言葉

  本気

  本気ですれば
  たいていな事はできる
  本気ですれば
  なんでも面白い
  本気でしていると
  たれかが助けてくれる
  人間を幸福にするために
  本気ではたらいているものは
  みんな幸福で
  みんなえらい   (「権威」より)

 数年前のことです。ある雑誌の取材で訪ねた企業の社長室にこの言葉が額に入れて飾られていました。由来を訊ねると、以前知人から教えられたこの言葉がとても心に響いたので、座右の銘にしているが、誰の言葉かを知りたいと思っているとの返事でした。

 このように、作者不詳のまま人々の心にとどき、そこで芽を出した言葉はいろいろあるようです。

 後藤静香は、「権威」をはじめとする著書の中に、短い詩のような形式の言葉を数多く残しています。子供にも分りやすい言葉の中に、深い意味がこめられています。そして、全身全霊をこめて凝縮されたそれらの言葉には、時を超えて人の心に問いかけ、訴えかける強さがあります。

  これがために

  たしかに生まれた
  必要だからだ
  たしかに生きている
  まだ用事があるからだ
  「われこれがために生まれたり」
  はっきりと  
  そう言いうるものを
  つかんだか     (「権威」より)

 昭和63年 7月、NHKのテレビ「こころの時代」で、後藤静香の生涯がとりあげられた時のタイトルは、「われこれがために生まれたり」でした。後にラジオ放送もされたこの番組には大きな反響があり、放送直後から「権威」の出版社(善本社)には注文の電話が殺到したと聞いています。(ラジオ放送は、平成3年7月/再放送は,同年9月と12月、5年1月 他数回)

 この言葉を読むたびに、私は「これがために生まれたり」と言えるような働きをしているだろうか、と反省させられます。


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