2013年 7月26日 ライブレポ  27日 創土社さんのイベントレポは下に

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ライブ前


行きは高速バスで、イベントの間の休憩所として、グリーンプラザ新宿という、あのへんでは有名なカプセルホテルを選ぶ、バスは30分ほど早く着いたので宿で色々と充電中。

歌舞伎町だけに、ホモな方はいなかったように思う、というか見た目じゃわからないかw。

11時過ぎにライブ会場へ階段が蒸し風呂状態なので、上でお知り合いが数人待っていたが、30分前になったのでしかたなく潜る、あとでロフトのスタッフさんがうちわを配りに来てくれた。12時に開いたので会場入り

中では創土社さんが物販していたのでボールペンを買う。
MonsterZineは通販で買ったのでパス。

吸血鬼ドラキュラ特集 リストア版発売記念


というわけでロフトのスタッフの紹介にて菊地秀行御大が登場、続いて石田一さん、闘病生活のせいか杖を持って歩いておられるようです。

思えばこのお二人、ほぼ10年ほど前にも、大阪は尼崎でドラキュラの上映会の解説をやっていたから、根っからお好きなんですね。 その模様はこちら

では菊地先生からイベントの解説

「となりは皆さんご存知大阪から来てくれた石田一先生です」(菊)
「今日はヨーロッパの映画、イギリスで吸血鬼ドラキュラ、私と石田さんが生涯一本に選んでるという吸血鬼映画の大傑作ですが、この前リストア版という完全版ではないんですけど、日本にだけ入っていた未公開シーンを入れた版が出ましたので、その記念としてそれだけでやろうと」

「そのためだけに僕が呼ばれたんです」(石)
「私に不可能はないどんな謎でも私が解明してみせると豪語してらっしゃいますので」
「あくまで善意の解釈というやつですよ、愛情を持った解釈ということですよ。「

「とにかくやってやるということですので、あとで質疑応答タイムを設けますので、質問、もしくは言いがかりなんでも結構ですからどんどん石田先生に・・」
「かかってきなさいw」
「猪木じゃないですが誰の挑戦でも受けるそうですから。」

わかりにくいですが、青いのが菊地先生、緑が石田一さんと発言の色で区別してください。
できるだけ拾ってるつもりですが、映画の音響とあいまって聞き取れない部分はあきらめてますので(´ω`)、


今日の日程が発表されました

1 ドラキュラのリストア版  合間に、トリビア

2 リストア版とそれ以前の回の比較上映

3 質疑応答タイム

「何が楽しみかって、これが一番楽しみなので、皆さん考えておいてくださいよw。」

ここで石田さんが先日発行された本 MONSTERZINEの紹介
丁度、吸血鬼ドラキュラ特集で中にはこの映画の10個ほどのダウトを解決したコーナーもあります。

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「10箇所もおかしなところがあって、まだあるって、映画としてある意味致命的なんだけど、でも平気なんですね。この映画は物ともしないで見てしまうという、84分でしたっけ?」
「82分です」
「82分の中に映画の要素をバーンと詰め込んで息もつかせぬ活劇が快調なテンポで進んでいくという。これが吸血鬼ドラキュラのある意味すごいとこなんですけど。」
「まあ映画の馬力という意味ではこれにまさる映画はないですね 私が2歳の時55年前の映画ですからね。」
「僕がこれはじめて映画を一本まるまる全部見てゲッといったのはこの映画が初めてなんですよ。」
「だからいきなり下地がなくてどーっときてしまった。」

「石田さんは他のテレビでやってたユニバーサルのホラー映画とかみていて下地ができててそれでもどーっと来るのはすごいですね」
「その前にショックとかいうテレビでユニバーサルのフランケンとかドラキュラとか見てたんですけど、全部これ一本でぶっとんじゃいましたからね、こりゃすげー」
「わかります、わかります」
「なんといってもドラキュラが階段の上でバーンと登場する一枚の絵、あの絵の凄さったらないですよ、ほかに。あの絵の時にマジでブルっと二回くらいきましたもの」
「はははは」
「怖いんじゃないんですよね、男が男にぶるっと来るのは男の凄さです。」
「なるほどね」
「宮本武蔵に出会ったようなもんです
「あははそっちへ」
「そんな感じしました」
「それわかりますね〜」


「年齢的にはじめてみたのは中学1年生の時だったんです。それまでは怪獣少年だったんですよ、ゴジラであり、円谷であり。だから怪獣もドラキュラもフランケンシュタインも怪獣くくりだった。自分としてね。だからキャラクターとしての怪物だった。」
「うんうん」
「この映画を見てはじめて映画というものに目覚めた。誰がやって誰が撮ったんだという方向に目が行くようになった」
「なるほど」
「だから怪物キャラから演じる役者に目が行くようになった。衝撃ですよ、おおきな変換です。」
「まあ早い話が人一人の人生変えちゃったわけです、この映画は」
「ふんふん」
「ふたりとも変えられちゃったw」

「まあそういうことだね」
「この現象を見ただけでいかに名作かわかるでしょ」

「ははははは」


「私それまで日本で一番吸血鬼ドラキュラに詳しいマニアだと思ってたんですけど、石田先生にあってから、まあいいやとw。俺別の方向に行くよとw」
「いやいや」
「石田さんこれはじめてみたのは」
「中学1年生です」
「テレビ?」
「テレビですね」
「ということは13?」
「13ですね」
「うちの親って変わり者でね。小学生くらいから洋画番組だけは見せてくれたんですよ。夜遅くまで起きてても怒られなかった。」
「へえそうですか」
「ショックとか遅い時間帯にやってたのを見てたんですよ」
「ショックってあれ9時台でしたっけ」
「9時四十何分とか」
「そんなに遅い時間でしたか」

「ちなみにショックってご存知のかたいますか?」

会場数人くらい

「見た方います?現実に」

一人くらい、私も世代ではあるけど遅い時間はテレビ見せてくれなかった

「お一人くらいですか」
「我々の世代でしょうね」
「ショックというのはその当時NETでユニバーサルのホラー映画を1時間わく、だから52分だからしょうみ40分」
「45分くらいでしょうね」
「45分くらいにまとめて日本の吹き替えつけて放送したものがありまして、それでフランケンシュタインだのフランケンシュタイン復活だのドラキュラ、その他ユニバーサルのもうちょっと低予算の電気人間とかそれからあのなんだ」
「ミイラとか」
「そうそうそうミイラとかやってたんですけどそれが楽しみで楽しみで」
「ちょうどその頃、家と店が別で、手伝わなくって勉強だけしてろと言われてたんで、勉強しないでそんなものばかり見てた記憶がありますけども
黒猫なんかもやってましたね」

