催眠再考察

 ここに書き下ろした催眠や催眠療法に関する考察を元にして、さらに心理療法についてや、新しい催眠面接法としてのインナーセルフ療法などの紹介も加えた電子本『催眠の本質と新しい催眠療法:985円』をAmazonで販売もしています。また紙の本も『製本com:催眠の本質と新しい催眠療法:1700円+送料300円』で購入できます。

催眠とは本当はどのようなものかを詳しく知りたい方や、潜在意識などを含めた人間心理に興味がある方に・・・

 催眠術には何か特殊な、そして怪しげな雰囲気があります。確かに深い催眠状態にある人の反応は、まるで魔法にでもかかっているかのように不思議に見えます。そのまるで誘導者の言うとおりになるかのような反応や行動は、ちょっとした奇跡のようでもあり、催眠誘導は強力な人間操作方法に思えてきます。

 これらのことから当然、それを見る人々の思いは両極端化し、催眠に対する魔術的な期待となる一方で、その反対の強い抵抗感や否定、偏見ともなるのです。奇跡が起こるのでは、との強い期待があるからこそ催眠を体験したいし、その技法を学ぼうとするのですが・・・。でも初恋がはかなく消え去る運命にあるのと同様に、強過ぎる期待で始まる物語は成就しがたいものです。

 何事においても強く感情移入すること、これは絶対なものなのだ、と思いこみを強くすること信じることが強く個人を支えることになるし、物事を成し遂げるためのパワーとなるわけです。実は催眠とは、この思いこみをますます強化するテクニックなのです。けれどもこれが絶対というような一面的な考えや価値観は必ず対立を生み出し、差別を生み出し、してしまうものです。このことは対外的にだけでなく一個人の内にも解離や葛藤などの対立を生んでしまうのです。

 出鼻をくじくような話から始めてしまいましたが、それはやはり、何事も長所と欠点があるのだし、そこをしっかり見極めた上で取り組む方が良いに決まっているからです。

 私が知る限りですが、こと催眠に関しては限界を述べるにしても、欠点を述べるにしても、何か曖昧だったり納得がいきかねるものであったりすることが多いように思います。この点は先にも述べたように催眠が「思いこみを強化する技法」、言い換えると「その気になってもらう技法」そのものであり、その限界を述べることは、即、催眠全てを否定することになりかねないため余計になおざりにされてきたのではないでしょうか。

 私はこのコラムで私の催眠にたずさわってきた経験を元に、主にカール・ロジャーズのパーソナリティー理論とユング心理学の考えの一部と、禅仏教の考えなどを参考にして催眠とそれにまつわるものを心理分析してみました。こじつけているつもりはありませんが独りよがりな所があるかもしれません、読者の批判を仰ぎたい所です。

 また先に述べたことと重なりますが何かを認めてもらおう興味を持ってもらおうという時にはその良い点ばかりを強調する事になりがちです。でもそのようなやり方はかえって本当の信頼を損ないます。ですからできるだけそのような事にならないように注意し、催眠のその限界なども厳しく見ていくようにしたつもりです。目次の項目から目に付いた所をクリックして部分読みしながら入り込んで頂ければ催眠がどんなものか、またそれが即、人の心がどうなっているかを知ることになるのが了解できるはずです。


星マーク 目 次 星マーク


Ⅰ.催眠の理想と現実

(治療者「催眠療法家」とクライエントの相互関係、その問題点検討)
|ギャップ|クライアント|治療者|プラス思考の功罪|催眠は只のテクニックです|

Ⅱ.催眠が不思議に見える理由

(暗示言葉の特徴と自分に気づけない私たち)
|思いこみ|第三者が催眠状態にある人を見たときの不思議さについて|暗示の不思議|

 ※こちらの内容は2017年1月に催眠に特化したHP『なぜ催眠は不思議に見えるのか|催眠の本質と新しい催眠療法』に移転しました。

Ⅲ.催眠は日常の現象の凝縮版

(催眠現象そのものを日常における心身の現象と対比しながら解明)
|感情移入と自我放棄|イメージ活動の活発化|

 ※こちらの内容は2018年11月27日に『催眠とはどのようなものか|カウンセリング・催眠療法・フォーカシングの横浜心身健康センター』に移転しました。

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