エンジン下ろし | ||||||||||
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フレームからエンジンを下ろすには写真のボルトを順番に外して、進行方向向かって右側に、ヘッドを後方に倒しながら引き出します。 |
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エンジン取り付けはもっと大変です。下ろしたとき以上にフレームに傷がつきます。フレームすべてに段ボールなどでカバーすることをお薦めします。僕は彼女に手伝ってもらいながらも、なかなかうまく入らずに3時間もかかってしまいました。 しかし、終わってみるとコツさえわかっていればもっとすんなりいったなぁと思ったので、今後のために記しておきます。 進行方向右側にエンジンを傾けるということは忘れて、図の指で指している3点だけをクリアすることだけ考えた方がいいようです。 少し後方に傾けてほぼ水平のまま押し込んでいくと前方のでっぱりが入って全体にストンと落ちますから、そうすれば上の袋ナットも通 過できます。 試行錯誤しているうちにフレームがボロボロになりました。タッチアップ面倒だなぁ・・・脱着にはバカ力の友人を呼んで頼むのが一番ですね!! 追記:エンジンを横に倒して置き、上からフレームを載せる方法が一番楽で確実だと思います。 |
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シリンダーヘッド | ||||||||||
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シリンダーヘッドカバーの下にはシリンダーヘッドガスケットA、シリンダーヘッドガスケットB、シリンダーヘッドガスケットCがつきます。(写
真左上) |
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![]() EXの当り面はカーボンをかんだりして無惨でした ![]() 半日かけて摺り合わせしました ![]() |
EX側はともにガタガタだったので摺り合わせに時間がかかりましたが、IN側は荒れもなく良好だったので1時間程の摺り合わせで終了。 |
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前外側の2本、シリンダースタッドボルトA(90034-286-020)は途中にゴム(?)が止めてあります。これはなにかと思ってバイク屋さんに尋ねたら、オイルが落ちるスピードをゆるめているものと教えてくれました。確かにオイルの通
り道!ダムみたいに軽くせき止めているのね。 片一方のゴムが切れて落ちていたので、スタッドボルトを注文しに行くと『ゴソウダンパーツ』でした。 そこで、オイルにも熱にも強い接着剤でくっつけようと思っていましたが、液状ガスケットがオイルにも強く200℃まで耐えられるということを思い出したので、そいつで補修しました。 どうか末永く落ちないで頑張っていただきたい。 ちなみに、クランクのコネクティングロッドとピストンの間にはベアリングがないのだ! 最初見た時は落としてしまったかと思ったよ。フリクションロスの際たるものだ。4stはこんなもんなの? |
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バルブ | ||||||||||
![]() ![]() ![]() バルブはこんな状態でした。カーボンが堆積して完全には閉じていなかったと思われます・・・ |
バルブスプリングコンプレッサーを使用してバルブコッターを外すとバルブスプリング、バルブが取れます。
んで、マイクロメーターで計ってみたらINのRが6.982、Lが6.975ありました。EXはRL共に6.955でした。(新品のEXでも6.965しかありませんでした。)使用限界まではきていませんが、EXのRの傘の部分が曲がっていたので交換。R燃焼室には小さな何かが暴れた無数の傷があったので、この影響でひん曲がったのかもしれません。 |
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バルブシートの話 | 70年は有鉛ガソリンの時代です。バルブシートも現在の無鉛ガソリンには対応していないモノです。有鉛ガソリン中の鉛がバルブ系の潤滑剤になり、冷却効果
を果たしていたのは事実です。 以下、モトメンテ誌からの抜粋要約です。 『二輪は四輪に比べて負荷が小さく軽いので、高速で連続、しかも長距離運転でもしない限り大丈夫。普通 の街乗り程度では問題になるほどではない。理由は重い列車の荷重にさらされている鉄道のレールのように、鍛造(に近い)効果 が作用して強度が増しているから。』 『内燃機加工ショップIボーリングでも、当時、未対策バルブシートを対策済みバルブシートに入れ替えて欲しいというオーダーがかなりあったそうです。社長の話では両者に素材の違いは特に感じなかったとのこと。また、無鉛ガソリンを使っても急速に問題が生じた例も無かったということです。理由はわからず』 |
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ロッカーアーム | ||||||||||
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悲しいことにロッカーアーム(14431-312-010 )はもう出ません・・・ |
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ピストン | ||||||||||
![]() ずらをかぶったピストン君 ![]() ピストンピンと直角方向のスカート部を測る |
ピストン外径は写
真左下のようにして測ります。
今回計測してみたら左右共に63.98でした。形状からスカートの下になるほど径が大きいので、最も値が大きいところを選びました。目立った傷もなく良好だと思う。 ただ、右ピストンは異物が暴れ回ったおかげで、ヘッドが傷でズタズタだが・・・ ![]() 汚れを落とすとピストンヘッド頂部の荒れが気になる。が、きれいに仕上げようと思うとかなり削らなくてはならないのでかるく磨いた程度で済ませました。圧縮が落ちてほしくないから! |
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ピストンリング | ||||||||||
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新品で購入した350用ピストンリング(13011-391-004 写
真下)はオイルリングが標準(?)になっていました。オイルリングに上下はなく、トップリングはRの刻印がある側を上にして、セカンドリングも刻印を上に(オイル掻きがある方を下向き)セットします。 |
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カムチェーンテンショナー | ||||||||||
![]() ロックボルトをゆるめてアジャストボルトをゆるめるとバネの力で自然にカムチェーンが張られます。 ![]() |
マニュアルには油圧自動テンショナーで調整の必要がないと書かれていますが、嘘です!
バネの力でプッシュバーがカムチェーンテンショナーローラー(小)を押してカムチェーンのたるみを無くしています。 MOTOメンテ誌(INDEX2)にCB750のレストア記事があったのですが、ゴムのローラーをCB450のアイドルギア(スプロケット式)に替えていました。メカノイズは増えるがカムチェーンの作動はスムーズになるとありました。確かにコマ飛びもなくなりそうだし、ちょっと気になっています。 |
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カムシャフト |
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パッと見はきれいそうですが、カムの頭頂部に素穴が多数!作りの悪さにショックです・・・ |
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クラッチ | ||||||||||
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クラッチはフリクションディスクが8枚、クラッチプレートが8枚(一番奥にクラッチプレートAが1枚あり)の構成。 フリクションディスクは厚みをはかる。使用限界は2.3ミリ、標準で2.62〜2.78ミリ。測ってみたら2.67ミリもあった。前オーナーが交換したばかりだったのだろう。 ちなみに新品で2.7ミリ。 250と350ではクラッチスプリングのみ違います。 350のクラッチスプリングは標準値が31.94、使用限界が30.5ミリです。250は前者が35.5、後者が34.2です。250の方が長いのですが、バネの力が違います。 測ってみると標準値ありました。相当にかたいバネだからそう簡単には縮まなそう。 |
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組み立て | ||||||||||
組み立てはマニュアルに従ってやれば問題ありませんが、注意すべき点はカムスプロケットを死んでも落としてはならないということと、カムチェーンテンショナーはカムシャフトを取り付けた後に取り付けるということです。カムチェーンにテンションがかかるとカムシャフトが入れにくいので。 |
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その後 | ||||||||||
振動は明らかに減りました。大きかった振動が小さくなった感じ、振動自体が少なくなったわけではありません。マフラー、リアサスを換えてVXプラグをおごったりしたからエンジン自体がどうなったかということがはっきり言えません。 |