「やってましたね」
「わけわかんない映画でしたね」
「いまだにわかんないですw」


「テレビ放送で石田さんはドラキュラをご覧になったんですけど、いま言っちゃっていいのかな、この放送では顔面崩壊シーンは入ってないんです。これはアメリカから買ったものだからですね」
「そうです」
「日本の極東版、顔面崩壊の入ってる映画はかからなくて、アメリカから買った映画なので顔面崩壊シーンはないんです。たしかに僕がこれをはじめてみた時は見て確かめました。
ところが井上雅彦というやつがいて、あいつは電話すると僕は見たと言いはるんですよ。」
「嘘をつけっていうんだけど、いえ見ましたと。堂々巡りになるのでどっちが正しいか自分でもわかんなくなってしまうので、石田さんに聞いたら絶対そんなことはない、ないですよね。」

「無い(苦笑気味に)」
「私もそれ見てますからね、で理屈から言ってもあるわけがないんですよね。」
「あのー、順番を追って説明すると日本で公開されたフイルムは日本の劇場公開用に配給されたフィルムであって、それは日本の劇場公開が終わったあとジャンクされて焼却処分されるわけですね。」
「唯一残った一本が配給会社その当時東宝ですね。国立映像ライブラリーに寄贈された。この一本が残ってただけであとは処分されてないわけです。」
「でそのあと、テレビで放送されたり、ソフトになる奴はアメリカの配給会社から、その当時ユニバーサルが持っているネガからもってくるので入っているわけがないと」

「そうそう」
「で、日本の極東板のマスターのネガは本家のハマーにも残ってないということなので、ですから日本公開版は復元されないまま、ずーっと55年間そのままだったわけです。
「それを井上雅彦は見たと言い張ってる。で、しばらくたったら私がそのことを日記に書いたらある評論家が読みまして、実は私も見たと。二人になったか、こりゃはやいとこ潰しとかなきゃいけないぞとw」


「実は面白い話がありまして。Amazonのカスタマーレビューってあるじゃないですか。」
「はいはい」
「あれで吸血鬼ドラキュラのDVDだったと思うんですけど」
「どっち?古い方ですか?」
「あれで残念ながら顔面崩壊シーンが入ってないと。」
「で私は日本で放送されたのを見たことがあるとかいてある。」
「面白いことに、たぶん私が見たのはI氏が持っている16ミリフィルムをを放送したのだろう、と書いてある。」

「いやここにいるじゃないw」
「I氏は俺に決まってる。たしかに私16ミリの完全版もってますよ、それにも入ってない入ってないw。入ってるわけがないんだから」
「まあそうですよね」
「要するにこういう勝手な伝説が広まるんですよ」
「そのカスタマーレビュー書いた人は何を見たんだお前って・・」

「それかいたの井上ですよw」
「しかも俺のせいにしてやんのw」
「ますます井上雅彦です 聞いてないからいいやw」

「というわけで、そういう伝説がはびこるくらい有名な映画ですね。ほかにフランケンシュタインの逆襲とかドラキュラの花嫁とかミイラの幽霊とか傑作ありますけど、それがこういうトリビアが話題になることはないですから。他の映画は一切ありません。吸血鬼ドラキュラだけです。いかにこの映画がすごかったということをこれでわかると思いますよ」

さてここから映画の上映



美しいタイトル文字ですよね

しばらく小声で打ち合わせするお二人

さてドラキュラ城に招かれたジョナサンハーカー、階段の上からのドラキュラの登場シーン

「出ました」
「突然喋りだすw」
「ちゃんとドラキュラの足音がないところに注目して聞いてください」
「二人で歩いてるシーンはあるんですけど、足音が聞こえるのはジョナサンハーカーだけです。」

「この時点で質問したいことが幾つか〜、この蝋燭誰がつけてるんですか、あの吸血鬼女が回ってるんですかね、あんなにいっぱい。」
「まあ、またあとで」
「原作でもドラキュラ城には女吸血鬼とドラキュラしかいない、ドラキュラがハーカーのベッドメイキングをドラキュラがしてる描写がありましたけど、あれ、
城の掃除から蝋燭までドラキュラがやってるんですよね」

「そうですよね、可〜哀想ですねw」
「大伯爵ともあろうものが」
「三人の女吸血鬼なんのためにおったんですか」
「ほんとなまけものですよね。あの女ども」
「腹減ったいうだけでw」

「餌取ってくるのもドラキュラで人さらいまでやってて」
「前に電話で話したじゃないですか、ドラキュラって血を吸って若返るじゃないですか、最初ジョナサンハーカーが訪ねて行った時は白髪のおじいちゃんでしょ。」
「長いこと血をすってなかったってことですね」

「そうですね」
「そのわりには女の子にはさらってきて血を与えてる。本人絶食してるんですよ」
「自分は食べないで女の子を養ってるんですよ。」
「可哀想な吸血鬼ですね」

「じゃ、イギリスに行きたくなる気分もわかりますよね。はやく縁切りしたかったんでしょう、あの三人と」



「やっぱり(リーは)若いですよね、こんときいくつ?」
「36」

「声が聞き取りにくくてすいません、薬で喉やられちゃってねぼろぼろなんですよ、ほとんど歩く死骸と化してますw」
「本当は酒もとめられてるんですよ」

「平気でタバコ吸ってますしね。」
「こんな医者泣かせの患者はないw」

「この映画は制作費が約8万ポンドだからだいたい1億円弱くらいですかね



「今の城の前のところはスタジオですよね」
「あれはブレイスタジオというハマーのスタジオの正面入口に入る通路の右側のところに作ったものです」
「すごいな〜(苦笑)」
「ガラスペイントといって、ガラスに絵を書いたものを置いて撮影したもので、上半分は絵です。」
「あ〜上ないんですか、あれは絵」
「はい」
「そうなんですか」
「よくあのスチール写真でクリストファー・リーが鷲の像の横に立ってる写真あるじゃないですか。あれこう後ろの壁、途中で切れてるじゃないですか」

持参のスチール写真を見せてもらって納得する御大

「このあたり東欧ってかんじだしてますよね」
「ハマーの映画って小道具がちゃんとしてるところですよね、時代考証すればあやしいところもあるんですけどそれなりに見えてしまう。」

