著書 「田舎教師が一本のペンを握って上京し、社会教育者として、全国的舞台にたった」と自身の原稿にあるように、後藤静香の活動の基本になるのは、著述でした。 その生涯を通じて、創刊した月刊誌は21種、著書70余册を、すべて網羅することは不可能ですが、「後藤静香選集」に記載されているものだけでも、下記のようなものがあります。 後藤静香没後、「社会教育団体 心の家」(代表理事・磯崎良誉)により、下記の著書が、新版として、善本社より再刊されました。(昭和60年頃) 権 威 (昭和34年に改定されたものを、さらに新版として発行) 発行は、すべて善本社で、「権威」は現在でも入手可能です。(定価 \ 1,200
) 「権威」よりの抜粋を、blog で随時掲載しておりますので、ご覧下さい。 なお、後藤静香の著書の著作権は、「社会福祉法人 日本点字図書館」が所有しています。 「権威」は詩集かというご質問に、「権威」の序文から引用してお答えしましょう。 『「権威」という名はどこから来たかときかれます。本文を読まれると、すぐに気づかれましょう。この中に、折々「天よりの声」といったような表現があります。その声は、神の声、良心の声と言いかえても構いません。いずれにしても「権威ある声」です。私は素直な心で、この声をきき、この声に従い、この声を書きとめようと努めます。この本の全部がそうでないにしても、全体を通じて、こんな気持のただよっていることは確かです。 「権威」は詩集かときかれます。私は元来詩人でもなく、文人でもなく、専門としては数学を学び数学の教師を十三年もしたもので、文学の畑には全然素人であります。従って、詩をかくつもりで書いたものは一つもありません。しかし、実際において、詩になっているのもあり、また形だけ詩のようにした短文もたくさんあります。 「権威」は教訓集か、教典かときかれることもあります。そうでないとは申しませんが、これまで世間に知られている教訓とは、おもむきのちがったもの、また何宗何派と分類される経典でもありません。この中には、悩みの日に、励ましと慰めを与え、失望しきった人々をふるい起たせ、人生の伴侶となり、指針を与えるようなものも相当ふくまれていましょうが、単なる修養書ではありません。(後略)』(「権威」昭和27年 最終決定版の序文 冒頭部分より) 著者は、この序文の最後に「これは私が地上に残す遺産であり、同時に遺言状でもあります」と記しています。 |
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