心理療法の実際について

何回くらいで良くなるか

 よく質問もされる何回くらいで良くなるかという点ですが、これはほんの数回ですむこともあれば、数年間の長い期間を必要とする場合まで非常に個人差があります。

 本人のなかに受け止めるその下準備が出来ていたり、またちょうど時が熟してタイミング良かったりすれば一回から数回の短期間でスッキリ解決します。でも通常はその方の抱えている悩みの背景にあるものも含めた大きさ、根の深さに比例してそのぶん時を必要とします。

 長い期間根気よく通われて少しずつ力を付けて行かれる方もいれば、わりと少ない回数で、とりあえず楽になったのでこれでやって行けそうですと、全て解決ではなくとも当面の問題は楽になったところで終了される方もいます。またときには悩みの解決だけでなく人間的にも成長したいと考えて、根本の人格が大きく変化するまで取り組んで行かれる方もいます。その方それぞれの事情やペースがあるのでご自分が納得いくまでが一区切りとなります。

 当面の問題が解決した辺りで「一山超えた感じですね。今後はどうしましょうか」などと話し合って、その後を決めたりすることが良くあります。


通うペースは

 通うペースについてですが、非常に不安の強い方などで、とりあえず安定するまでの間は二、三日に一回くらいに回数をつめて通われる場合があります。通常は一週間に一回か二週間に一回のペースが多いです。

 諸事情があって最初から月に一回とかのペースで通われる方もいます。それでも信頼関係ができて根気よく通われていると、ちゃんと良くなっていかれます。通常はある程度の期間つめて通われ、安定してくると後半は間をあけて通われる方が多いです。

 定期的に通うのが難しい方で、短期集中的に面接を行う場合があります。そんな場合でも、かなり楽になったり、全面解決とまでは行かなくとも良い方に向かうきっかけがつかめたりします。思った以上に力が付くようです。たぶん切羽詰まったことで必死になり「窮すれば変ず。変ずれば通ず」というような、大きな変化が起こるのではないでしょうか。


面接はどのようになされているか

 実際の面接では通常カウンセリングを三、四十分やってちょっと休憩を入れたりします。後半は当相談室で用いている心理技法で興味がわいたものを試したりします。でも引き続き話をしたい方は後半部もカウンセリングをします。とにかく楽になりたい場合などで、話は早めに切り上げて心身が安定できるような方法を試してみる場合もあります。

 二回目以降は、カウンセリングのみ(対話中心)の面接でやっていかれる方もいます。逆にカウンセリングはほんの少しでほとんど催眠療法や他の心理技法を中心の面接になる場合もあります。前半にお話を伺ったところから鑑みて、後半は私が良かれと思ったことを「こういうふうにやりましょうか」などと提案します。でも、来談された方のペースや、したいことが一番大切ですから、一方的にならないように、その都度聞いたり話し合ったりしてやっています。

 たとえば初回の面接でも、元々箱庭療法や催眠療法やフォーカシングなどの心理技法に興味もあって来談された方には、その後半部に良かったらそれを試してもらったりしています。

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