女吸血鬼に杭を打つと老婆に


「はじめて見た時は驚いた」
「まさかばーさんになるとは思わなかったねw」
「これははじめて見たらショックですよね」


ドラキュラが寝床から消えてまた戻ってくるシーン

「理屈としてはおかしいんだけど、でも映画のあれですとやっぱりすごいですよね。人間って何が一番怖いかというといないってことが」

ピーター・カッシング登場

「ピーター・カッシングの演技の細かいこと、」

「冒頭の日記の部分から言うと5月のはずなんですよね、ところがみんな冬の格好して出てくる。」
菊地先生なんか待ちきれないのかすでに自分で質問はじめてます。


「そうなんですw」
「さっきあの、few days agoって数日前にって、数日で手紙が届くところにヘルシングがいる。だからそんなに遠くじゃないですよね。どっからきたのかわかんないですけど。
「そそそ、この距離感の無さがね」
「なぜ一緒に来ないんだって」
いやそれ私が質問するところだからw 回答してくださいよw」

「時間の流れから言うと、ハーカーが城に行った、その夜女吸血鬼にくいつかれそうになった、ドラキュラが現れた、格闘した、気がついたら翌日の夕方になった。2日ですよね。
その日の夜にドラキュラに杭を刺しそこねて、やられちゃった。」
「それから数日、二三日でしょうね。ここにヘルシングが来た。ということは初日から五日目くらいですよね。」

「そうですね」
「で5日目にドラキュラが出て行った。ここからアーサーの家に行くまで検問所を通るんですがそこまで馬車で半日ですから五日目には通ってるわけですね。」
「ということは五日目が12月1日ですw」

「ハーカーの日記の冒頭が5月1日なんですよね。」
「その謎を石田さんが解明するはずですから、史上初の快挙ですから」

「あのー、これ読んでください。」(MONSTERZINEを持ち上げて見せて
「そっちで売ってますから」
「売れ行きが鈍ることを恐れず後でしゃべっちゃいますけど、大盤振る舞い。」

「こう見てるとこの城ってけっこう狭いんじゃないかと、部屋三つくらいしかないんじゃないかと」 
「広く見せるのに苦労してるんですよ、四苦八苦、同じ階段使い回しやってね。とにかく最初に城に入ってくる部屋と次の部屋と同じ部屋ですからね」
 
「あの婆さん役やってる俳優、名前わかんないんですよ」
「あれわかんないんですかやっぱりだれにもわかんないんだ、どこにも書いてないんですって」
「そう、色々調べてるんですけど、名前が出てこないんですよ」
「たまたま通りかかったおばあさんだとかw」
「むこうのキャスト表なんかにも載ってないんですか」
「一番詳しいやつにも載ってないです、たぶんまたそのうち出てくると思いますけどね。」
「へぇ誰だったんですかね」
「誰だろうと思ってね、せめて名前くらいは」
「あの歳だともうお亡くなりになってますよね
「ほんとに死んでたりしてねw あれ作りものだったら怖いねぇ。」

「この映画はすごいところはあれですよね、リーとカッシングだけじゃなく、マイケル・ガフまでスターにしちゃった
「このあと賞とってますもんね」
「また憎たらしい役が似合うんだな、黒死館の恐怖とかコンガとかね」
「あのーバットマンの執事の役ですね。アルフレッドやってましたよね」
「その前のヘルハウスで死体で出てきたw」。
「あの前後にマイケル・ガフが死んだという誤報が流れてね」
「そうそうそう、最後の主演作だって嘘をつけって」
(ちなみに本当の遺作はアリス・イン・ワンダーランドのドードー鳥の声らしい)


「7年前にハマーのスタジオに俳優たちが集まって同窓会的なものをやってるビデオをYouTubeに流れてたんで、それを録画したやつを7分くらい見せますよ。」
「それにキャロル・マーシュでてくるんですよ」
「この女優」
「最初はね誰かわかりませんでしたね
「キャロル・マーシュって字は出てくるんですけど誰だっけって」



「ドラキュラ見た方に質問ですが、この部屋どこだと思います?」
「菊地さんは最初ヘルシングの私邸だと」
「あの自分のうちだと思ってたんですよでも石田さんは違うというんですね、これはホテルであると」
「俺も召使だと思ったんだけどチップやったりしているし」
「ただホテルの執事じゃないような気がする」

「配役表に執事じゃなくてポーターと書いてあったので」
「実は別荘とか」会場からの声はDUNEさんか

「別荘でポーターではないな」
「それに自分の家じゃこんなにきっちりしたスーツの格好しないでしょ」

「ヘルシングはこの街に滞在している。滞在している理由としてはドラキュラ探し、写真がなかったことからハーカーの婚約者を狙ってきてるんだろうと思ってこの地を離れられないから、ホテルに滞在してるんじゃないかと」

「これ見てるとロンドンじゃないかと思わないわけじゃないけど、だからおそらくホルムウッドの家もロンドン市街にあるんじゃないと。」
「何かの本の解説か何かで制作費の都合でドラキュラの城はイギリス国内にあることになっていたが実はトランシルバニアにあって書いてあって。」

召使の子供の少女登場(あとで吸血鬼ルーシーに誘い出される)
「この子可愛いですね」

「この子可愛かったですもんね。」

「ヘルシングの持ってるカバンが欲しくて、かぱっと口の開くのが欲しかったんですよ。でもまあ小学生でしたから。」
「かっこいいですよ」
「杭入れて十字架入れてハンマー入れたらかっこいいだろうなって」

「吸血鬼退治、七つ道具みたいにね。」


「目つきがね、マーシュの目つきがなんともいえないんですよ、こいつ知ってるなみたいな感じで。」
「探るようなね」
「そうそうそう」

なんのかんのいってもテレンス・フィッシャーって監督うまいですね」
「これ作ったのがいい時期、みんないい時期でしたよね」
「奇をてらった演出をしてない場面でもうまいですね。アップの使い方もうまいしね。」
「なんかもう映画のお手本を見てるようなね」

「はっはっは。」
「なんか映画はこう撮るんですよといってるような」


「ガーリックフラワーってニンニクの硬いのはよく出てくるんですけど花はこの映画くらいしか出てこないですね。花瓶にさした花とかね」

「原作でも花っていってますもんね」
「これではじめてみまして、これが最後になりますね」

「映画だと召使が花どけてますけど、原作じゃ無茶やってますね、動物園から狼を脱出させて窓を破らせるんですよ。
でもあれ二階なんですよ、狼が二階の窓ってどうやってはいってくんだ?」

ばーっと飛ぶんでしょw」

ルーシー二回目襲われる
「これも見せないところがいいですね」
「あ、死んじゃった、」
「昔の映画見るとカッシングのハムレットとかでかい役はいいんですが、ほんのきにもとめないような戦争映画にクリストファー・リー出てたりしたんですよね。」

