![]() ![]() 〜シルバー王女とサヤ姫 ⊂ 2 ⊃ |
パーティの日がやってきました。 クレヨン王国の周りの国はもちろんのこと、遠くの国まで王女の誕生日を祝うパーティにきていて、クレヨン城の広場はたくさんのお客様でにぎわっていました。 全員にシャンパンが注がれたところで、王女の登場です。 「シルバー王女様のおなーーりーー。」 ゴールデン国王とオパール王妃と共に、シルバー王女は真っ白な素敵なフリルのいっぱいついたドレスで、登場しました。 我こそは一番先にダンスのお相手をと、幾人もの王子が前にでました。 シルバー王女は、ぐるっとその王子達を見渡して、にこっと笑顔を忘れないようにしながら、 「今日も一番に踊るのはクラウドとがいいわ。クラウドはどこかしら・。」 と、目だけでクラウドを探しました。しかし、どこにもクラウドは見あたりません。 「そうだわ。決闘を申し込んできたウサギ姫はどうしたかしら。」 シルバー王女がそう思っていた頃、赤大臣が、あわてて走ってきました。 「大変でちゅーー。」 「何事でアールか。パーティ中に騒がしいでアールぞ、赤色大臣。」 「どうしたの?」 シルバー王女は、ダンスを心待ちにする王子達を段下に置いたまま、赤大臣の方に駆け寄りました。赤色大臣の手には、見覚えのある黄色い封筒と便せんが握られていました。 大臣達は、あのポスペ国の王女からと思われる手紙について知らされていて、パーティが無事おわり、シルバー王女に何事もないように警戒態勢をとっていたのです。 シルバー王女とカメレオン総理は、手紙を見ました。 |
−−−−−−−−−−−− けっとうしましょう わたしのだいじなものを あなたは うばったので わたしも あなたの おともだちを あずかりました かえしてほしければ けっとうしましょう −−−−−−−−−−−− サヤ |
「奪った??私の友達を預かったー??」 シルバー王女は、心当たりがないというように、まゆを寄せました。 「友達?アラエッサとストンストンではないでアールか。」 赤大臣は、カメレオン総理の一言にハッとして、 「すぐに確認するでちゅ!」 と、走って門番をしている二人を確かめに行きました。間もなくして、アラエッサとストンストンは王女の所へ来ました。 「良かった。二人とも無事だったのね。」 アラエッサとストンストンは手紙を見ました。 「奪った・・かぁ。」 「まーた、王女のほしがり癖で何か無理矢理手に入れたのではないのけ?」 「しっつれいねーー。」 「シルバー王女ー。ダンスを踊って欲しいだおーー。チューするだおーー。」 ハンバーガー国のフィレオ王子が待ちきれずに、シルバー王女に近づきましが、シルバー王女が、ぞっとして、思わず鉄拳パンチを繰り出して、フィレオ王子を遠く空のお星様にしてしまいました。 「どうせ、預かるなら、フィレオ王子とかを預かって欲しいわ。」 「大変どすーー。」 今度は黄色大臣が走ってきました。 「クラウドはんがおりません。朝、お城に入ったところまでは見た者がいるんどすが、それ以降は誰も・・。」 「じゃあ、さらわれたのはクラウドなの?!」 「そして、こんな手紙が・・。」 |
−−−−−−− ばしょ おしろのうしろ はなばたけ −−−−−−− サヤ |
「お城の後ろの花畑ね!一刻も許されないわ。ちょっと行ってくるからパーティの方はお願いね。カメレオン総理!!」
「あ、王女待つでアール。」 パーティの主役がいなくなっては困ると、カメレオン総理はあわてました。しかし、シルバー王女はアラエッサ、ストンストンを従えて、ドレスを持ち上げて走っていきました。「あーあ、行ってしまったのでアール・・。」 「まあ、いいじゃないか。カメレオン総理。王女の友達を大事にする姿、見ていて嬉しくなるよ。」 ゴールデン国王が知らない間に近くにいました。オパール王妃もにっこりと後ろで笑っています。 「本当に。思いやりのある子に成長してくれて、嬉しいことですわ。」 「それより、王女がいない間、お客様を退屈させないようにしなくては・・・。」 「そうでアールな。・・大臣達をみな集めて、余興をさせるのでアール!黄色大臣。皆を呼び集めるのでアール。」 「はい。」 黄色大臣は、急いでお城の奥へ戻っていきました。 |