BanGさん・作
この日もまずは美味しい朝食で穏やかな目覚め。
三日目の目標であるオンネトー行きのバスが出るまでには少々時間があるので、阿寒湖畔を散策することにした。
阿寒湖畔には、泥の沼地がボコボコと音を立てて沸き立つ「ボッケ」と言うものがある。
静かな林の中に鳴り響くその音は、一種異様とも言える。
けれど、自然の息遣いが聞こえてくるかのようで湖畔の神秘的な雰囲気をさらに高めてくれるものにもなっている。
ボッケから散策路をしばらく行くと「マリモソフトクリーム」なるものが売っていて、甘いもの好きな相方がさっそく購入。
味は普通のソフトクリームなのだが、とある秘密が隠されていた。
その秘密はクリームの底の方にあり、青りんご味のマリモを模したゼリーが入っていていると言うもの。
他にも湖畔にはマリモを模した菓子が数多くあり、団体客などは結構買い求めていた様子だった。
暫く土産物屋を覗いているうちにオンネトー行きのバスが出発する時刻になったので、バス停留所へと向かう。
40分程度の道のりだが、要する時間の多くは距離的なものより緩急が激しい道路にあるような気がした。
※ちなみに、距離的には近いのでレンタサイクルで行こうとも思ったのだが、管理所の方に『自転車も人間も壊れてしまうから止めてくれ』と言われてしまったのを付け加えておく。
大きなフキの葉が道路脇に立ち並び、この地方では有名な妖精「コロポックル」がその葉陰に本当に居るような気さえしてくる。
そして到着した神秘的な湖、オンネトー。
本当に「神秘」としか言いようの無い色をしている湖だった。
岸辺の水は透明で、沈んだ倒木もクッキリと見えるのが、少し湖の奥へ目を向けると緑がかった色へと変わっている。
木の影になっている個所は紫がかった青、水色に近い青、と実に多彩な色をしている。
あと湖畔には「遊歩道」があるのだが、なめてかかると痛い目に合う。
なにしろ道は道でも獣道に近く、気をぬくとぬかるみに足を取られ、きちんと草木の倒れ具合を判断しないと道に迷いそうになる道だから。
色んな意味で貴重な体験の出来る場所だった。
とりあえず湖畔を一周し、阿寒湖畔へと戻るバスに乗り込んでこの日の観光は終了。
次の日は網走方面へと向かうので、印象深かったけれどまだ買い物をしてなかった店へもう一度行く事にした。
その店は「すすむのオリジナル木彫り店」と、フクロウ木彫り元祖のお店「白手民芸品店」
白手民芸店では、店のマスコット・シベリアンハスキーの「ハナちゃん」が出迎えてくれた。
※実際は散歩以外は眠っている老犬なので、チラッとこちらを眺めただけで後は眠っていたのだが。
店のおばちゃん、昨日はいなかったご主人(アイヌ一族直系の方だそうだ)としばらく会話を楽しみ、愛嬌のあるフクロウ木彫りを購入した。
次は阿寒湖についた初日に、おいしいワカサギの天ぷらが食べられるお店を紹介してくれた「すすむのオリジナル木彫り店」で、モモンガの木彫りを購入。
初日から一日ほど間を開けての来店だったので『まさかあの時の二人じゃないよなぁ・・・』と思いながら「いらっしゃい」と声をかけたそうだ(苦笑)
※私の方から『実は一昨日の夜にも一度来たんですよ』と言ったら『いやぁ、ここに三日も泊まる客は珍しいよ』との事だった。
阿寒地方での三日間は天気に恵まれ、それぞれの観光地を最良の状態で見る事が出来た。
のオーナー夫妻や、上記のお店で出会った人達の人柄も手伝い「また来たい」と強く思わせるものになった。