「目立つ役で出てくれりゃでかいから目立つんですけど、将軍月光に消ゆとか、でっかいのが入ってきたで〜w。とかリーだと」


「この子は誰かに連れだされたと言ってるんですよね、で、うろついてるところを警官に連れて来られた」
「で誰に連れて来られたかというと、ルーシーおばさん
「で納骨堂を調べに行く」
「この墓地のセットもドラキュラの城ですよね」
「これ居間と同じセットです。」


「性懲りもなくまた呼び出されて一晩で二回目w」
「あのベラ・ルゴシのやった魔人ドラキュラだとルーシーが血を吸ってから森の中を歩いてくるシーンはあるんだけど、そのあとルーシーが消えちゃうんですよね。こっちはちゃんと綺麗に作ってますけど」

 墓場に現れたルーシーを十字架で撃退するヘルシング


「なにもあそこまでやんないでもいいんじゃないかと」
「この十字架を突きつけるシーンがポスターにあったんですよ、私はじめてみた時女性をいじめてるんじゃないかと。あの悪相でしょ、だからなにやってるのかよくわかんなくなってw。」

 
「小学校の5年生くらいですか?」
「5年生くらいでしたね、十字架も吸血鬼もなんの知識もないから」
「何も知らんのに白紙の状態で見たらほんとわかんないですね。」
「ヘルシングはルーシーを利用してドラキュラをおびきだしたいと言ってるんですが、とてもじゃないがそんなことはできない楽にさせてくれと言ってるんですね」
「そうそう」

「もっと残酷なことするわけになるんですよ」
「がんがんがん!」
「他に方法ないんかいってw」
「この映画の釘(杭)とハンマーのサイズってちょうどいいですよ。あとの映画だと釘がおおきくなって」
「ちょうどいいですよね、まさに黄金比といってもいい。」
「ちゃんと心臓の位置に置いてる。ピーター・カッシング偉いですよ。ジェス・フランコの吸血鬼なんてそりゃ肝臓だろというとこに」

(ジェス・フランコ、スペイン出身の映画監督、脚本家、プロデューサー、B級作品が得意)



「うわー」
「この兄貴のリアクションがすごいですね。あれをさせるかというかんじ」

「まあああなりますわ、さりげなくハンカチで血を拭うところがいいですね」

「皆さんボニーとクライド、明日に向かって撃てって見ました?」 
「ウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイのやつ、あの中で銀行強盗をして、金を奪って逃げる時に銀行員が追っかけてきて撃ってしまう。顔に弾丸があたって血が出るのがアメリカ映画最初のスプラッターシーンらしいですが、これに比べると全然たいしたことない、男の顔に弾丸撃ちこむくらいがなんだよ、こっちは女性の心臓に杭打ち込んでんだからw」

(聞いた時あれっと思ったんですが、俺たちに明日はない、ですよね。)

「ピーター・カッシング、タバコの吸い方が様になってるんだよな。ほんとウマそうに見えるからついつい吸いたくなるw。」

 

「ピーター・カッシング一日に80本吸うらしいです。」
「80本、うわぁ〜 ヘビースモーカーもいいとこ」
「チェーンスモーカーですね」

検問所で馬車が通ったという日付を確認する二人

「いまねぇ」
「12月1日って」
「日記は5月1日だって」
「城を出てからここ通るまで7ヶ月以上なにしとったんやら」

葬儀社にて
「物の本によるとここはドイツの何とかだって書いてあるけど、今の看板は英語だろうって」
「ドラキュラ城を出てからずーっとドラキュラは葬儀社にいたことになるわけですね、棺桶そこにありますから。その間一回も開けんかったんかいとw」
「まあそうでしょうね」
「日にちの経過から考えると、ドラキュラが城を出てから、ルーシーが犠牲になってヘルシングがやってくるのが10日後でしょ、で何日か後に死んで、死んでから三日目に吸血鬼になって復活してくる。最低13〜4日はたってるわけですね。その間ずーっとドラキュラの棺は葬儀社にあったと考えられるわけですね」
「そうですね」
「のんびりしてますよねw」

ヘルシングが護身のために、アーサーに十字架を渡したシーンで

「アーサー倒れろw」
「アーサーお前もか」
「でもこのホームズとワトソンのような関係いいですよね。こりゃつぎにホームズやらせたくなるのもわかるような気しますよね。」

「マイケル・ガフはワトソン得意ですよね。このコンビでやればよかったのに。」



襲うと思わせておいて梟がギャーッと鳴いて客を驚かす、いわゆるフェイクのシーンより

「こういう演出はいままでの映画ではなかったですよ。」
「ほんとこれは知らぬは亭主ばかりなりで」
「あのー、人妻がその男に転ぶというのはこの頃のあれにひっかかるんでしょう」
「ないですよね。」



「原作でも輸血のシーン出てくるんですけど輸血したとしか書いてない。こまかいこと何も書いてないので今はじめて見ましたよ。」
「ピーター・カッシングの道具の使い方がうまいんで、またね、日頃からこういう道具使ってるみたいで。じっくり見せたくなる気がわかりますよね。」
「今の吸血鬼映画だともうとっくに吸血鬼になっちゃってるから、ほんと丁寧にやってますよね。」

「原作では噛まれたミナがドラキュラとテレバシーみたいに感応するというのがあって、それでドラキュラの動向をさぐるというのがあって」
「そうそうそう」
「そういうのがあると面白いですね」

「あとでそのカッシングが走りだすところがありますけど、動きがすげえきびきびしてますよね、この人。本当にきりっ、きりっですもん」
「あの〜制動距離がないというかね、ほいっと動いてピタッと止まる。アニメみたいですね。」

「慣性を無視してんだね」
「この時カッシングが45か、」
「若いですよね」
「日が昇る前に城に戻らないといけないので、御者を殺して馬車を奪ったんだろうって」
「ヘルシングの乗る馬は田舎のシーンから全部白馬ですね。」
「そうですね。やっぱりはっきりわからないといけないから」



「正義の味方は白、はいよーシルバーですよ」
「今度ローン・レンジャーくるんですよね」
「パンパラパンパラパンパンパン♪」(ローン・レンジャーの主題歌の節で)

最後のシーン近くなるとお二人とも喋らなくなりますw






「ついつい見とれてしまいましたね。」
「息すんのも忘れてるw。」



さてここで最初の映画上映終了、休憩に入ります
10分ほど休憩して 第二部の開始です。第1部長くなりすぎたので、相当端折りますm(_ _)m

第二部の説明ですが、今まで放映されていたものとリストア版と続けてみて対比させるというもの。

ビデオテープを持ってこられているところから、ご自分で編集されたんでしょうね。お疲れ様でした。

でその次が焼け残ったフィルムをそのまんま流すことに

まずはミナが二度目に襲われるシーンの対比
なんというか、噛み付こうとして押し倒した後に、梟がギャーッと鳴く前に、ミナを少し愛撫しているような場面が追加されている。

