<始まりのお話>




「ん?あれ、ゆきうしゃ・・・?」
日曜の昼、ふゆこは買い物袋を下げたたまきと共に町中を歩いていた。家族連れが行き交う道路から少し入った路地に、ふゆこは白い後ろ姿を見かけて思わず立ち止まる。普段こんな町中まで来ているのは見た事がないけど・・・。
「ゆきうしゃー・・・ん?」
声をかけても振り向かない。疑問に思ったふゆこが、もう一度呼び掛けようとすると、そのうしゃぎは逃げるように走り去ってしまった。
「あ・・・・」
「どうした?」
幾つもの買い物袋にヘキエキしながら、真剣な顔のふゆこに尋ねるたまき。ふゆこは、その真剣な顔のまま、重い荷物全部持たせたたまきを見上げて。
「・・・・うしゃぎ違い、しちゃったかも・・・」
「( ̄へ ̄;)・・・今度謝って許してもらえ(スタスタ)」
「あっ、待ってって( ̄▽ ̄;)」
慌てて後を追うふゆこ。それでもしきりに首を傾げながら、ぶつぶつ呟いている。
そんなふゆこに、たまきは。
「・・・どうせすぐ会えるだろ、お前の家のヤツらが探せば」
「ええ?そうかなあ?(荷物を一つ持とうとする)」
「(いいから、と持ち直しながら)特にあのウルサイのに頼めばな(含笑)」
「ウルサイのって?」
「鍋って他にいるもんないのか?ないなら酒買ってお前んとこ帰るぞ」
「え?あ、えっと」
いきなり話題を切り換えられて、慌てて手元の荷物を確認するふゆこ。
「・・・・あっ!お餅買ってないっ!」
「モチ・・・入れるもんなのか( ̄▽ ̄;)?」
初めて聞く鍋の材料に、少し引き気味のたまき(笑)。鍋は好みがあります♪
「おいしーんだからっ!お餅〜(縋るような目)」
「・・・さっきの店まで戻るか(諦)」
「やたっ!」
どこかで見たような光景(笑)。
「たましゃん?たましゃーんっ?」
ふゆこの家、たまうしゃぎを探しているふゆうしゃぎ。
「いっないなあ・・・何処行っちゃったんだろ。今夜はたまきも来てオナベなのにな[壁]ノ_・。) 」
ふゆうしゃぎの呼び声が小さく響いている中、隣のおばあちゃんの家の縁側で昼寝しているたまうしゃぎ(笑)。子供のおもりに少し疲れたらしく、おばあちゃんが貸してくれた座ぶとんにうずくまっている。
「んもお・・・ゆきうしゃも居ないし・・・ふゆうしゃが全部食べちゃうんだからっ」
珍しくご機嫌ななめなふゆうしゃぎ。遊んでくれる人がいないから(笑)。と、そこにゆきうしゃぎの白い耳が見えた。
「あっ!!」
ふゆうしゃぎの大声にびくんっと揺れたその耳めがけて、ふゆうしゃぎが飛びついた。
どすんっ
「わあっ」
「ゆきうしゃあっ、見ーっけ!!!オナベまで遊ぼっっ!!」
「・・・・えっと( ̄▽ ̄;)」
「・・・ん?」
飛びついてのしかかって話し掛けて初めて、違和感を覚えたふゆうしゃぎ(笑)。よくよく見ると、ゆきうしゃぎとは違う気がする。
「えっと・・・だあれ(首を傾げて)?」
「あの、その前に降りて・・・( ̄▽ ̄;)」
「あ、そか」
よいしょ、よいしょとふゆうしゃぎは降りて、それから改めて、初めて見る白うしゃぎに尋ねる。
「んっと、ゆきうしゃのお友達?」
「・・・いえ( ̄▽ ̄;)?」
「んとね、ふゆうしゃぎです(ぺこり)飛びついてごめんね?」
やっとマトモな会話になりそうで、白うしゃぎは、苦笑いしながら返事を返す。
「あ、いえ・・・大丈夫ですよ、こちらこそ、勝手にお庭にお邪魔してすいません。誰かと、間違われたみたいですね(苦笑)」
ぶんぶんっ、と頷くふゆうしゃぎ。
「(。・・。)(。..。)(。・・。)(。..。)。んと、名前(首傾げ)?」
「あ、しろうしゃぎといいます。」
初めて聞くその名前を、ふゆうしゃぎは嬉しそうに読んでみる♪
