あらすじナビ:グッド王子
シルバー王女の一行が、私、おにぎり国第一王子「グッド」と
ハンバーガー国のサラド姫の婚約の祝いの品を届けに
城にやってこられました。
婚約・・といっても、今、私は大変悩んでいるのです。
私とサラド姫は深くお互いに愛し合っていますが、
実はサラド姫の父君ハンバーガー国の王様は
私とサラド姫の結婚をこころよく思っておらず、
結婚の日取りを決めようとしてものらりくらりとはぐらかす・・。
その様子に私の父上おにぎり王もくもり顔を見せ始めました。
カツオブシ総理の情報によれば、ハンバーガー国の王様は
私という婚約者の存在を無視して、サラド姫を
無理矢理ここのところ優勢を極めているスパゲッティー国のパスタ王子と
結婚させようとしているというのです。
私の父上もこの話には大変腹を立てているようで、
このままではまずい・・なんとかせねばと思うのですが・・。
そうこうしている内に死神がカツオブシ総理にとりつき、
気球部隊を出してサラド姫を無理矢理ハンバーガー国からさらってきてしまったのです。
ああ、こんな大それたことをしたら、ひょっとしたら
両国の間に、戦争が起きてしまうかも・・。
一刻も早くサラド姫をハンバーガー国へ帰さないと・・。
クラウドがカツオブシ総理から抜け出た死神を追って
ハンバーガー国へ向かっている間、
シルバー王女達は、2月の里へ向かって旅立ちました。
2月の里の手前には、「白黒市」という街があるのですが、
そこがまたやっかいなところなのです。
人間達に怪我をさせられ、捨てられた車たちが
自分たちの安住の地を求め、この白黒市の土地を買い占めていき、
今ではすっかりスモッグとアスファルトの街です。
車達は怒りっぽく、非情に人を憎んでおり、
車でないものはこの街には5時間しかいられないきまりになっています。
果たして、あのほとんど歩行者の信号が青にならない街で
5時間以内に抜けられるのか・・。
シルバー王女は何か手助けになるのではと、
野菜の精を呼びました。
ウメケロ婆さんとトーフモンじいさん、ニンジッピです。
年寄りに子供。とても役に立ちそうもありません。
余計にスピードの落ちた一行はとうとう5時間以内に抜けられず、
刑務所に入れられてしまいました。
困っていると、同じ牢に牛の子供がいます。
牛の子供によれば、明日1月25日から3日間は
白黒祭りの日で、その間はもとの白黒沼に戻ると言います。
このスモッグの街が自然あふれる沼に?
夜明け共に、車達はすっかり街から姿を消しました。
牛の子供の父親は一刀彫りの金色の牛で、大群で街へ戻ってきます。
赤い牛べこさんが木を台車に乗せて運び込み、
瞬く間に町中を木だらけにしてしまいました。
そして水門を開け、水を引き込み、沼になりました。
すると、あちらの空からはブラックバードが、
こちらからはホワイトバードが懐かしき故郷の白黒沼に
帰ってくるのです。
街は数え切れないほどの鳥達ですっかり白と黒に別れました。
昔のような姿に戻れるのは、この3日だけ。
みんなゆっくりと故郷を楽しむように、自然にとけ込んでいます。
シルバー王女達は子供の牛に案内してもらって
2月橋までたどり着きました。
しかし、ハンバーガー国とおにぎり国は
死神の見えない糸によって、確実に
戦争への道を歩み始めていたのです。