で、次は最後の対決のシーン 顔面崩壊シーンが有名ですが、実際は5つほど違うカットがあるそうです。

ただ、このあたりやフィルムが復刻された長い経緯などはMONSTERZINEに全部詳しく書いてあるので、私がレポで二度書きするのも無駄な気がするので、本当に興味のある人はMONSTERZINE をお買いになったほうが早くていいんじゃないかと(^^ゞ

画像を載せるのは簡単なんですけど、数カ月前に出たソフトのキモの部分を載せるのも釈然としないし、ただもうアップしてる人もいるしで、リンク先のみ置いておきますから、ご自分の責任で見てくださいね。YouTubeのリンク先 japanese reelsというのが雨降り動画



石田さんがしているドラキュラのリングの説明やら、ハマーのブレイスタジオの見取り図の紹介もありました。

質疑応答


質疑応答の時間

Q. 最初に出てきたドラキュラの棺にかかった血は誰の血でしょうか

「盲点といや、盲点ですね。あれはつまりイメージ映像ということで」
「こりゃすごい質問が出たね」
「石棺の蓋がどっかに転がってないか目を皿のようにしてみたんですけど、これに関してはイメージ映像としかいえないです。時間いただければ考えときますw」

Q.棺屋さんに行く時に白い棺に入ってるんですが棺に十字架が付いていたような気がする


「あれは十字架なのか、単なる十字型なのかという問題ですね。私何回も言いますけど吸血鬼ドラキュラがエポックメイキングだというのは、最後ヴァン・ヘルシングが燭台を十字型に組み合わせてドラキュラを追い詰めると、あれはこの映画での発明品であって、それまでの映画ではなかったということですね。吸血鬼が恐れるのは十字架であって十字型ではないということですね。」

「十字型を怖がってたら道歩けませんよね。だから最後のあれは間違いといえば間違い何でしょうけど、誰が考えたかというとピーター・カッシングが現場で考えた。」

「そのまえのホルムウッド家のワインセラーに棺桶があるとき十字架を置いていきますよね。で、元の脚本ではドラキュラ城で追い詰める時にまた懐から十字架を取り出すことになってた。」

「それを脚本読んだピーター・カッシングが十字架のセールスマンじゃあるまいし、そんなにいくつも持ってるのはおかしいだろうということで現場で方法を考えついた。」

「すごくアイデアマンといえばアイデアマンなんですけどおかしい方向ではあるんですよね。」
「ただピーター・カッシングの迫真の演技をみると、クリストファー・リーの迫真の演技を見ると映画の??で、おしたおされてしまうんですね。いかにも効果あるように見えると、誰が見ても十字架に見えますもんね。
「菊地さんがあれに影響されて割り箸で十字架つくったり、枕元置いてね」

「ああ、怖くってねぇ、あの映画見てからドラキュラがきそうな気がして、うち食堂で割り箸がいっぱいあったんで、割り箸で十字架作って寝てたんですよ。」
「この映画以降ありあわせのもので十字架の形を作って吸血鬼を撃退できるという定番の方法になってしまったと、それくらい大きな影響を与えた映画でもあるわけです。」

「結論として棺桶に書いてあったのは十字型ということで。以上」拍手

「ちなみに十字架と十字型がどう違うかというとクロスとクロスフィックスといってクロスにキリストの像が付くと十字架になるんですね。」

Q.吸血鬼ドラキュラのノヴェライズをやろうとして、その時一番疑問に思ったのが、ジョナサンハーカーが来ますよね、司書として、あれどうやって雇われたかどうかわかんない。公的に司書としてやとわれた以上は、給料とか、面接があって、雇われるはずですけど、あれで見るとハーカーは最初から狙ってますよね。その辺の事情が(ノヴェライズ企画はその後ぽしゃったらしいです。)

「シャーロック・ホームズでよく使うのは新聞に求人広告してますよね。その手を使ったんだろうと思えると。ドラキュラの地元の居酒屋でピーター・カッシングがけんもほろろの扱いをうけたところをみると、近所では餌の調達がしにくい。」
「ということはドラキュラを知らない遠隔地から呼び寄せるしかなかったと。」

なんか菊地先生苦笑してます
「新聞広告かなにかで呼び寄せたんじゃないかと」

「ドラキュラがこうやって、給料いくら一日何時間労働で、長期労働、住込み可ってw。」

Q. ドラキュラは美女を食いまくってますが、実際は単なる食事としか思ってないんでしょうか。

「吸血鬼もの扱った映画や小説ありますよね、若いホラー作家目指してる書き手なんかに吸血鬼について教えて欲しいといわれるんですよ。で、本当の吸血鬼ってどんなもんですか、と聞かれるんですよ。」
「吸血鬼って本当にいませんからね。ブラム・ストーカーのドラキュラを原点として言うならばとかアン・ライスの書いたものを原点として言うならばとそれなら説明できるんですけど、」



何がツボに入ったのか妙にうけているキクチ先生

「何が吸血鬼かわからないから創意工夫を持って書けるわけで、自分なりの吸血鬼像を作れるわけですね」

「ブラム・ストーカーの吸血鬼に限って言えば人間を人間扱いしてないですよね、女性を女性扱いもしてない。愛だと恋とかもいわない、餌としか思ってないといっていいんじゃないですかね」


Q.ハーカーが窓から脱出したあと杭とハンマーを持ってますよね。これは最初から持って行ってたんでしょうおか

「あ、そうですよ、彼はもともとそれが目的で行ってるわけですから、だからヴァン・ヘルシングと結託して吸血鬼退治に来てるんです。」

Q.ハーカーの噛まれたあとが水平に見えたんですけど

スチールを見ると縦になってるのでカメラワークのせいだそうです。しかしたしかに水平に見えないこともない。


Q.首の左しか噛んでないのはなぜなんでしょう

「あれクリストファー・リーのくせですよ。」
「あれ一作品だけ右から噛んでるやつあるんですよ、その時は指輪を逆にしてるんです。」

「なんか関連性あるんですか」
「たぶん指輪してると持ち心地が悪いんちゃいますかね。」

Q.「私が質問しますけど、ドラキュラがミナの血を吸ってからワインセラーの棺にヘルシングが駆け込んでドラキュラ来ますよね。それまでどこにいたんだと」

「その後のシーンを見るとヘルシングが閉じ込められますよね、そのあと上に上がってお手伝いさんのほっぺたパーンとやったら奥さんがさらわれたんだと。あのドラキュラがさらったというのは2〜3分ですよね。御者の死体みたときに30分前に死んでるといったじゃないですか。ドラキュラはその前に馬車を調達に行ってて、そこにヘルシングが帰ってきたと」

