記念館

  「榛名湖」で知られる群馬県の榛名町に、「後藤静香記念館」があります。
館長であり、「後藤静香を伝える会」の主宰者、中澤宏則氏の紹介文です。

 『後藤静香記念館は、1968(昭和43)年11月20日、多くの同志の熱意と協力によって竣工しました。記念館には、静香愛用の遺品、表彰状、写真、直筆原稿、生涯執筆した全著作(月刊誌21種、著書70余册)が保存、展示されています。しかも初出雑誌の形で、当時の雰囲気そのままに保存されています。日本社会教育史の生きた根本資料といえます。

 記念館が立つここ榛名高原邑(はるなこうげんむら)は、静香の愛弟子で、社会福祉法人「新生会」の創立者・原正男氏が、高齢化社会の重大問題として考えていた「病弱と孤独」への対策として、1966(昭和41)年に創邑しました。
多くの共鳴者が「健康、質素、隣人和合」の精神で、こころの友と親しく語り合い、豊かな自然と親しむ生活を送る理想の高原邑です。

 後藤静香記念館は、常時展観はいたしておりませんので、見学をご希望の場合は、下記までご連絡ください。ご希望の方には、宿泊所「高年者開発センター」をご紹介できます。
 
 後藤静香記念館長 中澤 宏則             

社会福祉法人 新生会」      ( Tel: 027-374-1511 代表 )  』

  住所 : 群馬県 高崎市上室田 4040-3    (榛名高原邑内)
  交通 : 高崎駅西口から榛名湖行きバス(室田経由)斉渡(さいど)下車徒歩5分
(榛名湖行きのバスは1時間に1本位なので、室田行きバスで終点下車、タクシー利用)

 榛名町は、昭和16年、療養施設「榛名荘(原正男経営で、後の「新生会」)内に「心の家高原寮」を開設した場所であり、原稿執筆のため度々滞在したゆかりの土地です。
その当時の様子を、原正男氏はこう描写しています。

 『先生の日常は、書く、歩く、食べる、寝るで、実に一日を活かしきっておられた。頬を紅潮させ、太い万年筆を握り、全力を打ち込んで原稿を書かれている姿は、実に神々しかった。先生の原稿は、下書きも訂正もなく、大きな文字で原稿紙のマスを埋めて行く。まことに見事なものであった。
 先生が高原寮で原稿を書かれるようになってから、毎日かなりの距離を散歩されたが、その中もっとも愛されたのが、上室田斉渡の峯の原高原であった。ここは南東に関東平野を一望の下に収め、西に浅間を中心に信州の山々を眺め、北には榛名連山を背負うところである。
 水車小屋あり、梅林あり、野鳥は群をなして飛び交う高原である。先生はこの高原に立って、心ゆくまで大自然を語られたのである。』 (後藤静香全集・付録より)

 その高原(斉渡)に、「健康福祉村」が開村したのが、昭和41年のことです。「婦人之友」の創設者・羽仁もと子門下の「友の村」、後藤静香門下の「清交村」、原正男の友人などの「荘友村」という三グループの集まりでしたが、いまではひとつになり、「榛名高原邑」として、週末利用者、定住者ともに、和やかな運営がされています。


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