XEmacs 21.1のインストール

1. ソースを取ってこよう。
2. ソースの展開,そしてドキュメントへ。
3. 嗚呼,configureスクリプト。
4. Makefileを作ろう。
5. インストール,そして起動へ。

5. インストール,そして起動へ。

僕の環境でコンパイルすると,コンパイル中に警告メッセージが結構表示されましたが, とりあえず無事にコンパイルすることができました。コンパイルが無事に終了すると, <ターゲットディレクトリ>/srcにxemacsというファイルが出来上がっているはずです。 このxemacsというファイルがXEmacsの本体なのですが,今回のオプションでコンパイルすると 約9Mバイトのファイルになっていることでしょう。ファイルサイズが9Mバイトもあると, 起動に時間がかかるし,ディスクももったいないので,ファイルサイズを小さくしま しょう。

これは別に特別なトリックでもなんでもないです。XEmacsはコンパイル時にデバッグフラグ を用いてコンパイルします。ユーザとしてXEmacsを使用する分には,このデバッグフラグ は必要ないですから,これを取り除きます。configureスクリプトのオプションで 指定しとけばよかったのですが,忘れてました(^^;。ま,今になってからでも, デバッグフラグを取り除くことができるので,良しとしてください。 で,実際にデバッグフラグを取り除く方法ですが,

% strip xemacs

とすれば,デバッグフラグを取り除くことが可能です。実際にデバッグフラグを取り除く と,約4.5Mバイトになったと思います。これでも十分に大きなサイズですが,9Mバイトに 比べればましでしょう。

今いるディレクトリは<ターゲットディレクトリ>/srcですよね。インストールする 前に,ちょっとだけXEmacsを起動してみましょう。

% xemacs

まだ,インストールしていないので,必要なファイルがデフォルトの検索ディレクトリに ありませんので,色々な警告メッセージが表示されますが,とりあえず起動できたと 思います。多分上のような画面が開いたことでしょう。

でも,メニューは英語のままだし日本語の入力もできないので,これじゃあまり 使い勝手がいいとは言えません。問題なく起動できることは確認できたので, まともに使えるようにインストールをしましょう。Lispパッケージのインストール の時と同様,スーパーユーザになってください。そして,ディレクトリもターゲット ディレクトリに移動してください。後は

# install

と入力すれば,Makefileで設定されているディレクトリに必要なファイルをインストール します。

いよいよ起動です。スーパーユーザから一般ユーザにもどって,シェルとしてcsh系を 用いている場合は`rehash'とコマンドラインから入力してください。bsh系の場合は, すみません。知りません。起動できない場合はフルパスで

% /usr/local/bin/xemacs

としてください。次からは単に`xemacs'と入力すれば起動できます。これでも 起動できない場合はXEmacsがインストールされたディレクトリが環境変数PATHに 記述されていない可能性があるので,調べてみてください。

どうですか?期待した通りに起動できたでしょうか。僕の場合は日本語メニューが 表示できませんでした。皆さんの中にもうまく日本語メニューが表示できない方が いらっしゃると思います。XEmacsは日本語メニューのためのデータを持っているの ですが,このデータはデフォルトでは環境変数LANGがjaの場合にのみ有効になります。 そこで,環境変数LANGがja以外のシステムの人のために(これは僕も含みます),次の ようにしてみましょう。

まずは環境変数LANGを調べて,自分のシステムがどの変数を使用しているか確認します。 僕の場合はja_JP.ujisでした。次にディレクトリ /usr/local/lib/xemacs/mule-packages/etc/app-defaultsに移動します。この中には デフォルトではde,fr,ja,roというディレクトリがあると思います。このうちの jaが日本語メニューのためのデータを持っていますので,これを皆さんのシステムの 環境に合わせます。今回もスーパーユーザになって,

# ln -s ja ja_JP.ujis <- これはみなさんの環境変数LANGに合わせます。

これで,環境変数LANGにあったデータを作成したことになります。ここでもう一度 XEmacsを起動してみましょう。

今回はメニューも日本語になったXEmacsが起動できたと思います。これでインストールも 完了しましたので,最後に1つ。XEmacsはユーザごとに設定ファイルを持つことが 可能です。このファイルによって,ユーザ1人1人が,自分の好みに合ったXEmacsに カスタマイズすることが可能です。この設定ファイルは.emacsという名前になっています。 このファイルがユーザのホームディレクトリ(僕の場合だと/home/n_taka)にあれば, XEmacsは起動時にこのファイルを読み込みます。ですが, 単にXEmacsをインストールしただけでは,このファイルは個人のホームディレクトリに コピーされません。そこで,/usr/local/lib/xemacs-21.1-p2/etcからsample.emacsと いうファイルを,各自のホームディレクトリに.emacsとしてコピーしてください。 このファイルはサンプルファイルなので,XEmacsの一般的な設定が記述されています。

XEmacsのインストールはこれで終了です。ほんとは.emacsの設定についても 行いたかったのですが,それはまた別の機会に。

どうもお疲れ様でした。

Witten by N.Takahashi