Q.ジョナサンが地下にドラキュラを倒しに行って、女吸血鬼を倒したあとドラキュラが上の部屋から来ますよね、どこから

「トイレに行ってたとかw、例えば待ってたとしましょう」
「寝てると攻撃する機会を与えるし、上から来たのは百戦錬磨のドラキュラの戦術なんでしょう」

Q.御者はどういうふうに殺されたのか、死後30分はどうやってみたのか

「ヴァン・ヘルシングは医者ですから体温を触っただけで大体の時間はわかるわけです、首を触って頸動脈を見てましたから食いちぎったと考えられますよね。」
そのわりに血が出てなかったような気が
「それはあの時代の映画のレーティングから考えて今ほど血がどばどば出せない。」
「原作でもドラキュラが途中よった所で一人殺されてるんですよ、それがたしか喉かなんかを食いちぎられたか何かだと思いました。」

Q.ルーシーはなんで納骨堂に逃げたのか
「あれはもう日が昇るから外に逃げるところがなかった。」
「あれも原作通りです、原作じゃ霧のようになって扉の隙間から出入りしてるんです」

Q.女吸血鬼が滅ぼされたら老婆になってルーシーは綺麗になったのはなぜ

「最近の吸血鬼映画を見てると、吸血鬼は杭を打たれるとバーーンと灰になって消えちゃうという印象を持たれてると思うんですが、もともと吸血鬼になった時から時が止まると。一旦死んで蘇ってくるという考え方なんです。滅ぶと元の状態に戻るので、吸血鬼になってからの年数に応じた死体もしくは骨や灰にもどるということです。ルーシーは死後三日目だったので三日目の死体に戻っただけ」

Q.
女性の吸血鬼がドラキュラの親族や眷属なんなのかその辺りが気になる

「ドラキュラの元々のファミリーじゃないでしょうね、あの扱いみたらたいして大事にもされてませんから、単なる犠牲者の一人じゃないかと、ぶん投げられてましたもんねw。」

Q.ヘルシング教授はプロフェッサーだと思ってたんですが、この映画じゃドクターヘルシングなので教授というのはいつからなんでしょう

「あれはドラキュラ72からです。吸血鬼ドラキュラとドラキュラの花嫁はドクターです。ヘルシングはしばらく出て来なかったんですけど、5作目のドラキュラ72でまたピーター・カッシング出てくるんです。その時にプロフェッサー・ヴァン・ヘルシングだから教授なんです。この時からヘルシング博士」
「いや原作は教授なんです、原作がそうだから広まっちゃっただと思うんですけど、今の映画はドクターなんですね。」

Q.
原作のミナとルーシーの設定が原作と違う(原作ではミナがハーカーの婚約者でルーシーはホルムウッドの恋人)

「ジミー・サングスター(脚本家)が原作の設定を縮めるのに、まず原作の距離設定を縮めるのと、キャラクターを減らすのに一番苦労したそうなんです。ハマーの予算に合わせて。キャクター設定を減らしていく、縮めていく中で変更をしたらしい。ただなぜそうしたかは言ってなかったので、理由はわからない。ただの好みじゃないかと思いますね。」
「設定はどうしても一番わかり易い設定に変えなきゃいけないでしょうからね、そのせいだと思いますよ」

Q.原作だとドラキュラ城に行くときは銃やらナイフやら持って武装していますが、この映画だとほとんど素手にちかいのは何故でしょう

「主人公じゃなくてジミー・サングスターでしょう。ハマーの予算と撮影期間と映画の時間を考えるとクライマックス部分の盛り上げ方ですが、ガチガチに武装した連中がドラキュラ一人を追い掛け回しても面白く無いでしょ。例えば十字架がビュンビュン飛び出す銃を持って行ったり、聖水が詰まった水鉄砲を持って行くとかしたら。 映画的興奮を考えた結果だと思いますよ。」

「原作って意外と間延びして面白く無いんですよね。私はドラキュラ好きで小説もよみますけど、ドラキュラファンからすると原作読まなくてもいいと思いますもんね。」

「はっはっは」
「この映画みときゃいいといいたくなるくらい原作はかったるいですよね。文学としては優れてるかもしれないですけど・」
「作家の立場から言わせてもらえれば、カッシングは十字架のセールスマンじゃないといいましたけど、やっぱりドラキュラを退治しに行くときはいくつか持っていきますよ。念には念を入れて、リアルといえばこっちがリアルだと思うんですよ。映画的には防ぐものがない、じゃ太陽の光でというほうが」
「あの行き当たりばったりさがいいんですよ。」「それを行き当たりばったりと見るか、機転が利くと見るかの違いですね。」
「これが愛情ですね、善意の解釈ですw。」



Q.ハーカーの日記(村のマリア像の横に隠しに行った)は誰が取ってきたんでしょう。

「映画の中では娘さん、置いたところが皆さんが使ってたポストってことはないですよね。」
「居酒屋の親父も余計なこというなと怒ってたから、あの女の子は新人っぽいですよね。だからそのへん知らずにウロウロしてたんとちゃいますかね。」
(ちょっと苦しい)
「お堂の中にマリア像がありましたね。あれがドラキュラを出さないためのマリア像なのか、そこらによくある手を合わせるお地蔵さん的なものかと考えて。ま〜やっぱりドラキュラよけ?」

「ドラキュラの手紙が字が上手すぎる、こんなのフリーハンドで書けるかいって字を書いてましたね。」
便箋もオリジナルの便箋ですよねまめですね。(会場)
「まあ500年も生きたら字もうまくなる。」
「日記隠しに行く時によくあの木のウロを知ってたなと、行く時に見たんですかね。」

Q.「さて肝心な質問を抜けてると思うんですけど、ハーカーの日記は5月3日から始まってますよね、ヘルシングはドラキュラの馬車が通ったのは12月1日だといってます7ヶ月、間が開いている。はい」と話を振る

「はっはっは」
「5月3日ハーカーの日記、私の長い旅も終わりに近づいてきていると始まるわけですね。で、さっきいったような、着いた途端にドラキュラに襲われて女吸血鬼に襲われてたかだか数日の話で5日目にドラキュラが出て行って、5日目に関所を通っていないといけないのに、その日が12月1日だったということですよね」
「これですねジョナサンハーカーの日記の5月3日がドラキュラ城についた日とはどこにも書いてないわけですね。」

