゃぎ:…



†



街灯の下を歩くふゆこ。

その腕に抱かれているゆきうしゃぎ。



ゆきうしゃぎ:なあ、さっき…


ふゆこ:ん?


ゆきうしゃぎ:何か嫌な夢見たんか。


ふゆこ:あー………何か…ふゆ、が…


ゆきうしゃぎ:ふゆうしゃ?


ふゆこ:ふゆが…暗いとこで、泣いてたような…




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