「しろうしゃさんっ(にこーっ)♪」
「(つられて、にこ)は、はい・・・?」
つい、つられて微笑んでしまった。
「ああっ!!」
びくうっ
ふゆうしゃぎの奇声に思わず身構えてしまうしろうしゃぎ。そんな事おかまいなしにふゆうしゃぎは慌てて走り出しながら、
「あ、あ、オナベなの、ご主人にゆって、もう1個っ(どたどた)」
しろうしゃぎが何の事だか分からずに面喰らっていると、ふゆうしゃぎはあっと言う間にいなくなってしまった。
「す、凄いうしゃぎだな・・・( ̄▽ ̄;)」
一息ついて、立ち去ろうとした時、また別の声がしろうしゃぎを引き止める。
「ひょーっ!ほんまに白っ」
びくんっ
またもや身構えるしろうしゃぎ。またそんな事おかまいなしに、変な関西弁を喋るうしゃぎがやってきた(笑)。
「・・・はい( ̄▽ ̄;)?」
「いや、今なあっ、この家来ようとしたらふゆうしゃの天然が・・・あ、あいつどっかおかしいから気にせんでやってな、あれはあれでええとこあんのよ、そんでな、あいつがオナベ増やしてもらうーゆうて、あ、今晩この家で鍋やんのよ。俺はどっちかゆうたらすき焼きのが好きやねんけど、まあ食わしてもらえるだけありがたいっちゅう事やな。そんであいつえらい慌ててたから先家行くでーゆったら白いうしゃぎがどーたらこーたら、あいつの説明は言葉なってへんからなあ、俺と思ってぶつかったら白くて何や・・・やっぱり分からんなあ。あ、俺自己紹介もしとらんやん(笑)。失礼失礼。俺・・・あれ?どした?」
一気にまくしたてるゆきうしゃぎ。そのの言葉の半分も理解出来ないで、しろうしゃぎは困り果てていた。やっと気付いたゆきうしゃぎが話すのを止めた時には、しろうしゃぎの脳裏には変な関西弁がぐるぐると・・・(笑)。
「・・・ええと・・・(+_+;)?」
しろうしゃぎ、混乱(爆)。と、そこへ。
「まくしたてるな( ̄へ ̄;)、しかもその方言正しいのか」
低い声がして、隣との垣根からガサガサと出て来る黒と白の身体。
「出会い頭にそれかい、おっさん( ̄▽ ̄;)」
「(じろり)」
「ひょーっ(逃げ)!!たっ助けてくれっo(T口T)o」
しろうしゃぎの後ろに逃げるゆきうしゃぎ。
「え?え?」
意味が分からずきょろきょろしているしろうしゃぎ。同情するような目でその様子に溜め息を付いて、たまうしゃぎが声をかける。
「すまん、これがこの家のうしゃぎ達なんだ( ̄へ ̄;)」
「・・・あ、はい・・・」
じっとたまうしゃぎを見ているしろうしゃぎ。たまうしゃぎは自分が名乗ってない事に気付く。
「ああ・・・俺はたまうしゃぎだ。ここのご主人に飼われてる」
「たまうしゃぎ・・・あ、私、しろうしゃぎといいます、あの・・・」
「俺っゆきうしゃぎっちゅーねん、同じ白やしっ、まあ仲良うしょうなあっ♪」
「うるさい(怒)」
いつにも増して不機嫌度の高いたまうしゃぎに、ゆきうしゃぎが尋ねる。
「何やいつもより不機嫌やなあ、どないしたんや」
「お前らのお陰で起こされたんだ」
最初にふゆうしゃぎ、次にゆきうしゃぎ。立て続けに起こされてとってもご機嫌ななめなたまうしゃぎ。その雰囲気たるや、事情を知らないしろうしゃぎさえ口を挟んでいいものかどうか悩ませる(苦笑)。
「えっと、その・・・」
「睡眠の一つや二つ、そんなぎゃあぎゃあ言いなや、大人なんやろ?┐(  ̄ー ̄)┌ フッ」
「・・・・」
「やっぱ俺の方が大人かなあ(ニヤニヤ)。こういうところをふゆうしゃのご主人にも見てもらわんとな。あ、ふゆうしゃのご主人、そろそろ帰ってくる頃ちゃうのん?」
「ああ、そうだな。ただ・・・」