「はっはっは」御大おお受け
「ジョナサンハーカー5月3日というのはジョナサンハーカーが日記を書き始めた。それから紆余曲折あってドラキュラの採用試験に合格して城の場所をさがしあぐねて色々あって、やっとこさついたのが11月の後半なんでしょう」
「でドラキュラ城についたらいろいろあって3日で死んでしまったと。」

「あのロングジャーニー(日記の長い旅)ってなんだったんですか?」
「ロングジャーニーというのはあくまでハーカーの心象でしょうね。色々苦労してここまでやってきたんだと。
「だって馬で一晩だよ。」
「だってアーサーの家から行ったわけじゃないですからね。」
「あああそういうこと」
「かれがドラキュラ城に向かったところはもっと遠かったと」
「なるほどなるほど」

「まず最初に城を訪れた時に、ドラキュラ城は午後の光を浴びて平和に見えた、山から冷たい水が流れる川を渡ると冷気が身を包んだ。どこにも5月とは書いてない。」
「たしかにそういやそうですね。」
「着てる服装は完全に冬服ですからね。あれはもう絶対11月です。」
「しかもドラキュラにやっとあえたという日記もその次の日の日記も日付を書いてないんです。」
「日記に日付を書く癖がないんですね。」

「すごい、すばらしい」拍手

Q.ドラキュラの納骨堂に明かり取りの窓があるのは何故

「直射日光が当たらない位置に計算してある」
「直射日光じゃなければ大丈夫なんなんですね。
「でないと月明かりもだめになっちゃいますからね。」
「あれ太陽の反射ですからね。」

Q.杭を打つ時にハンマーを横にして打ってるのは何故



この方が面積が広いから手を打つ心配がないそうです。
 
さて時間が押してきたので質問は一度終了

これから会場の人に本をプレゼント
じゃんけん大会で

魔界都市ブルースの恋獄の章
魔界医師メフィスト2
吸血鬼ハンター D7 北海魔行 上
ダンウィッチの末裔

ケビンさんの翻訳本 
D-妖兵街道(Mercenary Road)
D-邪神砦(Fotress of Eder God

 
じゃんけん大会でくばります。なぜか関係者にいったりして。
私が頂いたのは海外版のDのコミック7 (^^)




Q.映画の近況
アムネジアは駄目であとの2本は続行中だけどやる意欲はあるらしい。関係者がこっちに来るといってるのでその時に聞いてみる。とのこと。

Q.糖尿の数値は大丈夫ですか
「それ誤解です、私は糖尿ではありません」
「糖尿の話はこっちにこたえるからw。」
「糖尿じゃなくて中性脂肪です、この前薬飲んだらコレステロールが100下がったんですよ。」 

「平常値に下がったんですが、副作用か目眩はするわ歩くと曲がるわ、毎日ぼーっとしてたけど最近元に戻った。」
「ですから糖尿ではないのですが、甘いものは相変わらずだめで、(プレゼントは)おせんべいとか佃煮にしてください。」

Q.
邪神艦隊について
「架空戦記ものはあまりやる気がなくて、僕の世代で戦争をあまり正面から扱う気がなかった。」
「クトゥルーを一発やってみたいなと思った時に派手な見せ場をやりたいな、連合艦隊を出して」

「相手が敵国じゃなくてクトゥルーならいいかなと いま100枚超えましたけどなかなか凄い、こんなこと考えつくのは俺くらいだろうというのが入ってますね。
「ただ史実をもとにしてるとなると、たとえばアメリカの戦艦の艦長の名前、何代替ってるとか調べなきゃいけないから、それを調べるのが面倒くさい、面倒くさい。」
「架空戦記だから架空でいいかなと、それもまずいだろうw。」
「でも楽しいです。ひさしぶりに面白いものを書いていると実感があります。」


とのこと楽しみにしてください。

Q.結局今日の結論としては、井上さんは見えないもんが見える変な人ということなのか

「あれどうなんですかね」
「UFOを見た人と一緒で見たと言われればそうですかと言わざるをえないんですけど。無いものは無いとしかいいようがないですね。」

「いうのひとつ忘れてた。リストア版はもう一本あるんです、私の記憶と顔面崩壊のシーンが違うんです。」
「でた!」
「顔面崩壊のシーン、私の記憶にあるのはクリストファー・リーがちょっと右向いてるんですよ。で左頬の肉をめりめりめりと裂いてるんですよ。で中の肉がもっとはっきり見えるんです。」
「イギリスの方の研究書を読んでみたら日本版には頬の肉が避けて頬骨が覗くという文章があるんですよ。だからもうひとつあるはずなんですよ。」
「吸血鬼ドラキュラを最初に見てすごいなぁーと思ったのがそのシーンなんですよ。で期待して見たら違うじゃないかと」
「だからこのリストア版はインチキとは言いませんがもうひとつあるはずなんですよ。」

「これに関しては私はノーコメントです。」
「主張してるのは僕だけなもんでw」

石田さんの人物当てクイズが出ましたが
妖女ゴーゴンの中身の人なんてわかりません(^^ゞ

ここで今回は終了です。

終わってから&雑感

結論としては、このリストア版では菊地先生の長年の疑問は解消できなかったようですね(^^ゞ
で、井上雅彦さんは変な人認定ということでw あとブラム・ストーカーの原作を読み返したくなりました。質問聞いてると、読んでない人も多いようだ。

石田一さんも大阪からの遠征お疲れ様でした。お体大切に。

私は次のイベントがあるので、カプセルホテルに戻ってしばらく倒れてました。

念の為に書いておくと映画吸血鬼ドラキュラの中のダウトというか日付の齟齬(最初の日記からあとまで7ヶ月空いている)はあくまでこのハマーの映画の中だけのこと。 

ブラム・ストーカーの原作のほうでは、 

5月5日にドラキュラ城に行って監禁され、6月30日に脱出を試みる。 
7〜8月 ドラキュラ、船に乗ってドーバー海峡を渡る。 
8月後半にハーカー発見される(最期まで生きてる)、ほぼ同時にルーシーがドラキュラに襲われる。 
9月はじめヴァン・ヘルシング登場 
9月20日ルーシー死亡 
10月初めミナ襲われる 
10月11日 海峡を渡って追跡開始 
11月6日 ドラキュラ城にて、ドラキュラ征伐 

