当初計画の問題点(2009年2月8日時点)
(1)「千駄木5丁目」の地域特性(下記の通り)を考慮していない建物である。
この地域はくらしのみちゾーンに指定されている。
旧安田楠雄邸、高村光太郎邸、青踏社発祥の地がある。
千駄木幼稚園、千駄木小、文林中、駒込学園など教育機関がある。
路地の多い静かな(昼間40〜45dB程度)住宅地(第一種中高層住居専用地域)である。
古くから住んでいる人が多い。
ほとんどが4m以下の道路である。
大通りの幅員は11m(15mの都市計画道路)で近隣商業地域となっている。
通りの北面は高くても6階程度のビルであり、スカイラインが低くそろっている。
北側の第一種中高層住居専用地域は、ほとんど2〜3階の戸建てであり、高くても4〜5階の共同住宅が建っている。
(2)大規模
2つの敷地(NTTと旧コインパーク)を合わせて別々の場合以上の規模の建物にしている。
↑ 用途地域および前面道路幅の違う2つの敷地を合わせることにより容積率を増大させ、述べ床面積を増やしている。
4棟の全階を渡り廊下で連結して1棟としている。
→ ・受圧面積が大きいので、風害の恐れがあり、さらに通風がなくなる恐れがある。
・周辺住民に威圧感を与える。
(3)高い
南側の大通り面について、天空率(批判の多い緩和規定)を使って、南側道路斜線以上に高くしている。(22.5m→30.30m)
→ 団子坂の大通りのスカイラインを乱し、町並みを崩す。
北側通り側(第一種中高層住居専用地域)は、24.38mとなっている。
:文京区はこれから高度地区の絶対高さ制限を検討することになっている(例えば目黒区は17mに抑えている)。
(4)機械式駐車場
北側の住宅地に面する4m未満の道路(2項道路で拡幅後約3.4m)に機械式駐車場(84台)の出入口を設けている。
→ ・細街路(生活道路)の歩行者の安全性が損なわれる。
車騒音や機械騒音の頻度が増す。
緑地などの緩衝帯、防音壁、防護壁、排気ガス対策、ライト対策無し。
注)建築基準法に適合していても、民法の不法行為に当たる場合があります。 このままだと機械式駐車場はこれに当たります。
(5)日照
一番日光の必要となる冬期(約3ヶ月間)において、1階に一日中日光がささない住宅ができる。
注)建築基準法に適合していても、民法の不法行為に当たる場合があります。 このままだと日照はこれに当たります。
(6)プライバシー
北面に、バルコニー、ルーフバルコニー、外部廊下、外部階段を設置している為に、北側の住宅に対するプライバシーが確保できない(覗かれる)。
(7)緑化計画
東京都・文京区の基準を満たさず(接道緑化)。
(8)事業者の姿勢
事業者と周辺住民の直接対話をできるだけ避け、周辺住民対策業者を介している。
事業性最重視