たまうしゃぎが何か言おうとした時、玄関からふゆこの声が響いた。
「ただいま〜」
「おおっナイスタイミング!やっぱり俺ってええ勘してる・・・」
振り返って玄関にお出迎えしたゆきうしゃぎを待っていたのは。
「ヽ( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄;)ノ!!」
「よお」
前門のたまき、後門のたまうしゃぎ(笑)。
「どうした大人(ぼそ)」←イヤミなたまうしゃぎ(笑)
固まったゆきうしゃぎを横に、ふゆうしゃぎが必死でふゆこにしろうしゃぎの説明をしている。
「んとねっ、そいでねっ」
「分かった分かった、えっと、たまうしゃ、お客さんきてるの?」
靴を脱ぎながらふゆうしゃを降ろしながらたまうしゃぎに問いかけるふゆこ(忙しい・汗)。
「ああ・・・ここに」
一気にざわついてきた玄関から少し離れて立っているしろうしゃぎ(どうしようもなく・笑)。その姿を見つけるなりふゆこは大声をあげる。
「あーっ!!」
「(びくうっ)・・・( ̄▽ ̄;)」
ふゆうしゃのご主人はこの人に違いない、と確信するしろうしゃぎ(笑)。
「・・・まさか本当にここにいるとはな( ̄▽ ̄;)」
何となく予感はしてたが、と苦笑しているたまき。
「ほんとにいたあ!さっきごめんね?このゆきうしゃぎと間違っちゃって」
「俺を間違えたっ?ふゆうしゃのご主人、それほんまかっo(T口T)o」
「あ、ごめんね、だって後ろ姿だけだったから・・・」
「白くて丸きゃ誰だって間違う」
たまきは呟きながら勝手知ったる我が家と言わないばかりに靴を脱いで家に上がり込む。
「鍋の用意するぞ」
「って何でそんな慣れてんねんっ!!」
やっと固まったのが解けたと思ったゆきうしゃぎ、今度は喚く喚く(笑)。
「うるさい。出来るまで遊んでろ」
「ヽ( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄;)ノお前に父親みたいな言い方される覚えないんじゃあっ!!」
「たまき、おとーさんっ??」
「アホかっ( ・_・)ノ☆」
「いったあ[壁]ノ_・。) クスン」
ぎゃあぎゃあな玄関先を見つめて、しろうしゃぎが呟く。
「・・・・にぎやかですね」
その口調の無表情さに少し、たまうしゃぎは耳を動かした。じっと玄関から視線を外さず、けれど瞳には何も映っていないかのようなしろうしゃぎは、無表情な口調のまま続ける。
「・・・私には、ちょっと・・・」
「おい、そこの白いの」
たまきの低い声がしろうしゃぎの言葉を遮った。我に返ると、しろうしゃぎの目の前に、心配そうなふゆうしゃぎがいた。
「・・・・な、何ですか( ̄▽ ̄;)?」
「その目の前のが聞きたい事があるらしい。よっと(買い物袋を持ち直して)」
「あ、待って、冷蔵庫の中の」
「説明する前にお前も来い(怒)俺に全部やらせる気か(のしのし)」
戸惑うしろうしゃぎを残してさっさと買い物を持って台所へ入っていくたまき。
「そんなつもりじゃないってば(ぱたぱた)」
「何でお前そんな偉そうやねんっ!俺がついてるからな、ふゆうしゃのご主人っ!(どたどた)」
と、ふゆことゆきうしゃぎ(笑)。
「んっとね、あのね」
廊下に取り残されて、目の前のふゆうしゃぎの言葉を待つしろうしゃぎ。どうも戸惑いながらたまうしゃぎを見ると、たまうしゃぎまでいつの間にか台所に移動している。
「・・・モチか」
何気にチェックしているたまうしゃぎ(笑)。
「たまうしゃ、お餅好き?小さく切って入れるから大丈夫だよ〜。ゆきうしゃも食べるよね?」
「おう、モチ好きやあ〜ヾ(〃^∇^)ノ♪」
当たり前のようにお餅会話しているうしゃぎに驚きよりも半分呆れているたまき。