時系列にそって物語が作ってあって、レンフィールドのエピソードを挟んだりしている。





邪神達の2.26 復刊記念イベント

7月27日 歌舞伎町 喫茶室ルノアール 2階貸し会議室にて 12時開場

邪神達の2.26 復刊記念イベント

ホテルを10時にチェックアウトしたあと、区役所方面に向かうが日差しが強くて暑い。ので区役所向かいのカラオケ屋に飛び込んで時間待ち

11時半頃にルノアールに、二階に行くと待ち廊下に7〜8人。会場の方はまだばたばたと設営中、とりあえず会場受け取りの参加券のみもらって待つ。
しばらくするとトークライブ常連さんたちも到着、連チャンはやはりそんなに多くない。



こういう特典パンフレットをいただく。中身は今後出る本の最初の1Pが4つ


12時に開場、前の方は関係者席なのですぐその後ろに陣取る。
マイクのテストやら、前方に映し出すらしいプロジェクターのテストを一生懸命しているスタッフさん。で最後のテストで、前半分の部屋を暗くしようと、電気を消した瞬間、プロジェクターとスピーカーの電源落ちる(-_-;) 一体どういう配線になっているのやら。つけたり消したりしても駄目なので急遽後ろの部屋まで電源を引っ張る作業、ぶっつけだから仕方ないかな(苦笑)

さて最初は田中文雄さんの懐かし映像公開ですが、見たことあるなぁ。新宿トークライブに来られた時の動画映像ですが、音が悪くてあんまりよく聞こえなかった。
手持ちの写真からだと



 この回ですね。失礼ながらその時は小説のこと知らなかったので、映画関係者の方だと思ってました。



 その時に60歳になられたそうなので、クス球割って花束贈呈があった気がしました。
 
 二つ目の映像もトークライブの時のもの。牧野修さんや、倉阪鬼一郎さん、田中啓文さんたちがこられたときのこと。



たしか右のほうじゃ浅暮三文さんや外谷さんもいたはず

年末で出版社のパーティかなにかの流れで全員ほどよく酔っ払ってます。
あとで倉阪鬼一郎さんがピンクレディーのモンスター歌ってたような記憶がありますw。



まあ何とか終わって、次は 菊地先生と牧野修さんの対談 

録音してないから、出た話題を脈絡無しに書きますと、クトゥルーに話を持って行きたい菊地先生とどっちかというとそっちに行きたくない牧野さんの攻防が面白かった。

灰頭年代記(ダンウィッチの末裔に収録)はキングのITでしょうという話からしばらくキング論が続く。菊地先生は呪われた町、牧野さんはキャリーが一番印象が深いらしい。
キングを読んでの感想は菊地先生は「ここまでやっていいんだ」(すいません、それ山田風太郎記念館での講演でも聞いた覚えが) 牧野さんは「同じように書こうとすると失敗するけど、書こうとする意欲が湧くビタミン剤みたいなもの」らしいです。

「シャイニングなんかもやるとできるんちゃうかなとおもうんですけど、やると失敗するんですけど」のようなことは言ってた。

んで、作家はほめられるとどんどん木に登るけど、下見たらハシゴがなかったとか

牧野さんは小説で言うとクライブ・バーカーの短編が好み、長編になるとファンタジーぽくなるのでとのこと
菊地先生はその前のブラックウッドとかの方がいいらしい。

ホラー教養が高い低いという話になって、牧野さんはクトゥルーはあまり読み込んでなくて
「英米文学専攻だけどシェークスピア読んでないんですみたいな感じなんであまり聞かないで欲しい」といってました。

ラブクラフトの顔が長いという話から
「怖い小説を書く人の顔は長い、丸い顔の人は怖いものはかけない。」と力説する牧野さん
夢野久作、乱歩も長いんだそうで。どっちかというと丸顔の御大を前に力説するのは面白い。

丸顔から飯野文彦さんの話になって「何度か胸を揉まれた」んだそうで 、ホラー書いても怖いというところに近づいたようで近づけないのは顔のせいなんだそうですw。

クトゥルーってやる気の出る題材、それぞれの邪神に二つ名が付いているのはまるで中学生ですよね。インスマウス面(づら)名前だけで惹かれる

宇宙船の映画評論の編集X(ライター時代の菊地先生)の話で、スプラッターという言葉を広まったのはここから

短編を書くときの原点、嫌な空気が必要。

雨の街の話。雨の中、子供が入れてというのに開けない、それで十分じゃないですか。

牧野さんがネットで時々エゴサーチして、「妹が異形コレクションを持ってきてここホッチキスで止めてくれ」と、それが僕の短編だから、してやったりと思ったこと

異形コレクション、毎回書いて、大御所なのになんであんな全力でするのかな、僕が載るときには手抜いて欲しいんだとか

クトゥルー神話の入り口は風見潤氏だったこと。現在消息不明なんだそうで神戸の方でパン屋やってる話から、パンになったという話になって「このパン風見潤ちゃうん?」って(^^ゞ

最後の方は映画の話になってパンズラビリンスからデル・トロ監督、パシフィック・リム、ミミック、ミスト、顔のない眼、などがあったような。

あ、途中でプロジェクター用の紙が剥がれ落ちて、クトゥルーの呪いのせいにされてましたね。


 写真もとってないから、伯さんがスケッチしていたのをお借りして、対談はこんな感じでした。ただ菊地先生こんなに丸くないw。



10分ほど休憩してから、池澤春菜さんのクトゥルー朗読会

題材は「妖犬」角川書店のラブクラフト恐怖の宇宙史に収録されたもの

風の音がBGMになった中の朗読会はなかなか雰囲気がよかったです。

ただ、途中から物理的にどんどん寒くなってきて、クーラーの温度下げすぎです(^^ゞ

朗読会が終わった後は、机を並べ替えてサイン会

私は本買っても自炊しちゃうので、サインをもらっても気の毒な気がするのでここはパスさせてもらって、後ろのほうでやっていた題名当てクイズに参加してました。
クイズ自体は簡単で、外谷さん無礼帳、エイリアン幻想郷、YIG 美凶神1の3つ。

賞品でタオルと石鹸のセットをいただく。どうやら一昨年末の忘年怪の景品らしかった。



雑感

サイン会の後半で切り上げて、6時半のJALに乗るべく羽田に向かう。京急は高架になっていてずいぶん早くついてしまった。

夕方以降は雷雨になって、花火大会が中止になるほど荒れた天気だったらしい。寸前で帰ってこられてよかった。

疲れましたけど、どちらのイベントも行ってよかったですね。できれば関西でイベントをとは、性懲りもなくいつも言ってます(´ω`)

スケッチ借りた伯さんとこでもレポ書いておられますのでよかったらこちら でどうぞ。
(文責 リュウキ)