「モチまで食うのか、お前ら( ̄▽ ̄;)」
「・・・食う」
「あっ、たまき、今うしゃぎを差別したやろっ??」
「まあまあ( ̄▽ ̄;)、ゆきうしゃ」
1人と2匹の間でうろうろしているふゆこ(笑)。
騒がしい声が聞こえる中、廊下ではふゆうしゃぎが頑張っていた。
「あのね?んっとねえっと」
「・・・( ̄▽ ̄;)」
どうしろって言うの、と言いたい気持ちを堪えて、しろうしゃぎはふゆうしゃぎの言葉を待った。
「・・・よしっ(キッ)!」
しばらくして、意を決したようにふゆうしゃぎが言う。
「初めましてっ!ふゆうしゃって呼んで下さいっ(ぺこり)!!」
「・・・( ̄▽ ̄;)」
いきなり言われて、呆気にとられたしろうしゃぎ(笑)。とりあえず、下げたままの頭を上げてもらおうと、声をかける。
「あ、はい、初めまして( ̄▽ ̄;)。ふゆ、うしゃ・・・?」
「(にこぱっ)!!」
ばっと顔を上げると笑顔満点なふゆうしゃぎ。そのまま大声で台所に向かって叫ぶ。
「やったあ、しろうしゃもオナベだあっ♪」
「へっ( ̄▽ ̄;)??」
「へーい、モチ一つ追加ー」
硬い切り餅に包丁を入れながら返事をするたまき。←お餅って硬いです(困)。
「何やモチより肉増やせっちゅーねんっ」
「・・・肉食うしゃぎ」
「人を化けモンみたくゆうなあっ!!」
「お前らネタやってないで運べ(怒)」
何だかんだ言いながらたまきの隣で見張っている(笑)ゆきうしゃぎとたまうしゃぎ。
「あは( ̄▽ ̄;)。まあまあ・・・ん?ふゆ、上手く言えた?」
「ん、頑張って言えたっ!」
「あの・・・えっと・・・( ̄▽ ̄;)」
戸惑うしろうしゃぎをよそに、どんどん進行していく(笑)。ふゆうしゃぎは嬉しそうにふゆこにくっついて。
「お友達っお友達っ♪」
「良かったねえ(撫で撫で)、お鍋一緒に食べようね」
「Σ( ̄□ ̄;)!」
いつの間にお友達っ!?としろうしゃぎが驚いていると、たまうしゃぎがとことこやって来て声をかける。
「・・・とりあえず食べていかないと、あいつ泣くぞ」
「・・・・・力技ですね( ̄▽ ̄;)」
「俺も最近やっと慣れてきた( ̄へ ̄; )」
「はは・・・どんな家ですか、ここ」
「居たきゃずっと居ていい家だろ」
「・・・・すごいですね・・・」
「・・・聞かんが、あんまりああいう生き物に慣れてなかったようだな、お互い」
「あは・・・」
ガチャガチャうるさく近付いて来る音(笑)。やっぱりゆきうしゃぎ。
「しろうしゃっ、れんげ運んでくれっ!俺一人じゃよお持たれへんっ」
「え?あ、はいっ」
つい、返事(笑)。そんなしろうしゃぎを見て少し口元を緩めるたまうしゃぎ。
「何ニヤついてんねん、おっさん!」
「(ムカ)・・・非力なうしゃぎめ」
「何をっおっさんが手伝わんからやろっ」
「いい格好しようとして全部持つからだろ」
「ヽ( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄;)ノ性格わるっっ!」
「今さらだ」
二匹のやりとりを見て、笑ってしまうしろうしゃぎ。
「あは、でも十分馴染んでますよ、たまうしゃ(笑)」
「・・・・うるさい( ̄へ ̄;)」
しろうしゃぎの持っていたれんげを取り上げて運ぶたまうしゃぎ。
「あは、ありがとうございます♪」
「何やあ?最初っから手伝えっちゅーねんっ」
「うるさい」
「うっわ、俺にはめっちゃ冷たいー(ToT)」
「(じろり)」
「ひょーっ、助けてくれーっ」

もくじ | つづき


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